NHK札幌放送局

縄文体験 石おので木を切ってみた 前編

番組スタッフ

2021年7月6日(火)午後4時50分 更新

縄文時代の謎を「実験考古学」で探るシリーズ“縄文の扉”。前回は真冬の御所野遺跡を舞台に竪穴住居で生活する実験に挑みました。 今回は、雪もすっかり無くなり、木々も芽吹き始め、春が近づいてきたこの御所野遺跡で、引き続き縄文の世界に迫っていきたいと思います。

助っ人登場!

今回も実験するのは私、NHKアナウンサー・佐藤龍文です。
そして。今回は強力な助っ人を呼んでいます!
「はいはいは~い、縄文ぴぃ~あ!」
お笑いタレントの小島よしおさんです。

早速着替えてもらいました。
龍文「どうですか縄文人になったイメージは?」
小島「まずは暖かいです」 
龍文「縄文とのかかわりとか思い出ってあります?」
小島「昔、子どもからファンレターをもらったんですね。“小学校の教科書に小島さんが載ってました”と。で、同封されていたのが縄文人の写真だったんです。まあ、ちょっと縁は感じてましたよね、そういう意味では」

石おので木は切れる!?

ここで、土偶から指令がきます。

“石おので木を切ってください”

龍文「石おのですよ!?」
小島「できますよ!やりましょう!」
前回の実験では、暖を取ったり、料理をしたするために、大量の薪を使っていたことが分かりました。薪をつくるために石おので木を切ることはできるのでしょうか?
実験を監修してくれるのは、東京都立大学の特任教授、山田昌久(やまだ・まさひさ)さんです。山田さんは、実験考古学の専門家。御所野遺跡で竪穴住居の復元に取り組んだ際にも、石おので木を切ったそうです。

こちらはおよそ1万5千年前、縄文時代の初めごろに使われていた石おのを再現したもの。ナラの木に玄武岩を磨いた石を取り付けています。
龍文「これが石おのですか?」
山田「これ、石おのです」
小島「わぁ~、ちょっと重たいですね。これでイケます?」

切るのは、直径20センチほどのコナラの木。管理する町の許可を得て、元々切る予定だったものを使わせてもらいました。
二人で1時間で切れたら合格とのこと。そう聞くと、それより早くやりたくなる小島さん。

小島「30分でいきますよ!!」
龍文「頑張りましょう!」

果たして、石おので木は切れるのでしょうか。
まず先行は小島さん。

小島「しょい!…えっ…!?これ、いけるのか?びくともしない感じ。」

ヒントは「タテ振り」

実は当て方にコツがあるよう。先生のヒントを元に模索する小島さん。石おのを上から下に振り下ろすようにタテに振り、姿勢がつらくならない高さを意識して、、、

小島「あっ、なるほどなるほど、あっ、打ちやすい!確かにこれが、一番斧が木に向かって手応えあり!」
山田「すごいね、すぐに思いつくってのはやっぱり」
小島「やっぱり自分の中の縄文がうずいてますね。なるほど、これならいけそうな気がしてきた。」

あっという間にコツをつかんだ小島さん。数分で表面の皮が削れてきました。しかしこの石おの、想像以上に疲れるんです。一人で作業を続けるのはかなり大変。今回は小島さんと私、40代コンビで挑戦します。10分ほど作業し、疲れたところで交代です。

御所野遺跡で復元された竪穴住居には、1棟に30本ほどの木が使われています。太い幹は柱に、表面の皮は屋根の部分に。切った木を余すことなく活用しているんです。

そして、目標にしていた30分が経過。表情には、次第に疲れの色が・・・

小島「縄文芸人だ私は~♪そんなの関係ねぇ、そんなの関係ねぇ、はい、おっぱっぴ~♪」
龍文「そのリズムもイケますね。」
小島「本当に歌ってたかもしれないですよね。」

小島さんも、私も必死にがんばりました。しかし、切り進めていくと、途中からなかなか進まなくなります。実は、木の芯に近づくほど硬くなり、刃が入りにくくなるのです。

小島「はぁ~っ!」
龍文「1時間経った。先生、このままいってこの木は倒せますか?」
山田「正直言うと、頑張って、1日かかって夕方に倒れるかもしれない。」
小島「え~っ!1日」
山田「どうしましょうかね?頑張ったんで、続けたいという気持ちも十分わかるんだけども。」

縄文時代”最新”の石おの

2人が諦めかけた、そのとき!土偶から指令が。

“縄文時代晩期の石おので木を切ってください”

小島「晩期?」
山田「これが縄文時代の一番新しい時期に、縄文人がたどりついた石の斧です。」
小島「お~っ、また全然なんか違いますね。」

先ほどまで使っていた斧と比べると、柄がまっすぐになったこちらの石おの。縄文時代晩期、およそ3000年前に使われていた、改良された石おのなんです。

小島「さっきの斧から、こっちに行くまで何年?」
山田「1万年、1万年以上かかってる。」
小島「長いですね、1万年もっと切れやすいのがないかなっていうのを改良し続けた形っていうこと。めちゃめちゃ良いじゃないですか?」

縄文時代中期の集落跡である御所野遺跡でも発掘調査で石おのが見つかっています。さきほどのものと比べると、石の刃の付き方が異なり、振り方も違っていたと考えられます。

小島「あっ、何か持ちやすい、軽い!刃の向きが違いますよね。」
山田「そう、さっきのは横になってたのが、今度は縦になってる。当然木の切り方も違うんだな。」
龍文「小島さん、いきましょう!」
小島「OK!」

今回はここまで。果たして、改良された石おので木を切ることはできるのか?結果は後編でお伝えします!
お楽しみに。

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「縄文の扉」動画はこちら

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