NHK札幌放送局

あのイラストって、墨絵アニメーションなんです!

番組スタッフ

2020年6月26日(金)午後4時00分 更新

「おうちでごちそう北海道」の、かわいく、あたたかいイラストを作ってくれたのは墨絵アニメーション作家の横須賀令子さん。札幌在住ということで、広報担当・フクシマがインタ ビューに伺いました。

Q 最初、この企画のオファーが来たときの感想は?

北海道の食材をつかってもらう、というコンセプトが、いいなと思いました。
ちなみに、料理番組に関わるのは初です。

Q イラストでこだわった点、工夫された点は?

時期的にコロナウィルスの影響で外に出れない時だったので、野菜など食材をキャラクターにして、牧場に居る感じにしたら、気持ちいいかな、と。ゆるい感じでできたらいいなあと思い描きました。ただ、食材だけだと寂しいかなと思い、子どもの絵も書きました。ディレクターの田辺さんとは、何回か(※)お仕事させてもらっているんですが、いつも自由にやらせてもらっています(笑)

※横須賀さんと田辺ディレクターが制作した過去番組

Q 墨絵アニメーションは、横須賀さん以外にも作っている方いらっしゃいますか?

私の若い頃は、私の他にはあまりいなかったんですが、最近は、美術大学などの学生さんたちが、卒業制作とかで作ったりしていて、すごい力が入っている作品も見たことあります。中国の方でも、墨絵アニメーションやってる方もいますよ。

Q 墨絵アニメーションを教えたりされているんですか?

やりたいな、という気持ちはあるんですが。1年に一回くらいですが、墨アニメにこだわってではないんですが、ドローイングというか、CGとは別の手書きアニメーションということで大学に教えに行ってます。

Q なぜ墨絵アニメーションをやろうと思ったのですか?

もともとは、昔、10 代の頃、漫画家になりたかったんです。漫画家は、当時は、開明墨汁を使って書いてたんです。漫画の場合は、墨汁を使ってもにじみはできなかったんですが、にじみはきれいだな、と思っていて、アニメもやりたかったので、アニメ専門学校行ったときに、卒業制作で「なんでも好きなのやっていいよ」と言われ、墨でにじみでやったのが最初です。やる人がいないからやったらいいよ、と言われて、作っていったら、和紙と墨というのが奥深くて。動かしてみると、ふわふわしてふにゃふにゃとした動きなんですが、これが、なかなか思ったような線が描けないし、書けないっていうのが面白くて、続けてやってきたかなと。

Q 墨って、うまくコントロールできないのに、その中で、アニメのコマを連続で書くのはどうやるんですか?

まず、動画用紙に鉛筆で描いて、その上に和紙を重ねて筆でなぞるんです。今回は、キャラクターなので筆は太いもので書いたんですが、モノによってはもっとにじませたりします。鉛筆書きで前のコマに合わせるのは、普通のアニメと同じです。ペラペラやりながら1枚づつ書いていきます。

背景は別に作成し、あとは、PCに取り込んで、濃さを調整したり PC で着色したりします。紙にゆがみがあって、影ができるので、きれいにそれを消していく必要があります。今回、料理人の栂安信子さんの絵は1枚絵だったので、PC での作業はあまりそのへんは考えずに描きました。

Q 普段、横須賀さんの作品は無色が多いと思いますが、今回は色がありますね。

今回は、気持ち的に明るくなりたかったので、色をつけました。

*(田辺ディレクター)横須賀さんが描いてくれた子供の絵を見て、音あったほうがいいなあと思い、ただ、コロナウィルスのため、外部から人をスタジオに呼べないので、2つ隣に座っている同僚ディレクターの娘さんの声、私の息子の声を、自宅収録しました。 

Q 今回はオーダー受けてから、どのくらいの制作時間だったんですか?

考えている時間のほうがけっこう大変なので。2週間くらいかかりました。決まってしまうと、描くのは速いんですけど。そこまでいくのに時間かかります。今回、いちばん時間がかかったのは、これですね。PCで色を塗っているんですが、仕上げは10~15分くらいです。

実は、これ書いているとき、一番悩んだのは、「3密」だったんです。でも、絵だからいいよね、と。野菜とかだし、にぎやかな感じにしたいと思いまして。人間だったら「3密」できないから、せめて絵ではと。

Q 完成した番組を見て、ご感想はどうですか?

歌もいい感じですよね!こういう料理番組、見たことないので。 

Q お料理はされますか?好きな食べ物なんですか?

