NHK札幌放送局

“春の政治決戦” 統一地方選挙まで半年 与野党の最新動向は

選挙北海道

2022年10月6日(木)午後8時41分 更新

来年、2023年春の統一地方選挙は想定される4月の選挙まであと半年となりました。
知事選挙をめぐっては、与党側が現職の態度表明を待たずしてそろって支援の意向を表明。一方の野党側は対立軸を示せる統一候補の擁立を目指していて選挙の構図が焦点となります。
2030年冬のオリンピック・パラリンピック招致が争点化する可能性もある札幌市長選挙、現職と新人の激しい争いが予想される函館市長選挙―。 “春の政治決戦”統一地方選挙の注目点、そして与野党の最新動向をまとめました。(道庁担当キャップ 眞野敏幸)


前半戦は4月9日 後半戦は4月23日の見通し

4年に一度行われる統一地方選挙の日程は、毎回、特例法によって定められていて、10月6日の自民党の会合で、道府県と政令指定都市の首長と議員の選挙は4月の第2日曜日の9日に、それ以外の市区町村の首長と議員の選挙は第4日曜日の23日に行うという法案の内容が了承されました。
道内では、4月9日の前半戦で知事選挙や札幌市の市長選挙、23日の後半戦でそのほかの市町村長選挙や議員の選挙が行われる見通しです。


知事選挙 与党側は早々に現職支援の意向表明

前回、与党側の支援を受けて初当選した現職の鈴木直道知事。来春の選挙への対応はまだ明らかにしていません。

鈴木知事(9月10日の政治資金パーティー)
「まだ考えは及んでいない。まずはしっかり日々さまざまな課題に対応していく。知事としての仕事を日々しっかりしていく。まず仕事をしながら、そういったことについても考えていくことになるというふうに考えている」

こうした中、前回、選挙戦を支えた自民・公明両党の道内トップは9月10日に開かれた鈴木知事の政治資金パーティーの席上、立候補を前提として早々に支援の意向を表明。本人の表明を待たずして、すでに支援態勢は動き出しています。

自民党道連 伊東良孝会長
「われわれは大いに彼の手腕に期待したいと思うし、北海道の将来をぜひつくり上げてもらいたい。熱い声援が必ずや彼の心を動かして2期目の活動につながっていくと確信している」
公明党道本部 稲津久代表
「願わくば2期目にぜひ立起表明していただき、なるべく早く結論を出していただいて、そしてまた皆さんと共闘態勢で応援していく。その役割を果たしていきたいと強く思っている」

さらに、日本維新の会の道内トップも支援に回る考えを明らかにしています。

日本維新の会道総支部 鈴木宗男代表
「公の政党、日本維新の会としては要請があれば、しっかりとそれに応えていきたい。もうすでに馬場代表にも話をしているので何も問題はない」


知事選挙 野党側は統一候補の擁立目指す

一方、前回、統一候補を担いで対決した野党側は現職との対立軸を示せる統一候補の擁立を進める方針です。

立憲民主党道連 逢坂誠二代表
「表面上の人気は非常に高いようだが、仕事ぶりはそれとは真逆で、ほとんどやられていない。そういった現職への評価を踏まえ、わが党としてはよい候補を何とかして探し出したい」
共産党道委員会 青山慶二委員長
「知事選挙は過去2回にわたり野党共闘ということでやってきた。野党が共闘することなしに今の現職を倒していく展望はないと思っている。政治を変えていく道は野党共闘しかない」
国民民主党道連 臼木秀剛代表
「働く仲間に応援いただいている政党なので、やはり連合北海道と相談をしながら、どういう形でやっていくことが今後の北海道にとってよりよい方向なのか検討したいと思っている」

勢力を結集し、対立軸を示したいという点では共通している野党側。問題は各党がともに担げる候補者を立てられるかです。
支持を広げるためにも擁立を急ぐべきだという意見の一方、協力態勢の構築が先だとする声もあって選挙の構図を左右する野党側の動きが焦点となります。

