春から始まるNHKの新ニュース番組で、道東地域のメインキャスターを務める秩父別町出身・赤松俊理アナウンサーと、NHK初の地域職員アナウンサーで札幌市出身の野原梨沙アナウンサー。道内出身の2人が
地元・北海道の地域放送にかける思いを語り合いました。(2022.3.29公開)
多様性に富んだ北海道でニュースを届ける魅力

赤松:野原さんは、入局してもうすぐ1年ですね。出身地の札幌で、アナウンサーとしてスタートを切りましたが、仕事にはもう慣れましたか?

野原:大好きな北海道で、幼いころから憧れていたアナウンサーになれたので、すごくやりがいを感じています。ただ、まだまだ失敗ばかりで、へこむこともあります(笑)。
赤松:それは、意外ですね。研修の時から、野原さんはとても落ち着いていて、しっかりした新人という印象を受けましたから。
野原:赤松さんには、新人研修で丁寧に教えていただき、おかげでアナウンサーとしての心構えができました。それでも、責任の大きな仕事ですので、毎回、すごく緊張しています。
赤松:例えば中継では、うまくやろうとせず、取材も放送も、おもしろがろうとすることが大切ですよ。伝える側が楽しまないと、視聴者のみなさんにも楽しく伝わらない。どこかしら緊張が伝わってしまいます。
野原:まさに、それが今の私の課題です。楽しまなくちゃいけませんね。
赤松:実は、僕も自らおもしろがるのに15年くらいかかりましたよ(笑)。言うは易し、ですね。
野原:赤松さんも、札幌でアナウンサー人生をスタートされましたが、どんな新人時代だったのですか?
赤松:中継の機会がとても多く、富良野のラベンダーから、1日に7回も中継したことがありました。今でも忘れられません。月に何度も中継を経験し、アナウンサーとしての”足腰“は、かなり鍛えられましたね。何が起こるかわからない中継の現場では、多くを学べます。北海道は広いだけでなく、文化が多様ですから、野原さんもぜひ、全道各地でいろいろなことを経験してください。
野原:そうですね。多様性に富んだ北海道の各地に足を運んで、そこでしか得られない情報を発信することに魅力や意義を感じます。
赤松:現場に足を運び、その土地ならではの情報を伝える。道内各地に放送局を持つNHKの存在意義は、そこにあると思っています。

北京五輪を通して実感した地域に向き合い続ける意義
赤松:一括りに北海道といっても、地域によって、気候も文化も違います。僕は釧路放送局に赴任した時、暮らしの中にアイスホッケーが根付いていることに本当に驚きました。
野原:私もそれは知りませんでした。
赤松:当然、取材する機会も多く、当時、高校生だった選手が今回の北京五輪にスマイルジャパンの一員として出場していました。地域で頑張っていた選手が世界の舞台に立ち、それをまた同じ道内局で取材し続けてきた同僚アナウンサーが実況する。これも北海道の地域放送に向き合い続ける、ひとつの意義なんじゃないかと感じましたね。
野原:私は北海道を拠点にする地域採用のアナウンサーとして、この先ずっと、長く北海道に向き合えることを強みにしていけたらと考えています。今はまだ中継を担当するのが精一杯ですが、地域職員ならではの視点で発信できるアナウンサーになりたいです。
生活者の目線を大切に必要な情報を届けたい
野原:東京勤務時代は、外から北海道をどのように見ていましたか?
赤松:すごく歯がゆい思いで見ていました。東京では、全国ニュースの一部として北海道の情報を伝えていたのですが、4年前、北海道胆振東部地震が起きました。被災地の状況を東京のスタジオから全国に伝えるのが僕の仕事。現場に足を運ぶことは、できません。現場に行けないのがもどかしかった。そんな経験をしたからこそ、北海道に戻って何ができるのか、改めて地域に向き合いたいと考えることができました。
野原:現場で起きていることを、実感を持って地域の人に伝えたい。そんな思いで、4月からの新番組に臨まれるのですね。
赤松:はい。僕は道東のニュースを担当します。視聴者の皆さんと同じ目線でニュースを探し、必要とされる情報をお届けします。
野原:地域と向き合うその背中を私も追いかけたいと思います。
赤松:僕も今から楽しみです。生活者としての目線を忘れず、一緒に北海道の地域を熱く盛り上げる、そんな情報を発信していきましょう。

7つの放送局が結束して『新しいNHK』を道民のみなさんへ
NHK北海道は札幌・函館・旭川・帯広・釧路・北見・室蘭の7つの放送局が強く結束して、北海道民のみなさんが「新しいNHK」を実感できる放送・サービスをテレビ・ラジオ、インターネットでお届けします。

これからもずっと道民のみなさんに必要とされるNHKであるために
「身近な地域のニュース・話題を毎日、しっかりお届けする放送・サービス」と「道民の命とくらしを守る報道」をさらに強化します。
1つめは、平日の夕方6時台に15分間の地域のニュース番組をスタートさせます。「この番組を見れば、自分が住む町の今日一日のニュース・出来事が分かる」、「ここにしかない課題をきちんと伝え、NHKはみなさんといっしょになって解決に尊く」を大切にします。2つめは、最近、各地に被害をもたらしている気象災害や、沿岸部を中心に広範な津波や浸水被害が想定される千島海溝・日本海溝沖地震をはじめ、あらゆる自然災害に備える情報発信に、道内全7局が総力を挙げて臨みます。
また、日々の暮らしに欠かせない道路・交通、電気・ガス・水道・通信などの社会インフラの障害に際して、影響を受ける人たちへ、すみやかに、そして正確に情報をお届けできるよう、L字画面も積極的に活用します。さらに、各地域向けのラジオの「ニュース・気象情報・お知らせ」枠を増設します。また、防災・減災に役立つ情報や学ぶ機会を提供していきます。
「新しいNHK」は4月4日(月)スタート
赤松俊理・野原梨沙アナウンサーの「北海道のために貢献したい」という熱い思いを感じられてうれしく思います。2人には4月4日からスタートする「新しいNHK」にこの情熱を注いでほしいと思います。2人はまさしく、”どさんこ × NHK“の象徴です。道民のみなさんに親しまれ愛されるNHKアナウンサーになってほしいのはもちろんですが、年月を重ねて1人でも多くの道民の方々と交流し、どんな事も道民と分かち合い、道民と喜怒哀楽をともにする”北海道民の”アナウンサーになってほしいと思います。


3月18日(金)、札幌局8K公開スタジオで、 2022年度の番組発表記者会見を行いました。4月4日(月)から始まる新年度の新たな番組などをご紹介します。
