ヒグマが目撃されたため閉鎖されていた函館市にある世界文化遺産の構成資産、大船遺跡は、10月から一般公開が再開されることになり、安全のため周囲に電気柵を設置する作業が行われました。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」のうち函館市の大船遺跡では、先月、管理棟からおよそ150メートル離れた林の中でクマが木を登っているのが目撃され、市は遺跡を閉鎖していました。
クマはその後およそ1か月にわたって目撃されず、足跡やふんなども見つかっていないため、市は来月1日から一般公開を再開することを決め、28日はクマが侵入できないよう新たに電気柵を設置する作業が行われました。
電気柵は遺跡の周囲およそ250メートルに設置され、函館市や渡島総合振興局の職員などが杭を打ち込んだあと、電線を張るなどしていました。
遺跡ではこのほか、クマを近づけないためのサイレンを1日5回鳴らすほか、スタッフの巡回も強化するということです。
函館市文化財課の長谷山裕一課長は「安全に見学してもらえるよう対策をしているので、緊急事態宣言が解除されたあと見学に来てほしい」と話しています。