NHK札幌放送局

価値ある食材を大切に 函館市民の食品ロス防ぐ取り組みは

道南web

2022年10月11日(火)午後2時33分 更新

「年間4076トン」「1人あたり16キロ」。これは函館市が推計した市内の家庭から出されている食品ロスの量です。食べ残しがおよそ2566トン。残りの1510トンは消費期限や賞味期限がすぎたり買いすぎて使い切れずそのまま捨てたりしたものです。このほかに農家や企業から廃棄される食品もあります。
大きな課題となっている食品ロス。削減につながる取り組みを取材しました。 

付加価値をつけて販売

函館市内にある食品会社では、廃棄されるはずだった野菜をすべての商品に活用することで、食品ロス削減に取り組んできました。重さや大きさが規格外のものや、色が変わったりへこみがあったりと見栄えが悪いものの多くが、市場に出ることなく捨てられてしまっているといいます。こうしたなか、この会社では道南のじゃがいもやかぼちゃ、さつまいもを年間約130トン取り扱っています。

これらを主な原料として農家から仕入れ、お菓子やレトルト食品を製造することで付加価値をつけて販売しています。さらに食品ロスに関心があるシンガポール国立大学の学生と連携し、廃棄されるかぼちゃを使ったシュークリームを開発中。シンガポールなど輸出拡大も視野に入れています。

こうした背景にあるのは、地元の食材を大切にしたいという思いです。価値ある食材が多く捨てられていることをまずは商品を通じて広く知ってもらうことが、食品ロス削減につながるとしています。

カドウフーズ株式会社 嘉堂聖也 社長
「もったいないですし、せっかくつくられたものですから使いたい。本当は価値があるすごくいい素材ですし、それをうまく商品化して売ることができて感謝しています。余ったものなどたくさんの食材がいろいろな地域で捨てられていると思うので、今後もそれらを使った商品を作りながら食品ロスを減らしていきたい」

余った食材で支援

家庭で余った食材などを、支援にまわすこともできます。
函館市のフードバンク道南協議会では、家庭や企業などから寄付された食料品をNPOや子ども食堂、支援団体などを通して無料で提供する支援を続けてきました。こちらで取り扱う食料品は年間およそ10トン。食品ロスへの関心やフードバンクの認知度の高まりなどから、設立当初の2018年と比べて10倍にまで増えました。
このフードバンクで活動しているのは5人のボランティアです。食料品を届けたり引き取ったりするほか、集まった食材を小分けにしたり賞味期限などを確認したりする仕分け作業も行います。

取材した日はちょうど、トマトの寄付がありました。持ってきたのは子ども食堂などを運営する女性。農協から規格外のトマトをたくさんもらい食べきれない分があったため、フードバンクに寄付しました。一方で、フードバンクからはコメを提供してもらっていました。こうした支援者同士での「物々交換」もよくあるといいます。

このフードバンクでは新型コロナウイルスや物価高騰などの影響を受けて支援を希望する人が増えていて、食料品が足りない状態が続いています。そこで、家庭で余った食料品などを支援にまわすことで多くの人の助けにつながると呼びかけています。

フードバンク道南協議会 廣部節子代表ON
「コロナ禍で食費にまわすだけの余裕がないという人が目に見えて多くなっています。
ご近所同士やその周りで支え合うこと自体も難しい時代になってきていると思うので、その役割をフードバンクがさせていただいている。支援が必要な誰かに必ず、差し上げられるということを広く知っていただければと思っています」

私たちができること

市内には食料品を入れられるフードボックスがあるほか、フードバンク道南協議会の事務所では受け取りにも対応しています。寄付する食品は、賞味期限が切れる前のものをお願いしたいということです。

▼北海道国際交流センター(函館市元町14-1)
 電話:0138-22-0770
▼函館YWCA(函館市松陰町1-12)
 電話:0138-51-5262
▼フードバンク道南協議会事務局(函館市五稜郭町25-6) 
 電話:080-1897-8749

このほか、フードボックスが設置されているコンビニもあります。
▼ファミリーマート
 函館市内25店舗、北斗市内2店舗

私たちが普段からできることも多くあります。

▼冷蔵庫の中身を定期的に見直す
▼事前に買い物リストを作り必要なものだけ買う
▼すぐに食べるときは期限が近いものから買う
▼外食時に適量を注文し残ったら持ち帰る 

1人1人が「もったいない」という意識を持ち、食材を大切にすることが食品ロス削減につながります。

(取材:NHK函館 毛利春香)

毛利春香記者が書いたほかの記事はこちら
函館で避難者最大7万人 避難所設営1度は経験を
函館・南茅部 活性化のヒントを学生が探る

関連情報

原材料価格高騰に円安 苦境の生産・加工現場

道南web

2022年8月25日(木)午後5時28分 更新

メダルに期待 五輪・パラ道南出身選手 #道南WEB取材班

道南web

2021年7月8日(木)午後5時50分 更新

北斗市 自慢のお米・ふっくりんこ

道南web

2022年12月13日(火)午後6時31分 更新

上に戻る