5月13日に施行された改正道路交通法により、75歳以上のドライバーの運転免許証更新制度が変わりました。これまでは、免許更新時にまず認知症検査を受け、その結果に応じて2時間または3時間の高齢者講習を受け、免許更新となっていました。今回の改正で、認知機能検査が簡素化され、認知症のおそれなしの方は、高齢者講習が2時間に一元化されました。

また、過去3年間に一定の違反歴のある方は、認知機能検査と高齢者講習を受ける前に、運転技能検査を受けることが義務化され、これに合格しなければ免許証の更新ができなくなりました。

運転技能検査は5つの課題を行い、100点満点からの減点方式で採点。第一種免許は70点以上、第二種免許は80点以上で合格となり、不合格の場合でも、運転免許証の有効期限内であれば何度でも受けることができます。

また新たに、「サポートカー限定免許制度」もスタートしました。これは運転に不安のある方が、自主的に運転することができる車を一定の安全運転支援装置を備えた車に限定することで、より一層交通安全への意識を高め、高齢者等の安全運転の継続に役立つものと考えて始まった制度です。

運転免許証が不要になった方や運転に不安がある方には、「運転免許証自主返納制度」の利用も選択の一つです。自主返納された方には、公的な本人確認書類として使える「運転経歴証明書」が交付され、この証明書を提示することで様々なサービスを受けられる「北海道高齢者運転免許自主返納サポート制度」も活用できます。

高齢ドライバーのみなさんは、日ごろから家族の意見も聞き、自身の運転技能について客観的に認識していただくとともに、「まだまだ大丈夫」などと過信せず、サポートカー限定免許や自主返納についても検討していただくことが、交通安全にもつながります。
【出演】北海道警察本部 運転免許試験課
及川大樹さん
(2022年6月15 日放送)