2年連続でセンバツ出場の切符をつかみ取ったクラーク記念国際。去年は延長戦の末、惜しくも初戦敗退でした。ことしこそは甲子園初勝利を。そう心に誓う新岡歩輝投手が支えにしてきたのが「家族」です。北の大地の厳しい冬を乗り越えて、エースとして、キャプテンとして逞しく成長した姿に注目です。
(旭川放送局 山中智里)
変幻自在!投球のヒミツ

新岡歩輝投手の持ち味は変幻自在の投球です。投げられる球種はカーブ、スライダー、チェンジアップなど8種類。投げ方もスリークオーター、サイドスロー、アンダースローの3種類を使い分けています。

新岡歩輝投手
「相手バッターも同じ球だと慣れてしまうので、少しでも工夫しながら、自分ひとりで最後まで投げられるようにいろいろなフォームから投げています」

チームを率いる佐々木啓司監督も高く評価しています。
佐々木啓司監督
「(新岡投手は)とても冷静でクレバーな選手。1球1球しっかり考えたうえでピッチングしていて、コントロールもいいので、初対戦で相手が打ち崩すのは難しいだろう」

心の支えは家族
佐々木監督は、かつて駒大岩見沢を春夏あわせて12回にわたり甲子園へ導いた名将です。その名将から期待される新岡投手の心の支え、それは小さいころから応援してくれる“家族”の存在でした。
新岡歩輝投手
「すごいずっと応援してくれていて、昔から自分のためにいろいろとやってくれているので、恩返ししたいという強い思いはありますね」

新岡投手は1歳年上の兄・真輝さんの背中を追ってクラーク記念国際に入学し野球部へ。去年のセンバツでは、兄の真輝さんはセンター、新岡投手はショートのレギュラーとして甲子園でプレーしました。両親に勝っている姿を見せたいと兄弟で奮闘しましたが、初戦で延長戦の末に敗れ、惜しくも勝利はなりませんでした。
新岡歩輝投手
「ことしこそは両親、そして卒業した兄にも甲子園で勝っている姿を見せたい」

そう心に誓った新岡投手が、この冬、力を入れたのは筋力トレーニング。去年秋の全国大会で強豪の大阪桐蔭と対戦したときに圧倒的な「体格差」を感じたからです。体重はこの冬で5キロ増えて、67キロから72キロへ。ユニフォームも“パツパツ”になったといいます。

また、大阪桐蔭との対戦ではインコースへの意識が不足していたと反省。投球練習ではコントロールを磨くことを意識してきました。
新岡歩輝投手
「腕周りの筋肉とかもついて、球に伝わる力が大きくなって、スピードも上がった。自分の中ではうまくプラスにできたかなと思っています。去年の秋の自分は変化球が多めで逃げるようなピッチングが多かったので、甲子園ではインコースをしっかり使った強気のピッチングでチームを自分が勝たせられるよう頑張りたい」
新岡投手は青森県の出身。親元を離れて、深川市での寮生活を続けています。ことしのセンバツでは、甲子園で初めてマウンドに立ちます。エースとしてキャプテンとして晴れ舞台で家族に甲子園初勝利を届けられるか注目です。

取材後記
今回の取材で私が一番驚いたのはクラーク記念国際の野球部にはマネージャーがいないことでした。佐々木監督をはじめ、佐々木監督の妻・千明さん、息子・達也さんが部員29名の食事メニューの作成やカロリー管理、練習のメニューづくりまで行っていて、家族3人のチームワークで野球部の根幹を支えているということでした。そんな“家族”の手厚い体制は、親元を離れて寮生活をする選手たちにとっても心強く、1人1人の心の支えになっていると選手たちの話を聞いて感じることができました。
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