NHK札幌放送局

まるで異世界!?湖から聞こえるナゾの音

ほっとニュースweb

2021年1月6日(水)午後1時05分 更新

「冬の道東にエメラルド色に輝く湖がある」噂を聞き、私たちカメラマンはその姿を撮影したいと現地にむかいました。しかし、待ち受けていたのは想像をこえた神秘的な“音”の世界でした。
1月15日BSニュース4Kで放送予定
(取材・撮影 NHK札幌放送局 腹巻尚幸カメラマン、大髙俊之カメラマン)

予想外の雪に落胆

道東の足寄町にある湖「オンネトー」。五色沼(ごしきぬま)とも呼ばれ、光の差し方によって、鮮やかな青や深い緑に見える湖です。ここ数年、凍った湖がエメラルド色に輝く姿がSNSなどで話題を呼んでいます。
例年、オンネトーが全面結氷するのは11月下旬から12月初旬。私たちは、町役場や地元ガイドなどに取材を進め、毎日気象条件をチェックしながらその日を待ちました。
12月上旬、結氷の知らせを受けオンネトーに向かいました。しかし、見えてきたのは「一面の銀世界」。完全にタイミングを逃していました。

地元のガイドによると、ことしは結氷とほぼ同時に雪が降り積もり湖全面が輝くことはなかったそうです。私たちは、湖の上に積もった雪を見てがっくりとうなだれました。到着してまだ数分。「もう帰ろうか」あきらめの気持ちが一瞬頭をよぎりますが、さすがに何も撮れませんでしたでは帰れません・・・。

聞こえてきた不思議な音色

とにかく少しでも雪がない場所を探してみようと湖に近づいて行くと・・・

みょーん みょーん みゅおーーん ぴょん ぴょん

湖全体に音が鳴り響いています。「鳥のさえずり」にも聞こえるし、懐かしゲームの音にも似ています・・・。しかも、一度だけでなく何度も、多いときは数十秒おきに鳴り続けています。まるで異世界にたどりついたような不思議な気分です。私たちはこの神秘的な音に興味をひかれ、まずこの音を取材することにしました。

20年通うガイドにきいてみた

なぜ音が鳴るのか。20年以上オンネトーに通い続ける地元ガイドの安井岳さんに話を聞きました。

地元ガイド 安井岳さん
湖全体に張った氷が、冷え込むのと同時に膨張し、その弾みで氷が揺れて湖から音が出ているのではないかと思います。しかし、正確なことはわかっていません。私の経験上、氷が薄い時期に高い音がして、氷が厚くなると低音に変化していきます。

安井さんによると、この不思議な現象は特に冷え込む早朝や夕方に多いということでした。安井さんは、オンネトーの魅力はこの音だけではないといいます。

20年前のオンネトーは今よりもっと青かったんです。それが少しずつ緑色に変わってきています。変化し続けているというのがオンネトーの一番の魅力だと思います。湖面の雪も風に吹かれて様々な模様を作っています。こうした小さな変化が面白くて、何年続けてきても飽きることがないんです。

オンネトーの冬景色をさがして

——この冬ならではのオンネトーを撮影しよう。私たちもことしならではのオンネトーの冬景色を探すことにしました。すると、川の流れ込み付近に氷の中に閉じ込められた気泡をいくつも見つけました。ガスが凍ってできた小さなアイスバブルです。うっすらと青い氷の芸術に出会いました。

さらに湖面を観察してみると、水中に沈んだ落ち葉やナナカマドが氷で閉じ込められていました。光が差し込むと、そこには時が止まったような景色が広がっていました。
雪が積もった湖面もドローンで詳しくみてみると、ハート型や丸型など、雪と氷が様々な形を作っていました。夕日が差し込んだ湖面は、深い緑や青が入り交じった、まさに五色沼と呼べるような景色でした。

氷と雪が様々な形をみせる
エメラルドだけでなくダークブルーに見えることも
周囲の木々の色も混じり合い不思議な色合いに

ついに現れたエメラルドグリーンの湖面

取材の最終日。天候に恵まれ、朝から日が差し込み気温も0度近くまで上昇していました。もしかすると雪が溶けて思い描いていたエメラルドの湖面が見えるかもしれない。祈るような気持ちでドローンを飛ばすと、ついに絶景が姿を現しました。

わずか300メートルほどの範囲でしたが、周囲の山々が映り込み鏡のような湖面が広がっていました。ドローンで捉える角度によって深い青や緑にその見え方は変化していきます。「北海道にはまだこんな場所があるんだ」ため息の出るような景色が広がっていました。

取材を終えて

今回の取材では、湖全面がエメラルドに輝く姿は見られませんでしたが、それでも十分に美しい姿と不思議な音に出会い、北海道の自然の奥深さを改めて感じました。これからも北海道ならではの絶景をどんどん取材していきたいと思います。

2020年12月23日放送

オンネトーに行くには

オンネトーは、道道が冬期通行止めのため、雌阿寒温泉から1時間ほど遊歩道を歩いて向かう必要があります。足寄町によると、厳冬期には積雪も多く天候も変わりやすいため、冬山装備やスノーシューなどが必要だということです。また、湖面にはいたるところに穴があり、訪れる場合はガイドを伴うなど安全に十分注意してほしいということでした。問い合わせ先:「あしょろ観光協会」TEL:0156-25-6131



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