この秋に放送されるNHKの特集ドラマ「続 遙かなる山の呼び声」。
中標津町で行われたロケには多くの町民の方々がエキストラとして参加してくれました。
撮影の舞台裏を取材しました。(中標津支局 原田未央)
豪華俳優陣が臨んだ中標津ロケ
6月に中標津町の牧場などで行われた「続 遙かなる山の呼び声」のロケ。主役の阿部寛さん、ヒロイン役の常盤貴子さんら豪華な俳優陣が撮影に臨みました。ドラマは、40年ほど前に公開された山田洋次監督の映画「遙かなる山の呼び声」を原作に、4年前に放送されたドラマの続編。山田監督が脚本を書き下ろしたもので、中標津町の牧場を舞台に男女の出会いと切ない別れが描かれた前作から5年後の設定です。

スーパーの会議室が刑務所に?!
撮影は牧場以外でも。物語の冒頭、阿部さん演じる森山耕作が刑務所を出所する手続きのシーンです。物々しい雰囲気に包まれたこの場所、実は、中標津町農協のスーパーの2階の会議室なんです。

出演した中標津町農協の田渕翔一さんは「初めてでどうやっていいかわからず、ちょっと緊張しましたね」と話し、千葉雄大さんは「エキストラ出演の依頼に最初びっくりしたんですけど、貴重な経験させていただいたと思います」と笑顔を見せていました。

生徒たちは難しい演技に挑戦
町立の義務教育学校計根別学園でも撮影が行われ、生徒たちがエキストラとして参加しました。一部の生徒は用意された衣装のジャージに着替え、音楽室へ。ここで撮影されたのは、音楽教師役を演じる藤井隆さんの指揮で「野ばら」を合唱するシーンです。

ここで生徒たちに求められたのはなんと「やる気のない生徒たち」という難しい演技。だらけた姿勢で立ったり、隣の生徒とふざけあったり、それぞれ考えながら演技に臨みます。この日のために練習したという歌声も抑えめに小さくし、わざとリズムを外す生徒も。生徒たちの「熱演」で撮影は2時間ほどで終わり、最後に藤井さんと記念撮影を行って満面の笑顔を浮かべました。
女子生徒は「芸能界の人に初めて会ってドキドキしました。普段何気なく見ている風景がドラマに使われるってすごいことなんだってうれしくなりました」と話し、男子生徒は「スタッフさんが優しくて楽しんで参加できました」と語っていました。また別の女子生徒は「早くドラマ観たいです」と話していました。

出演者も地域に感謝
中標津町でのロケは6月末までの2週間で無事に終了しました。美しい風景と多くの町民の協力でつくりあげられる作品に地元の期待も高まっています。
常盤貴子さんは「やっぱりすごく皆さん優しくしてくださって、その地元の方々が楽しい会話の中で教えてくださった情報というのが、私たちの血肉になって役に生かされているので、本当にありがたい日々です」と話していました。
阿部寛さんは「地元の方の協力がほんとあって、凄く、常に温かく僕らを見守ってくれて、その雰囲気っていうのが作品の中にも明らかに出るんですよね。本当にこの中標津の良さを少しでも伝えられれば嬉しいなと思っています」と話していました。
特集ドラマ「続 遙かなる山の呼び声」はBSプレミアム、BS4Kで9月17日に放送の予定です。
2022年7月26日(火)
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