 前回(2019年)知事選挙の詳しい結果はこちら 市区町村別も


札幌市長選挙 冬の大会招致が争点化も

札幌市長選挙をめぐって、現職の秋元克広市長は「後援会など支援者と相談したうえで態度を決めていきたい」と述べるにとどめ、態度を明らかにしていません。
一方、市の市民文化局長を務めた高野馨氏が7月に立候補を表明。「冬のオリンピック・パラリンピック招致に反対の立場で賛否を問いたい」としています。

IOC=国際オリンピック委員会が候補地の絞り込みを年内から来年に先送りするという動きも伝えられる中、その時期によっては国際的な動きも絡んで大会招致が争点化する可能性もあります。

 前回(2019年)札幌市長選挙の詳しい結果はこちら 10区別も


函館市長選挙 現職と新人の対決見通し

統一地方選挙の後半戦で行われる予定の函館市長選挙では、現職の工藤寿樹市長が9月、4期目を目指して立候補する考えを表明。
これに対し、俳優の大泉洋さんの兄で市の保健福祉部長を務めた大泉潤氏も立候補する意向で、選挙戦となる公算が大きくなっています。
市役所出身者どうしによる函館のトップをめぐる争いは激しい戦いとなることが予想されます。

 前回(2019年)函館市長選挙の詳しい結果はこちら


道議会議員選挙 与野党の戦略は

前半戦で行われる道議会議員選挙は、計100議席をめぐって争われます。

自民党
自民党は前回、51議席を獲得し、単独過半数を確保しました。今回はベテランが引退する札幌市中央区や苫小牧市、十勝地域などのほか、定員が増えた恵庭市や空白区の北広島市にも新人を擁立し、議席増を目指します。

立憲民主党
立憲民主党は前回、選挙前から2議席増やし、24議席を獲得しました。今回の選挙では前回、議席を失った小樽市などでの失地回復を図るとともに、空白区への候補擁立も進め、勢力の拡大を目指します。

公明党
公明党は8人の候補者全員が議席を獲得。選挙前の議席を維持しました。今回も現有議席の確保に向けて擁立候補全員の当選を目指す方針です。

共産党
共産党は前回、3議席の獲得にとどまりました。会派として代表質問を行える4議席以上の獲得を目指し、擁立を進める考えです。

日本維新の会
日本維新の会は道議会議員選挙には公認候補は擁立せず、札幌市議会議員選挙などに注力する方針です。

国民民主党
国民民主党は札幌市内の選挙区に候補を擁立することで、党所属の道議会議員を誕生させたい考えです。

 前回(2019年)道議会議員選挙の詳しい結果はこちら


地方議員 “なり手不足”という課題も

一方、地方議員の“なり手不足”は深刻です。
前回、統一地方選挙の後半戦で行われた市町村議会の議員選挙では、歌志内市議会議員選挙のほか、32の町村議会の議員選挙が無投票に。このうち空知の新十津川町と沼田町、道南の厚沢部町、道北の音威子府村と幌加内町、苫前町、初山別村、中頓別町、オホーツク海側の興部町、十勝の陸別町、道東の羅臼町の11町村は、合わせて告示された町村長選挙も無投票でした。
さらに、無投票となった議員選挙のうち、胆振の厚真町、オホーツク海側の興部町、十勝の中札内村、道東の浜中町の4町村は立候補した人が定員に達しない“定員割れ”となりました。
“なり手不足”という課題をどう解決していくかも北海道の統一地方選挙を見るうえで重要なポイントとなります。

 帯広局発)地方議会議員選挙 どう向き合う“なり手不足”

この夏行われた参議院選挙に勝利したことで、岸田政権は「黄金の3年」を手にしたと言われます。
衆議院の任期満了は3年後。参議院選挙も3年後で、衆議院の解散がなければ2025年まで本格的な国政選挙が予定されていないからです。
「黄金の3年」。その間に地域で与野党が総力戦を展開することになる統一地方選挙。“春の政治決戦”をめぐる動向に注目です。


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