NHK札幌放送局

先住民族と明記 「アイヌ新法」案閣議決定 #アイヌ

ほっとニュース北海道

2019年2月17日(日)午後2時22分 更新

政府は15日の閣議で、アイヌ民族を先住民族として初めて位置づけ、アイヌ文化を生かした地域振興策を行うための交付金の創設などを盛り込んだ新たな法律案を決定しました。

閣議決定された法律案では、アイヌ民族を「先住民族」と初めて明記し、「アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図る」としています。
また、国や自治体がアイヌ政策を実施していく責務を負っているとした上で、地域の活性化を目指してアイヌ文化を生かした事業を計画する自治体を対象に、新たな交付金を創設することも盛り込まれています。

さらに、アイヌの人たちが独自の文化を継承するのを後押しするため、国有林で樹木を採取したり、川でサケを捕獲したりできるよう手続きを簡素化し規制緩和を行う、などとしています。
政府はこの法律案をいまの国会に提出し、早期成立を図りたいとしています。

【北海道アイヌ協会加藤忠理事長は】
国のアイヌ政策推進会議の委員を務めた北海道アイヌ協会の加藤忠理事長は、法案で初めてアイヌ民族が先住民族と明記されたことについて、「深い眠りから覚めた感じがする。アイヌと和人が一緒に共生社会を建設する第一歩だ」と述べ、今後アイヌ民族への理解が広がり、先住民族としての権利が確立することにつながると期待感を示しました。

その一方で加藤理事長は、法案に、協会がこれまで求めてきたアイヌ民族個人への生活支援などが盛り込まれていないとして、「一歩一歩進んでいくことが大事だと思っているが、全体の完成度は70%だ」と述べました。

【高橋知事は】
高橋知事は記者会見で、「長いアイヌ政策の歴史の中で先住民族であることを法律上認めたのは、大きな1歩だと率直に評価する。現に差別を受けながら生活に困っているアイヌの人たちも多くいる現実を踏まえれば、生活向上など、さらに政策を1歩1歩進めていく余地はある」と述べました。

【専門家は】
法案について、先住民政策に詳しい恵泉女学園大学の上村英明教授は、「法案に先住民族ということばが入ったことで評価する人がいるのはわかるが、先住民族政策の国際的な流れをみてみると、前進したとはいえない」と述べました。

その上で上村教授は、「法案に盛り込まれた新たな交付金制度はアイヌ民族個人ではなく自治体を対象としている。先住民族の権利回復についての本質的な議論を避けたものでおかしい」と疑問を呈しました。

政府のアイヌ政策の変遷

(2019年2月15日放送)


関連情報

邪神ちゃんと自治体 コラボの謎 予告

ほっとニュース北海道

2020年11月2日(月)午後3時35分 更新

ルーツに"誇り"を持つということ

ほっとニュース北海道

2020年12月21日(月)午後0時44分 更新

邪神ちゃんと自治体コラボの"謎” web

ほっとニュース北海道

2020年11月5日(木)午後5時05分 更新

上に戻る