NHK札幌放送局

目指せ!究極の安全運転 #チェンジ

ほっとニュースweb

2021年11月25日(木)午後4時59分 更新

安全運転ができているかどうかを、楽しみながら確認できる。札幌のNPOがちょっと変わった講習会を開きました。
自治体や警察、自動車メーカーも参加して目指したのは「究極の安全運転」。
どんな講習会なのか、取材しました。(札幌局アナウンサー 大河内惇)

究極のドライビングテクニックを交通安全に

11月3日に蘭越町で行われた講習会。主催したのはNPO法人「グッドドライバー・レッスン」です。NPOのメンバーのほとんどが携わっているのが —

モータースポーツ「ラリー」。

ラリーは舗装されていない道を猛スピードで走り、タイムを競います。ドライバーには的確なハンドルさばきと細やかなブレーキの操作、徹底した周囲の安全確認が求められます。
その「究極」ともいわれるドライビングテクニックを道内の交通安全に生かそうと去年、NPOを設立しました。

NPOの中心メンバー、藪中建二さんに聞きました。設立のきっかけは2019年に東京・池袋で起きた高齢ドライバーによる事故だといいます。

「車が凶器になってしまう悲しい事故を一つでもなくせないかと思って設立しました。いろいろな活動を通して周りが協力していかないと、悲しい事故は減らないと思っています」

「踏み間違えないでね体操」で体のメンテナンス

藪中さんたちが考えた講習会のプログラムはちょっと変わっています。まず、車を運転する前に準備運動をすることを提案しました。その名も「踏み間違えないでね体操」。専門家の監修をうけて独自に作りました。フィジカル面のメンテナンスも欠かせない「ラリー」ならではのアイディアです。

体操の後、その効果を実感するためにちょっとしたゲームも行いました。

足元に置いた風船をアクセルとブレーキに見立てて、スライドに赤信号や子供の絵が出てきたらブレーキを踏みます。身体をほぐすことで踏みやすくなることを確認できるプログラムです。

タイムを測定しちゃう講習会

ドライビングコーナーではプロのラリードライバーが講義します。講師は、全日本ラリー選手権の様々なクラスで、あわせて10回日本一に輝いた奴田原文雄さんです。

「モータースポーツもそうですが、まずなにより基本が大切。正しい運転姿勢で車を運転することが一番大事です」

コースを走る際はタイムを測定。安全運転がスピードを意識する中でもしっかりできるか確認するためです。

ちゃんとまわりを見てますか?

コースは「ラリー」でも欠かせない周囲を確認する大切さを実感してもらえるようになっています。スラロームや路肩寄せをする途中に動物の看板を設置しました。

ミラーだけでなく、振り向いて後ろを確認しないと分からない場所にも置きました。そして走り終えたドライバーには抜き打ちで質問です。

参加者の4人に1人が死角にあった看板の場所を答えることができませんでした。指摘されたドライバーは基本を再確認し、安全運転への意識を高めていました。

講習会に参加したのは、地元蘭越町を中心におよそ80人。およそ半数が60代以上でした。参加者たちは「気を付けて走らなきゃいけないなと思った」「自分が普段どんな運転をしているか確認するために来た。緊張した」などと話していました。

NPOでは、今後この講習会を、全国にいるモータースポーツ仲間と共に広げていきたいと考えています。

取材の現場から

私は座学で行われる安全運転の講習会しか参加したことがありませんでした。それだけに運転前に身体を動かしたり、実際にコースを走ったりする今回の講習会は新鮮でした。長く車に乗っていると誰でも知らないうちに運転の「癖」はついてしまうものだと思います。リスクのある癖はついていないか、運転を楽しみながら客観的に再確認できる今回の講習会、車社会の北海道においてドライバーの意識を定期的に高めていく場として今後広がって欲しいと感じました。

札幌放送局アナウンサー 大河内惇
2021年11月25日

大河内アナが書いた記事はこちらにも

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