4月9日のおはよう北海道土曜プラスのぶらりみてある記は、寿都町。 日本海に面した漁業の町で、道内でも風の強い地域として知られています。そんな寿都で、「風の恵み」を探してきました。(札幌局 堀若菜)
風のまち 寿都町
山から海に向かう「出し風」と呼ばれる強い風が1年を通して吹き付ける寿都町。そんな風を利用しているのが、11基の町営の風車です。自治体として風力発電を導入したのは、寿都が全国で初めてなんです。
風が育む海の幸

吉野寿彦(よしの・としひこ)さんの工場では、強い風を利用して、ある海の幸を作っています。それは、「岩のり」を使った1枚のり。とれたての岩のりを均等に伸ばして、1枚ののりにしていきます。

そののりをおいしくするのが、風。海から吹き付ける冷たい風でじっくり時間をかけて干すことで、ソフトな仕上がりになるんだそうです。
吉野さんおすすめの食べ方は、しょうゆをかけただけの「のり弁」です。これがとんでもなくおいしい!口いっぱいに磯の香りが広がるほか、のりの歯ごたえを楽しむこともできます。飽きることが全くない味わいで、カメラを忘れて食べ続けてしまいました。
風力発電を利用した「風のバジル」
寿都の風の恵みはまだまだあります。訪ねたのは、2年前に町が作ったハウス。その中で栽培されているのは、なんと、バジルです。

町の委託を受けてバジル栽培を始めた櫻田一幸(さくらだ・かずゆき)さん。バジルを作るときには、カビがつかないように扇風機を24時間回し続けて空気を対流させる必要があるといいます。その扇風機に使う電気を、町営の風車から直接引き込んでいるんです。そこで、「風のバジル」と名付けました。
また、櫻田さんは、ある商品を考案しました。

それがこちら。バジルのエキスが入った焼酎、「バジル焼酎」です。えーっ、どんな味なの?と気になる方、多いと思います。私も実際にいただくまで味の想像が全くできなかったのですが、もろ「バジル」なんです。バジルの香りが鼻に抜けて、とてもさわやかですっきりとした味わいです。すこし「ジン」に似ているかもしれません。これが、寿都の海の幸と合う、合う。寿都ならではの「ペアリング」でした。
風とともに生きる町で、風の恵みをたくさんいただいて、お腹がいっぱいになった旅でした。
放送予定
4月9日(土)午前7時30分
おはよう北海道土曜プラス
ぶらりみてある記