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改修工事で新発見 赤れんが庁舎100年の謎に迫る!

ほっとニュースweb

2022年5月19日(木)午後7時31分 更新

国の重要文化財にも指定されている北海道庁の旧本庁舎「赤れんが庁舎」。現在、進められている大規模改修工事で、これまで知られていなかった創建当時の遺構が相次いで発見されました。100年の時を経て姿を現した遺構、その謎に迫ります。
(眞野敏幸)

明治の火災

「赤れんが庁舎」の愛称で親しまれている北海道庁の旧本庁舎は明治21年に建てられました。
設計は北海道庁技師の平井晴二郎氏。道内で焼かれたれんがを使って建てられました。当時の技術を結集して造られた西洋建築物です。
しかし、創建から21年後の明治42年、庁舎で火災が発生。れんが造りの外壁を除いて全焼しました。
今の建物は、その2年後、明治44年に再建されたものです。

庁舎は、戦後、昭和44年に、明治時代の希少な洋風建築物として国の重要文化財に指定されました。
今では北海道のシンボルとして多くの観光客が訪れるスポットとなっています。

見つかった遺構

再建から111年。老朽化に伴う補修や耐震補強が必要なことから、「赤れんが庁舎」では、今、大規模な改修工事が行われています。

その中で、これまで知られていなかった複数の遺構が明らかになってきました。
まず見つかったのは、れんが造りの「U」字型の構造物。地下1階の床下から姿を現しました。
創建時、隣にはボイラー室があったとされています。
構造物が見つかった場所には、暖かい空気を各部屋に送るための「配管路」があったと考えられてきましたが、詳しいことは分かっていませんでした。

道建設部赤れんが庁舎整備担当・松原昭仁主幹
「昭和の報告書に記載が残っているだけで、実際にどのようなれんがで積まれていたのか、状況は映像として残っていませんでした。そういう部分を新たに記録できるというのは大変うれしく思っています」

謎の壁

庁舎2階の中央廊下でも発見がありました。
内装の一部をはがしたところ、周りとは違う色をしたれんがの壁が見つかったのです。
もともとあった空間を、れんがでふさいだ跡と見られています。

れんがで覆われた壁の奥。その空間には何があったのか。
ヒントは、庁舎の中央上部にある「八角塔」にありました。

赤れんが庁舎を象徴する「八角塔」は、創建当時の庁舎にもありましたが、強度不足のため、建設後に撤去されたことが資料で確認されています。
色が異なるれんがの壁は、このころ、「八角塔」に通じる部屋への階段を撤去し、ふさいだものと推測されています。

失われた歴史を求めて

このほか、2階の壁には、すすで黒ずんだれんがが確認されました。
100年余り前の火災の痕跡と見られています。

道建設部赤れんが庁舎整備担当・松原昭仁主幹
「赤レンガ庁舎は、明治の火災で資料がほとんど燃えてしまっていて、造られた当時の経緯がわからないものが多くあります。今回、新たに見つかった遺構について、1つ1つ、それぞれの材料の採用に至った経緯などを調べて、材料がどう使われていたのか、どういう社会的な背景があったのか調べていきたいと思います」

「赤れんが庁舎」の改修工事は3年後の令和7年2月まで行われる予定です。
道は、今回見つかった遺構について画像や図面に残し、改修工事の後、報告書にまとめることにしていて、今年10月には、現場近くに仮設の見学施設を設け、改修工事の様子を公開することにしています。

2022年5月19日

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