NHK札幌放送局

酪農家のブラックアウト

いぶりDAYひだか

2021年9月10日(金)午後1時37分 更新

2018年9月6日未明に発生した地震。北海道全域を襲った「ブラックアウト」は、さまざまな影響をもたらした。岩見沢市の酪農家の男性が、当時の様子と、震災を経て変わったことを語った。(取材・室蘭放送局 上野哲平)

地震が発生し、岩見沢市の酪農家・橋谷功志さんは、すぐに牛舎を見に行った。建物や設備が壊れたり、牛がおびえている様子が無かったので、自宅に戻り、ニュースを見ていた。

その時突然、テレビが消えた。電灯も消えた。

「しばらく待つか・・・」。

前日も台風の影響で停電が起きていた。前日はそれほど時間がかからず停電が終わったので、橋谷さんはそれほど気にとめていなかった。

しかし、夜が明けても電気が復旧しない。毎日、早朝に行っている搾乳ができない。
いつもと違う状況に牛たちは、落ち着かなくなっていた。
橋谷さんは、エサや水を牛に与えて、落ち着かせようとした。

橋谷さんは、10年以上前に父が購入して、倉庫に眠っていた発電機を使うことにした。なかなか言うことを聞いてくれない発電機を動かし、搾乳が終わったのは、夕方。
いつもなら朝と夕方の2回搾乳をしているが、この日は1回で精一杯だった。 
 
必死に絞り出した牛乳。この牛乳が食卓にならぶことは無かった。
出荷先の工場も停電していて、受け入れができなかったのだ。泣く泣く廃棄した。

父の後を継ぎ、酪農家になって十数年、初めての経験だった。


出荷できなくても、牛が病気にならないために搾乳は続けなければならなかった。工場が再稼働した9月9日まで出荷できない状況が続いた。

9日にようやく出荷の車がきた


地震発生直後、発電機の無い農家は、数軒が共同で発電機を借り、順番に搾乳を行ったという。

岩見沢市・酪農家 橋谷功志さん
停電時に必要な発電機などは幸い準備していましたが、購入してからずっと使っていなかったのでなかなか稼働しませんでした。
震災後はさらに使い易く、緊急時にすぐに使えるように発電機と配電盤の接続を変更したりました。
断水はありませんでしたが、次の災害で断水が起きた場合に備えて、タンクをいくつか準備するようになりました。
家庭内では、懐中電灯など照明を増やしました。

震災を経て、自身の心境にも変化があったという。

BCP(事業継続計画)について、より身近に考えるようになりました。酪農家は個人事業だけども、万が一に備えて少しだけ考えておく。日々の作業はどうするのか、家族の安全はどうするのか、、、など。

地震の後、岩見沢市ではほぼ全ての酪農農家が国の助成金を利用するなどして発電機を用意した。北海道の調査によると、道内のほとんどの酪農農家が自家発電・配電盤の準備など停電対策を行っているという。
また、工場も停電時でも受け入れができるように、独自に自家発電の用意をするなど、国や北海道と連携して、停電対策をすすめている。 

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