世界自然遺産・知床がある斜里町で、ヒグマと観光客の距離を取るため、1日からマイカー規制を実施した上で、無料のシャトルバスを運行する取り組みが始まりました。
世界自然遺産・知床では、観光客が道路沿いに車を止めてヒグマに餌を与えたり、至近距離で撮影したりする行為が問題になっています。
このため地元の斜里町や環境省などでつくる協議会は、ヒグマと観光客との距離を適切に保つため、1日から3日間、世界遺産の区域内にある知床五湖に通じる道道や町道でマイカー規制を行います。
規制区間では無料のシャトルバスが15分から30分おきに運行されています。
一部のバスには地元のガイドが同乗し、ヒグマがよく現れる場所を説明したり、撮影のためヒグマに近づく観光客もいるとして注意を呼びかけたりしていました。
ヒグマと観光客の距離を取るための大規模なマイカー規制は、去年10月にも行われ、3日間で3000人あまりがバスを利用し、ヒグマと観光客による大きなトラブルは発生せず、観光客から理解も得られたため、ことしも実施されました。
観光で訪れた20代女性
「マイカーを利用できないと知った時は不便だと思ったが、実際にバスに乗ってみるとガイドの説明も聞けたし、ゆっくり景色を見ることもできてよかった」
斜里町観光課の南出課長
「ヒグマと観光客による問題の解決を図るとともに、バスの魅力を向上させたい」