NHK札幌放送局

車がぐるぐる、旭川の名所ロータリー シラベルカ#48

シラベルカ

2021年4月27日(火)午後6時57分 更新

皆さんから寄せられた疑問に答えるNHK北海道の取材チーム「シラベルカ」。今回は、次のような投稿が寄せられました。

「ロータリーにおける交通規制では、出る車が進入する車よりも優先されると教わりましたが、常盤ロータリーでは進入する車が優先され、ロータリー内の車が停車して譲っています。なぜこのようなことが起こっているのでしょうか」
(旭川市在住・60代男性)


80年以上の歴史 走りづらいロータリー

投稿にあった「常盤ロータリー」とは、旭川市の中心部にある円形の交差点のこと。昭和11年に東京以北で初めて整備され、85年もの間、市民に親しまれてきました。今では旭川市のシンボルの1つにもなっています。

ロータリーを上から見てみると、円状の道路を中心に、6つの方向に道路が伸びているのが分かります。市内中心部にあることから、多い日にはおよそ3万台の車が、このロータリーを通行するとされています。しかし、地元の人でも走行に困っているようです。

30代の女性は…。

「みんな正確にルールを理解しているのかどうかよくわからない。牽制しながら走っている印象がある。走りやすくはないです」

また、50代の男性も…。

「様々なルールがあるみたいですが、よくわかりません。難しくて走るのを避けています」


走行ルールはどうなっているの?

それもそのはず、ここには一時停止の道路標識がありません。これでは、ロータリー内の車、それとも進入してくる車、どちらが優先されるのか分かりません。地元のタクシー運転手でも、避けて走る人は少なくないといいます。

タクシー運転手 渥美慎吾さん
「この仕事を始めたときは慣れていなかったので、ロータリーを走る練習をしていました。同僚のドライバーでも、ロータリーに入りたくない人もいますし、嫌いだとよく聞きます」

それでは、走行のルールは決まっているのでしょうか。道警旭川方面本部交通課によると、意外な答えが。実は、ロータリーでは、明確な走行のルールは決まっていません。

「左方優先」の原則から進入する車が優先とはされていますが、警察では、状況に応じて、ほかの車に十分注意して、譲り合って通行することが最も大切だとしています。


ロータリーと「ラウンドアバウト」

さて、ロータリーと同じ、円形を周回するように通過するタイプの交差点に、ラウンドアバウトがあります。ロータリーが「円形交差点」と呼ばれるのに対し、ラウンドアバウトは「環状交差点」と呼ばれています。道内ではおととし、道南の上ノ国町に初めて整備されました。去年には、道北の浜頓別町にも整備されましたが、道内にはまだ2カ所しかありません。ロータリーと違い、走行方法が明確に定められています。

ラウンドアバウトでは、周回している車の通行が優先されます。つまり、進入する車は待たなければなりません。写真にも、ラウンドアバウトに侵入する道路上に「ゆずれ」の文字が書かれています。

このように、ロータリーとラウンドアバウトは、形状こそ似ていますが、走行ルールが違います。周回している車の優先が明確に決まっているラウンドアバウトとは異なり、ロータリーでは、進入する車を優先としつつも状況に応じて譲り合うことが求められるだけに、より走行が難しいとされています。


ロータリーで安全に運転するには?

では実際、ロータリーでは、どのように運転をすればよいのでしょうか。旭川市にある自動車学校のベテラン指導員、若島敏彦さんに、実際に教えてもらいました。

教習生から、どのように走りづらいのかということをよく聞かれるという若島さん。
教習車を借りて運転し、ロータリーに向かいました。助手席には若島さんに座ってもらい、アドバイスを受けます。 走行の大前提は、しっかりとスピードを落とすこと。その上で、重要となるポイントが2つあるといいます。

1つめは、ロータリーを出る際に、左ウインカーを早く点灯させることです。出たい出口の直前ではなく、1つ前の出口を通過した時点でウインカーを点灯させることで、こちらの意図を早く示すことができ、まわりの車がゆずったり、スピードを落としてくれたりして、事故のリスクが大きく減少します。

2つめは、相手が止まってくれるだろうという先入観をなくすこと。自分の目の前を通過するのか止まるのか、しっかり見極める必要があります。「お先にどうぞ」という心持ちが、事故のリスクを減らします。

旭川市の常盤ロータリーは、長い伝統があり、多くの市民が愛着を持っています。 今後も長く親しまれ続けるためにも、事故が起きないよう、安全運転を最優先にして、ドライバーが譲り合って走行してほしいと強く感じました。

旭川局記者 牧直利・ディレクター 安田想

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