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【解説】衆議院選挙 北海道は与党が野党を上回る 与野党の戦いを総括

  • 2021年11月1日

10月31日に投票が行われた第49回衆議院選挙。道内12の小選挙区は自民・公明両党が7議席を獲得し、野党を上回りました。比例代表の北海道ブロックも自民党が定員の半数の4議席を獲得して与党が野党を上回りました。与野党の戦いを総括します。


与野党勢力伯仲のなか “与党踏ん張る”

今回の衆議院選挙は、与野党の勢力が伯仲するなか、ひと言で言えば“与党が踏ん張った”選挙だったと言えます。
道内12の小選挙区は前回・4年前の選挙で自民・公明両党が7議席を獲得。しかし、今年4月の2区補欠選挙で立憲民主党に議席を奪われ、今回の選挙前、与党は6議席。野党と6対6、互角の状況に持ち込まれた状況下での選挙でした。

結果、9区では野党に議席を奪われたものの3区と6区で自民党が議席を取り返し、与党は過半数の議席を回復しました。
また、4区で激戦を制して議席を守ったほか、前回、接戦となった10区でも公明党が得票を重ねて勝利。届かなかった8区や11区でも前回より差を詰めて立憲民主党の前議員に迫りました。与党が分厚い支持層に支えられ、「底力」を見せた選挙戦だったと言えます。

比例代表でも与党が議席を伸ばしました。自民党は前回より1つ増やして4議席を獲得しました。これは小選挙区比例代表並立制が導入されて以降、最多となる議席数です。小選挙区を合わせた20の議席は与党が12議席を獲得。全体としても野党を上回りました。

 

野党側 候補者一本化の効果は…

一方、野党は今回、直前に3つの選挙区で共産党が候補者を取り下げ、立憲民主党に一本化。1対1の与野党対決に持ち込みました。9区では立憲民主党の野党統一候補が自民党の前議員を破り、小選挙区の議席を奪いました。一本化が功を奏した形でした。
他方、ともに立憲民主党の新人が挑んだ残る3区と4区では一本化にもかかわらず競り負けました。一本化すれば自民党候補を上回れるという計算が野党側にはありましたが、思うように得票は伸びませんでした。候補者が決定されたのは、いずれも今年夏以降で支持を固めるには時間が限られたということだと思います。

また、共産党は一本化した選挙区を除く3つの選挙区にみずからの候補者を擁立し、選挙区の運動を比例代表での得票につなげることで前回失った議席の奪還を狙いましたが、それもなりませんでした。

札幌市内3つの選挙区に擁立した日本維新の会も議席獲得はかないませんでした。

 

投票率低迷 盛り上がりに欠ける

一方、投票率は低迷しました。今回の投票率は58.79%。前回・4年前の選挙を1.5ポイントほど下回りました。これは、前々回・2014年(平成26年)の選挙、その前の2012年(平成24年)の選挙に次いで戦後3番目の低さとなります。4年ぶりの政権選択選挙。それも新型コロナウイルスの感染が拡大してから初めて全道で行われた選挙でしたが、選挙戦を取材していても、総じて盛り上がりには欠けたという印象です。

来年は参議院選挙も控えています。与党側は今回の衆議院選挙で得た支持を追い風としたい考えです。一方、野党側は戦略の練り直しを迫られる形となりました。“夏の政治決戦”の与野党の攻防、注目したいと思います。
(札幌放送局 藤井凱大記者)

 

【詳細】衆議院選挙 道内12小選挙区は与党が7議席で過半数獲得 比例も与党が上回る

【解説】衆議院選挙 比例北海道ブロックで自民党が4議席獲得 出口調査で分析

 

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