

有水 崇 Takashi Arimizu
NHK旭川局稚内支局 記者
2018年の夏、天皇陛下利尻島訪問の取材班に加えてもらい、初めて利尻島に行きました。
「利尻富士」に代表される雄大な自然、オレンジ色に輝く特産のウニ、島の人たちの暖かさに触れました。
その縁もあってか、翌年、利尻島を取材できる稚内支局に赴任しました。
当時の思い出を胸に取材することになりましたが、島は過疎化や漁業の後継者不足など様々な問題を抱えていました。
そんな中、島の活性化に取り組む人がいました。元証券マンという異色の経歴を持つ漁師、小坂善一さんです。
昆布やウニの漁を行うだけでなく、漁獲物のPRや島外からの新規就労者の育成に先頭に立って取り組んでいます。
島の未来を切り拓いていこうという熱意に胸を打たれました。
島を引っ張る漁師、小坂さんから今後も目が離せません。
Profile:
1991年、福岡県出身。2017年入局。初任地は札幌放送局で2 年間警察担当として事件、事故を中心に取材。19年から現職。漁業やサハリンなどの取材を行っている。
小坂 善一 Zenichi Kosaka
ノースフラッガーズ 代表
私が代表を務めるノースフラッガーズは、利尻町の若手漁師を中心とする団体で、町の魅力を全国に発信し、地域活性化や地方創生をめざしています。
かつて、利尻島の人々は起きるとまず、浜に旗が揚がっているかを確かめました。
漁の可否を示すその旗次第で、一日の過ごし方が決まるからです。つまり、旗が人々を導いていたと言えます。
私たちは、今はなきその旗を再び揚げようという意志を持って集まり、活動を進めています。
島外から移り住み、漁業へ参加している人をはじめ、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が最前線で活躍し、それが利尻島らしいユニークな漁業の在り方を形作っています。
漁師としての収入を上げ、利尻島の漁業や海産物、島の魅力をたくさんの人に知ってもらうために、6次産業化をさらに実践していきます。
Profile:
1976年、利尻町出身。大学卒業後、証券会社に勤務。2 6 歳でUターンし、家業を継いで漁師に。磯付け・沖ナマコ・養殖コンブ・ホッケ刺し網・カニ漁を行う。
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