NHK札幌放送局

樺太アイヌ宛て文書が重要文化財 #アイヌ

ほっとニュース北海道

2019年3月20日(水)午前11時46分 更新

18世紀から19世紀にかけて樺太、いまのサハリンのアイヌ民族に宛てて中国の清朝や江戸幕府から出された文書が新たに国の重要文化財に指定されることになりました。

「カラフトナヨロ惣乙名文書」は樺太アイヌの複数の集落をとりまとめていた人物のもとにあった13通の文書で昭和29年から北海道大学付属図書館に保管されています。
このうち4通の文書は18世紀後半から19世紀前半にかけて中国の清朝から樺太アイヌのとりまとめ役に宛てて出された文書です。
清朝の公用語、満州語で書かれた文書の1通は当時、貿易を行っていた相手に出していたもので、渡航の際は天然痘がはやっているので気をつけるようにといった注意が記されています。
また、漢文の文書からはアイヌ民族に対し、日本ではなく清と交流することを求め、外交的圧力をかける様子がみてとれます。
このほか、江戸幕府の出先機関だった箱館奉行所がアイヌ民族に役職を与える任命書などが含まれています。
一連の文書は当時、樺太アイヌが清朝と江戸幕府の双方と関係を築いていた様子を伝える極めてまれな資料で歴史的価値が高いとして国の文化審議会は重要文化財に指定するよう、18日、文部科学大臣に答申しました。
指定は今後正式に決定される見通しです。

(2019年3月19日放送)

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