NHK札幌放送局

道内各地で『葉っぱだけ枯れる』謎に迫る!

シラベルカ

2022年9月8日(木)午後5時34分 更新

「葉っぱだけ枯れている木がある」という投稿が、この夏、道内各地から相次いで寄せられました。緑広がる夏真っ盛りの北海道で、いったい何が起きていたのか、調べました。

7月下旬から8月上旬にかけて、シラベルカの公式LINEアカウントにこんな質問が2件、寄せられました。

寄せられたのは登別市と本別町から。道内の別の地域で、同じ時期に、同じ現象が起こっていることを不思議に思い、早速、本別町の状況を教えてくれた金原亮子さんに、現場を案内してもらいました。

たどり着いたのは、本別町の中心部から車で20分ほどの山道沿いです。
金原さんが、葉だけが枯れている木を見つけたのは7月下旬。趣味の昆虫採集のため山に入ると、葉がまるまる枯れている木を見つけました。すぐに撮影した写真が、こちら。

たくさんの葉が生い茂る木々の中で、葉が枯れているところが目立ちます。
中には、葉脈しか残っていない葉もありました。

金原さんに案内してもらったのは投稿から1か月ほどたった時期でしたが、無数の穴が開いた葉が枯れた状態で残っていました。その一方で、枝の先には新芽が出ていました。

金原亮子さん
「同じような状態になっている木を、池田町でも見つけました。
 水不足なのか、それとも虫に食べられてしまったのか、気になるので投稿しました。 それから、葉が枯れてしまって木は大丈夫なのでしょうか?」

理由を突き止めようと向かったのは、北海道大学です。
疑問に答えてくれるのは、樹木に詳しい北海道大学農学研究院の小池孝良名誉教授です。

なぜ、葉っぱだけ枯れる木が道内各地で見つかっているのでしょうか?

小池孝良 名誉教授
「ハンノキハムシという虫が食べてしまったからです。
 カブトムシの仲間で、きれいな青色をしている甲虫です。
 北大の構内でも見つけることができますよ」

こちらが、そのハンノキハムシ。

英語では「リーフビートル」、「葉っぱ」の「カブトムシ」という名前がついています。
主にハンノキの葉を食べ、成虫は穴をあける程度ですが、幼虫は葉脈しか残らないほど葉を食べ尽くしてしまいます。その幼虫は6月から7月にかけてふ化して、葉を食べて成長します。ちょうどその時期に、葉が枯れているとシラベルカに投稿が相次ぎました。
道立総合研究機構・林業試験場によりますと、ハンノキハムシに葉が食べられる現象が、ことしは数多く報告されているということです。ただ、実は毎年見られる光景だと、小池名誉教授は話していました。

北大でハンノキハムシを探してみると、植えられているハンノキの葉を食べる虫たちがすぐに見つかりました。さらに、シラカバの葉にも、同じように食べられている部分が見つかりました。

葉を食べ尽くされたハンノキは枯れてしまうのでは? つい心配になってしまいますが、ハンノキは、葉が虫に食べられ始めるとその葉が落ちて、次々と新しい芽が出てくるため、木が枯れることはまれだということです。

小池孝良 名誉教授
「ハンノキは土砂災害が起きた場所にも根づいて土地を豊かにします。4年前の胆振東部地震で地滑りが起きた厚真町の現場にも植えられるなど、各地の山林の復興に役立てられている木でもありますし、街路樹にもよく使われます。
そんな木の葉が枯れているのを見ると、大丈夫なのかなと心配になると思いますが、どんどん新しい葉っぱを出してきて、食べられる以上に葉を生産しているので、あまり心配しなくてもいいと思いますよ」

2022年9月6日放送

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