NHK札幌放送局

居住地非公表って? #ナットクとかち

十勝チャンネル

2020年8月13日(木)午後5時42分 更新

ナットク!とかちchは「私 困っています 新型コロナウイルス」をテーマに十勝の皆さんの疑問や困りごとにこたえるコンテンツを目指しています。
新型コロナウイルスに感染した人のニュースでよく聞く言葉「居住地非公表」。この言葉についてみなさんからいただいた投稿から取材をはじめました。

49歳 女性
ほぼ毎日感染者の人数が発表されていますが、その中に「居住地非公表」とされる方がいます。感染者の少ない地域で公表することはためらうこととは思いますが、発表されるたびに、一体どこの地域の方なのか非常に心配に思います。非公表とされた方の地域に対しての対処が知りたいです。濃厚接触者などにはきちんと周知されているのでしょうか?知らないまま感染が拡大するのではないかと心配です。
50歳 女性
5月に入ってから「居住地非公表」の発表が増えているようにおもいます。この中に十勝の方がいたとしても、十勝のカウントは※3人で変わりません。「十勝は感染者がいないから安心」と、人出が増えているようにも感じます。感染予防のためにも、せめて振興局単位までは居住地を発表したほうが良いのではないでしょうか。
※投稿は5月31日。
51歳 女性
今回も十勝管内でって。
ちゃんと地名指してほしいです。


居住地非公表の件数は・・・?

そもそも「居住地非公表」とされているケースはどのくらいあるのか。
感染者の情報をまとめた道のホームページから、1つずつ非公表の数を拾う作業からはじめました。

道が8月10日までに発表した感染者は1565人。このうち「居住地非公表」となっているのは69人でした。全体の4%ほどとなっています。
感染者情報の公表については基本的には本人の意向が優先され、希望すれば居住地は非公表となります。

道は市町村名公表を当事者に確認

感染した人に対して、道は、住んでいる市町村を公表してもいいか、そのつど確認しています。市町村名の公表を望まない場合は、感染者が住む振興局の公表について確認するということです。住んでいる市町村の外に買い物に行くという人も少なくなく、生活圏が市町村以上に広い可能性があるからです。

非公表を希望する人の理由

感染した人のうち「個人の特定」につながることを恐れて非公表を望むケースが多いということです。個人が特定されることで、ひぼう中傷など差別につながってしまうことを心配しています。
感染した人の中には以前は「陽性の人は居住地を公表したらいいのに」と思っていたものの、自分がいざ感染すると心理的な抵抗が大きく、非公表を望んだケースもあったということです。

感染拡大の可能性があるときは…

非公表を希望したとしても必ずしも非公表とならないケースがあるといいます。
そのポイントとなるのが、感染拡大の可能性です。

道によりますと、濃厚接触者が特定できず感染拡大の可能性がある場合には本人が非公表を希望していたとしても同意が得られるように感染者本人と交渉するということです。
例えば、石狩地方のタクシー運転手が感染したケースでは、当初、運転手は居住地の非公表を希望していたということです。しかし、濃厚接触者である乗客の特定が進んでいなかったため、運転手と交渉した上で居住地と客を乗せた移動歴を公表したということです。
道によりますと「居住地を公表すべきところ同意が得られず発表できなかった」というケースはこれまでのところないということです。

居住地非公表でも「発生情報」は市町村に伝達

道は、各振興局を通して感染者の住む市町村に個人情報に配慮しながら情報提供を行っています。地域住民への感染防止のための広報活動や、感染者への差別防止などに、行政が対応できるようにするためです。
提供する情報の中身は、感染者本人が同意した公表内容を踏まえたものとしているということで、居住地が非公表の場合でも、少なくとも感染者が発生したということは、その自治体に伝えているということです。

国や道の方針は

ことし2月に厚生労働省が各都道府県などに送った文書には、感染症法で最も危険性が高い「1類感染症」の感染者が発生した場合の基本方針が載っています。新型コロナウイルスの感染者に関する情報の公表の基準もこれにのっとっています。
私たちは道への情報公開請求で資料を取り寄せました。この中で、感染者情報として公表するものとして次をあげています。

  • 感染者の居住国
  • 年代
  • 性別
  • 居住している都道府県
  • 発症日時

一方、公表しない情報としているのは次の項目で、個人が特定されないように配慮することが求められています。

  • 氏名
  • 国籍
  • 基礎疾患
  • 職業
  • 居住している市区町村

一方、道の公表項目は次の通りです。

  • 年代
  • 国籍
  • 性別
  • 居住地(振興局管内)
  • 職業(本人が特定されない表現)
  • 症状・経過
  • 行動歴

さらに、国の方針では、感染者の行動歴について、感染者に接触した可能性のある人を把握できていない場合、公表する情報として次の項目を示しています。

  • 飛行機(便名・座席位置)
  • 船舶(船名、部屋)。
  • 電車・バス(ともに駅、路線、時刻)
  • その他不特定多数と接する場所(例 スーパー名)

“居住地非公表”実は十勝に?

気になるのは「居住地非公表」とされた人の中に、十勝地方に住む人も含まれるのかという点です。道の幹部は「可能性としてはある」とした上で、基本的な対策の徹底を続けてほしいと訴えます。

道保健福祉部 廣島孝 技監
「これまでの感染例からも飲食やカラオケなど、マスクを外した場合に感染している事例が多くなっています。マスクをつけながら気をつけて生活する上では感染の可能性は低いと考えています。
地名を出して感染対策がスムーズにいくこともありますが、公表することでその人の人権侵害につながる可能性もあるため、出せる範囲で情報を出しているということでご理解いただきたいと思います」
取材した三藤紫乃記者は
連日の新たな感染者の報道で、最も気になるのは「その人がどこに住む人なのか」ということではないでしょうか。もし身近な場所の人なら、自分や自分の身近な人たちも接触したかもしれないと不安になると思います。投稿からはそういった「もしも」という不安な気持ちを感じとりました。
一方で、自分がもし感染したらという場合も考えてみました。最初は「自分なら公表する」と思ったものの、もし自分の家族が近くにいたら、ずっとその場所で生活し続ける可能性があるとしたら、と考え始めたときに、ぱっと「公表します」と言えるかどうか迷う自分もいました。人によっては職場の人に迷惑がかかるかもしれない、と考えるかも知れません。当事者になって初めて公表から非公表に考えを変えた人の気持ちも理解できるような気がしました。
事情によって公表できない人がいるということを理解した上で、公表主体である行政には、更なる感染拡大防止のためにどのような対応をしているのか、住民の不安に応えるための発信を積極的にしてほしいと思います。

2020年8月11日放送

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