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ストップ特殊詐欺被害 最新手口や対策は

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2022年9月8日(木)午後3時32分 更新

後を絶たない特殊詐欺の被害を減らそうと、検察官が市民を対象に最新の手口や対策を紹介する講演会が札幌市で9月7日に開かれました。(取材 札幌放送局・中山あすか)

札幌市中央区で開かれた講演会には、高齢者を中心におよそ40人が参加しました。
講演会では、札幌地方検察庁総務部の市木政昭部長が講師を務め、「特殊詐欺の被害者のおよそ8割は高齢者で、どんな人でも冷静さを失うとだまされてしまうことを自覚し、被害を想定して準備をしておくことが大切だ」と説明しました。

また、最新の事例として新型コロナウイルスに乗じた被害が取り上げられ、「ワクチンを優先接種できる」「補助金が出る」などといったうその説明でキャッシュカードを交付させたり、指示に従わせたりする手口が紹介されました。

札幌地方検察庁総務部 市木政昭部長
「新型コロナの補助金や給付金を受け取るためにお金を振り込んだり渡したりする必要はないことや、ワクチンは無料だということを知っておいてほしい。すぐに現金を振り込まず、家族や知人、警察などに相談することが大切」

参加した江別市の70代の女性は「友人がオレオレ詐欺の被害にあって、自分も無関係ではないと思って参加した。まわりに相談したり、情報交換したりすることは大事だと再認識した」と話していました。

特殊詐欺被害の現状は

道内で確認された詐欺被害の実例を2つ紹介します。

「名義を貸して」 約3000万円詐取
8月に起きた架空請求詐欺事件では、札幌市に住む70代の女性が、知らない男から「あなたの名義を貸してほしい」などとうその電話で複数回、持ちかけられ、あわせておよそ3000万円をだまし取られました。
警察によりますと、8月10日ごろ札幌市中央区の70代の女性に知らない男から「老人ホームを札幌に建設中だ。道外に住んでいる人が入居を希望しているが、札幌の居住者しか入居できないので、あなたの名義を貸してほしい」などと電話がありました。
その後、男は「手数料がかかる」とか「証券を移す」などと、複数回にわたって女性に宅配業者を使って現金を送らせるようしむけ、女性はあわせておよそ3000万円をだまし取られたということです。
女性はその後も宅配業者を使って現金を送ろうとしましたが、集配に来た業者が不審に思い、「おかしいと思うので、警察に連絡したほうがいい」と注意を呼びかけ、女性が警察に相談して事件が発覚したということです。
警察官名乗り「キャッシュカード偽造されている」 約1000万円詐取
先週、札幌市に住む70代の女性が警察官を名乗る男から「キャッシュカードが偽造されている。手元にあるカードを確認させてほしい」などと言われてカードをだまし取られた上、口座からおよそ1000万円を引き出される被害に遭いました。
警察によりますと、9月3日、札幌市西区に住む70代の女性の自宅に警察官を名乗る男から「あなたのキャッシュカードが偽造され、犯人を捕まえている。手元にあるカードを確認させてほしい」などと電話がありました。
女性はこれを信用し、聞かれるままに口座番号や残高を伝えました。
まもなく警察官を装った男が自宅に現れ、女性はキャッシュカード5枚と暗証番号を書いた紙を見せたということです。
男はこれらを封筒に入れさせてから「割り印を押すので印鑑を取ってきてほしい」と言い、割り印を押したあとで自宅で保管しておくよう指示して立ち去りました。
翌日になって不審に思った女性が封筒を確認したところ、中身はプラスチックのカードで、女性は、前日に印鑑を取りに行った隙にすり替えられたと気づきましたが、すでに預金口座からは現金およそ1000万円が引き出されていました。

道警のまとめによりますと、ことしに入ってから8月までに道内で確認された特殊詐欺の被害は200件を超え、去年の同じ時期と比べて2倍以上に増えています。被害額はおよそ7億9000万円に上り、過去最悪のペースで増えています。

手口として最も多かったのが、有料サイトの料金や架空のサービスの手数料などありもしない名目で現金を要求する「架空請求詐欺」、ほかにも孫や子どもになりすます「オレオレ詐欺」や医療費の過払い金を受け取れるなどとうたいATMを操作して現金を振り込ませる「還付金詐欺」などが多発しているということです。また、被害者の8割以上が65歳以上の高齢者です。

ストップ特殊詐欺被害 「#9110」に連絡を

道警は、被害に遭わないために、留守番電話の機能を使って相手を確認してから電話に出ることや、見知らぬ人からの電話で現金やカードを要求されたら詐欺を疑い、警察の相談専用電話「#9110」に連絡するよう呼びかけています。

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