NHK札幌放送局

コロナ禍の聖火ランナー “走っていいのか” #道南WEB取材班

道南web

2021年4月28日(水)午後2時24分 更新

「いろんな人がたくさんのことを我慢している中で、楽しみだと言って走っていいのかな」。  北海道で聖火リレーを走る予定のランナーのことばです。 各地で公道での走行が中止されるなど、東京オリンピックの聖火リレーは新型コロナの影響を受けながらの開催となっています。参加する人はどんな思いで聖火を運ぶのか。ランナーの1人が心境を明かしてくれました。  

聖火ランナー 坂本梢さん
「いろいろな意見がある中、とても複雑になります」。

そう話すのは、聖火ランナーに選ばれた函館市の坂本梢さん。複雑な心境なのは、坂本さんも新型コロナウイルスの影響を強く受けている1人だからです。

坂本さんの仕事は、認知症の高齢者などの支援です。高齢者やその家族の自宅や施設を訪れ、介護の計画を立てるなど地域の介護をサポートしてきました。

しかし新型コロナで一変しました。仕事では支援する高齢者に対面することができず、思うようなコミュニケーションをとれていないと言います。また、仕事柄、高齢者や福祉関係の人と接触することがあるため、私生活でも外出を極力控えています。

坂本さん
「週末をほぼ人と話さず、誰とも会わずに家で過ごすことが多くなりました。本当に人と会わないとか社会参加しないというのは、人としても楽しみがないし、意欲が低下するんだなというのを身をもって実感しました。我慢の時期だし、いろんなことを考える期間になりました。これがいいなと思っても、本当にいいのかなとか。なにか楽しみたいけど、楽しんでいいのかなとか、何ごとにもブレーキがかかってる時期だと思います」。

長引く影響と我慢の期間。

それでも聖火リレーを走る坂本さんの気持ちを後押ししてくれる存在もあります。

坂本さんが参加しているフロアバレーのチームメートです。

視覚に障害があっても楽しめるよう考案されたスポーツで、全国大会にも出場するチームです。感染拡大で練習を中断していましたが、今月、感染対策を取りながら練習を再開させました。

坂本さん
「この状況がいつまで続くかはわからないので、いつまでもやらないということではなく、できることを考えていければなと思います」。

一緒に活動してきたチームメートは坂本さんが走る姿を心待ちにしています。

チームメート
「せっかくこういう機会に坂本さんが聖火ランナーとして走ってもらうということなので、聖火も私たちがしている活動も、その火が消えないように、そんな思いも込めて走ってもらいたいなと思っています」。

新型コロナの影響が続く中ですが、坂本さんは、変化に対応していく生活のように、新しい形で無事に走れることを願っています。

感染状況の先行きが見通せず、聖火リレーに対しては、さまざまな考えが交錯していると思います。そうした中で、周りの期待を乗せてリレーに臨もうとしているランナーたちの存在や思いを心にとどめたいと感じました。

(2021年4月22日放送)

<取材した記者>
西田理人(函館放送局記者)
平成29年入局。
長崎局を経て、去年9月から函館放送局で主に「食」に関する分野を担当。このほか、渡島総合振興局や奥尻島など行政分野のほか、スポーツ取材も担当。出身は札幌市の道産子で、高校生以来の北海道生活。

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