好きな食べ物は、餃子ですかね。20代のころ体調崩したことあって、なぜか餃子を食べたら復活したことあってw それ以来好きです。お料理は、冷蔵庫の残りもので料理作れた時が一番感動します。

Q 茨城県ご出身で、東京で仕事をされ、今は札幌にいるわけですが、それぞれ、生活や仕事のやり方は違いますか?

主人の仕事の関係で、札幌に来たんですが、ラッキーだなと。仕事をするには、人に会うという意味では、いろんな人もいるし、東京はいいんですが、子供を育てるには、地方がいいなと思っていました。札幌に来たときは、もう仕事はできないかなと思ったんですが、意外に、NHKのプチプチアニメ「なんじゃもんじゃおばけ」の次の、「柿の木もっきい」を札幌で作ることになりました。それが、こっちに来て最初の仕事だったんです。プロデューサーの方に企画のイラストを見てもらったら、 「それでいきましょう!」とすぐ決まりまして。他にもぜんぜん会ったことない人とも仕事もしますし、意外にできるな、と思っています。

Q 札幌のアニメ会社とのお仕事もありますか?

話はするんですが、あまり仕事にはなってないですね。私の墨絵アニメーションが変わっているタイプなので、札幌のアニメ会社はほとんどTVアニメシリーズ関係が多く、毛色が違うので。

Q 札幌に親しいアニメーター仲間などいらっしゃいますか?

札幌でアニメや漫画、CGを教えている人たちと一緒に、教育目的で「北海道アニメーション教育協議会」を作ってます。情報大とか専門学校とかの先生たちと会って今後、どうやっていこうかとか、アニメーション学会の東日本支部で話し合ったりしてます。

Q 育成活動ですね?

はい。ただ、学生さんたちは、卒業すると道外に行ってしまうのですが、最近は道内に残る人もいます。

Q 今後の with コロナ時代、どのような活動を考えていますか?

墨絵アニメーションを広めたいなと。『驚盤(おどろきばん)』とか使って、身近なもので、子供たちに教えれたらなと思っています。機会があれば、子供向け墨絵アニメ―ション教室とか。

驚盤を試す田辺ディレクター

Q NHK では「みんなのうた」も制作されていますね?

はい、2本作りました。「きみのほっぺ」を作ったのが印象に残ってます。歌詞がストレートで感動的で。


Q 見てるNHK番組や、好きな番組ありますか?

今見てるのは「麒麟がくる」です。朝ドラ、大河が好きで見ています。朝ドラは、アニメーターの世界を描いた「なつぞら」も見てました。「ごちそうさん」「あさが来た」も好きでした。

Q 影響を受けたアニメ作家や作品はありますか?

フレデリック・バック(カナダ出身のアニメーション作家)さんの「木を植えた男」です。
もともとアニメが絵本にもなっていると思うんですが、色鉛筆の総天然色の美しさや、やわらかい動きで、一人の男の人生を描いているんですが、そのコツコツとした人生・思想に感動しました。

Q 最後に視聴者の方々にメッセージをいただけますか?

墨絵アニメーションは、背景が白であることが貴重です。その中に、墨を入れるときに、紙の中に空間を感じられる奥行きがあって、その世界に入っていく感じを味わえるんです。それを表現できたとき、現実とは違うものが現れてくる。それが、私がずっと墨絵アニメーションを続けている理由かもしれません。

田辺ディレクターと、横須賀さん

おしまい。

横須賀令子さんプロフィール
茨城県ひたちなか市に生まれる。
専門学校在学中より墨絵アニメーションを独学で制作し、TV番組、CMなどのアニメを手がける。主に和紙に墨や水彩を用いた手描きアニメーションを制作。
主な仕事、作品歴:1994年NHKプチプチアニメ「なんじゃもんじゃおばけ」(1996年第6回国際アニメーションフェステイバル広島大会入選、1996年ワールドアニメーションセレブレーション(ロサンゼルス)子供のためのアニメーション部門2位入賞。2003年「連句アニメーション「冬の日」参加。2005年「GAKI琵琶法師』(第9回文化庁メディア芸術祭 審査委員推薦作品、 2009年SAPPORO Short Fest フィルムメーカー部門グランプリ)。2011年サントリーHP「えこそだて」にて「うごくえこよみ」のアニメーションの制作。2014年「NHKみんなのうた/きみのほっぺ」など。
現在札幌市在住。

2020年6月25日

おうちでごちそう北海道 web

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