オホーツク海の流氷を豪快に砕きながら前進するガリンコ号。流氷のある冬の時期のイメージが強いですが、なんと夏場は「釣り船」としても活躍しています。ガリンコ号の「釣りクルーズ」は、リピーターの割合が圧倒的に多いそうです。その魅力とは一体!? (2022年7月放送)


たくさんのカレイが釣れていましたね
船長の的確なアドバイスのおかげでたくさん釣ることができました。丁寧に教えてくださり、まさに「至れり尽くせり」といった感じです。
釣りクルーズでは、それぞれが釣った魚のうち一番大きいもののサイズを計測します。期間中に一番大きなカレイを釣り上げた方には賞金10万円を贈呈するというイベントも行っているんです。ちなみに、現時点(7月末)で一番大きいサイズは46センチで、釣り上げたのは女性です。
ガリンコ号のうち、釣りクルーズを行っているのはガリンコ号Ⅱ(150トン)のみですが、釣りを行う時の定員を20人に絞っているので、広々とスペースを使用することができます。釣り船としては柵が高いので安心して釣りを楽しむことができますよ(船内には個室トイレが3つあり)。

流氷や釣り以外でも活躍?
いろいろなイベントを考えています。例えば、夏に行われる「紋別みなとまつり」では、船上から花火を鑑賞できる「花火クルーズ」(定員:160人)を企画しています。約4,000発の花火を、海上から楽しむことができるんです。ほかにも、8月以降は「ホタテ漁クルーズ」や「星空クルーズ」なども企画しています。紋別市に来てくれた人が、ガリンコ号を身近に感じてくれたら嬉しいです。

釣りを楽しみにしているのはリピーターが多い?
ガリンコ号で釣りを楽しんだ方の多くが、また来てくれます。最初は「3時間コース」でやってみて、次は「5時間コース」に挑戦したい、という人が多いです。
今年はSNSを活用した広告の効果もあり「3時間コース」は初心者の方が増えました。ぜひリピーターになって欲しいと思っています。興味のある方は、面白いので一度やってみてください!
ガリンコ号の歴史は?
もともとは三井造船が資源開発のために作った実験船がはじまりです。その後、観光船として紋別市にチャーターされ、自治体の方のアイデアで「ガリンコ号」と命名されました。観光船としては、1987年2月が処女航海です。もともとは32人乗りとかなり小さい船でしたが、その後増設して70人乗りになりました(初代ガリンコ号は、現在は展示のみ)。
ちなみに、ガリンコ号は調査船として海洋研究の分野でも活躍しています。多くの種類のプランクトンが生息するオホーツク海で、流氷の周辺の調査が毎年行われています。流氷を砕きながら進める船だからこそできる調査なんですね。管理や維持にかかるコストは高いですが、紋別市の象徴ともいえるガリンコ号を守っていけたらと思っています。

【編集後記】
特殊な形状で、唯一無二の存在感を放つガリンコ号。流氷がないこの時期「釣り船」という横顔を見せてくれました。ガリンコ号を活用したみなさまのアイデアも素晴らしかったです。地域で愛されている、ガリンコ号の活躍を心より祈っています。
今回撮影に協力していただいた、紋別市のみなさまに改めてお礼申し上げます。
NHK旭川放送局:湊 英祐
「自治体からのナマ情報!」 道北オホーツクの自治体は全部で65。各自治体の広報担当者に、地域の自慢や旬の話題を自分たちが撮影した映像で伝えてもらいます。

NHK旭川では、道北オホーツク地方に関連する番組のご紹介はもちろん、道北オホーツクの廃線になった鉄道を振り返る「懐かしの鉄路」、地域でがんばる事業者を応援するプロジェクト「コロナに負けない」、プロバレーボールチーム・ヴォレアス北海道の選手たちの素顔に迫る「推しヴォレ」、家族で楽しめるさまざまなスポットを紹介する「キッズとおでかけ」、地域の課題の解決に向けたヒントを探る「地域の課題」などのコンテンツを発信しています。
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