NHK札幌放送局

別海町出身 スピードスケート森重航「強い選手に」単独インタビュー

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2022年4月13日(水)午後7時24分 更新

北京オリンピックのスピードスケート男子500メートルで銅メダルを獲得した森重航選手(21)。この種目、日本選手のメダル獲得は2010年のバンクーバー大会以来12年ぶりの快挙でした。去年から急成長し、頭角を現した現役大学生のニューヒーロー。4月初旬、別海町に帰ってきた際に単独インタビューを行いました。 (聞き手:伊原弘将アナウンサー)

<以下インタビュー全文>

【“びっくり”メダル獲得】

ーーー北京オリンピック銅メダル獲得、振り返って

「北京オリンピックでは、まずは自分の力を出し切ることを目指して、準備だったり、レースに臨んでいたりしたんですけど、それが十分に発揮できて悔いのないレースができたことが本当によかったかなと思っています」

ーーー銅メダルという結果は予想していたか

「目標にはもちろんしていましたけど、やっぱり当日の状況とかもあって、あんまり予想とかは立てていなかったので、獲得できてびっくりしています」

ーーー銅メダルを獲得した500メートルのレース、どう臨んだ

「あの日のレースは、自分の中で『いつも通り』っていうのと『守りに入らない』という2つを意識していた。まずはガチガチにならないことで、アップの段階で取り組んでいて、その点はうまくできていた。それと守りに入らないというのは、やっぱり守りに入ってしまうと、スピードがうまく出なかったりだとか、安全をとってしまったりっていうのがあったので。そういうレースをしてしまうと自分の中でも後悔になるなと思ったので、そこを注意して気持ちを前に前にっていうふうにレースに挑みました」

【メンタル面を強化してきた】

ーーーなぜ気持ちを前に前に保てたのか

「あんまりレースのこと考え過ぎない、細かいところまで考えないっていうのを、ことし1年通してやってきました。そのメンタル面での強化をしてきたので。そのメンタルの強化がシーズン前半のワールドカップだったり、全日本の大会だったりで、うまくハマってきていて。緊張しすぎるとよくないと経験を積んできたので、その経験がオリンピックでも出たのかなって思っています」

ーーー今シーズン、なぜこんなに成長できたと思うか

「(去年)ナショナルチームに入って、たくさんの方にサポート頂いて栄養面、科学面、体の部分だったり。そういうサポートをして頂いて自分もよりいい練習をすることができたので、それが成長につながってきているのではないかなと思っています」

ーーーメダル獲得で、変化は

「周りからは結構いろいろ言われたりして、影響があるんですけど。自分自身はそこまで変わらず、これまで通りスケートに打ち込んでいけているのかなと思っています」
「オリンピックに限らず、ワールドカップなどのレースの舞台でメダルを取れたことで自信につながってきてるので他の国際大会でも自信を持って冷静に臨めているのかなと思っています」

【別海町 初のメダリスト】

ーーー別海町の応援はオリンピック中、どう伝わっていたか

「オリンピックのレース前日に別海町から写真などが送られてきて見たんですけど、本当に力になってやる気が出た。気持ちをまた入れ直すことができた。本当にメッセージが力になったと思っています」

ーーー別海町に帰ってきて、今の気持ちは

「本当にリラックスできる場所なので別海町は。本当に今回短い期間なんですけど、そういう短い期間でもゆっくり過ごせるようにしていたいなと思っています」

ーーー別海町から3人の選手。ともに五輪へ行けたことはどう感じるか

「自分だけじゃなく、ほかの2選手(新濱立也選手、郷亜里砂選手)もオリンピックに出場できたことで、別海町を宣伝できたのはすごいいいなと思っています」
「自分はまだ年齢的に一番下で、目標としてた人たちと行けたので。次は自分が目標とされるような人になって下の人たちを引っ張っていけるような存在になりたいと思います」

(写真)左から郷亜里砂選手、新濱立也選手、森重選手

ーーー別海町で初のメダリストどう感じるか

「あんまり、特に感じる部分はないというか。新濱さんと自分は500メートルで注目されてきたので、どちらかが(メダルを)取れればと思ってたので。その中でも自分だったんですけど。次は2人で(表彰台に)上がれるようにと思っています」。

ーーー帰ってきて、ご家族とは会ったか

「去年9月ごろに1度会った以来、会っていなかったので。約半年ぶりぐらいに会いました。ビデオ通話では話していたんですけど、直接は(大会後)初めて会ったので、改めて『おめでとう』と言ってもらいました」

ーーー3年前にがんで亡くなった母・俊恵さんには、どんな言葉を

「大した事は言ってないんですけど、オリンピックの報告を心の中でしただけです」

(写真)父・誠さん、母・俊恵さんの遺影

【少年団で学んだことが生きた】

ーーースケートをする環境として別海町はどんな場所か

「スケートの基礎を学べた場所かなっていうふうに自分は思っていて。感謝だったり礼儀だったりっていうのをこの地で学べたことが本当に大きな経験だったなと思っています。高校、大学となっても、その基礎の部分はやっぱり必要になってくるので。それはもう今でも、社会に出ても生かされるものなのかなと思っています」

ーーー子どもたちから、憧れの対象として見られるようになったが

「もう本当にうれしく思ってますし、そういう人になりたいと思っていたので、本当に。これからも上を目指して頑張っていこうっていう気持ちにもなっています。自分が小さい頃には、オリンピックのメダルを取っている選手を見てかっこいいとか、そういう感情を抱いていたんで。同じ感情を抱いて頂けたらなっていうふうに思ってるのと、オリンピックを見て、スピードスケートをしてくれる人が増えたらなっていうふうに思っています」

【あきらめず こつこつと】

ーーー子どもたちにどんなメッセージを伝えたいか

「僕自身、小学生のころはそこまで速い選手ではなかったし、伸び悩んだ時期もあったけど、諦めずに続けていればいいことがあるというか、結果が出る日が来ると思うので。スポーツに限らず何事も、こつこつと諦めずにやってもらえたらなっていうふうに思っています」

ーーー町民の皆さんには改めてどんな思いを伝えたいか

「たくさん声援をいただいて力になった。オリンピックに限らずこれからのスケートっていうのを注目して、またご声援いただけたらな」

【4年後 もっと強い選手に】

ーーー初出場で銅メダル。次に向けてはプレッシャーかワクワクか、どちらか

「今回のオリンピックはそんなプレッシャーも感じずに、せっかく大学生で出場できたので挑戦するという気持ちで臨んだんですけど。次回もし出ることになったら2回目ということでプレッシャーも感じると思うんですけど。今回みたいな気持ちをまた忘れずに、次も臨んでいけたらなと思っています」

ーーーーこれから先どんな選手になりたいか、どういう活動をしていきたいか

「自分はまだ去年シニアデビューしたばかりなので、1年1年経験を積んで成長していけるような選手になって、引っ張っていけるような存在になっていけたらなと思っています」
「今の自分の心境とかも4年経てば変わってくると思うので、気持ちの持ちようだったり、技術だったり、そういう部分(の成長)を見せられたらなと思っています」

ーーー4年後に向けて、どう成長していきたいか

「まだまだ課題があるので、そこを克服していって。今回は初出場で、たぶんそこまでメダルとか金メダルとかあまり期待されてはいなかったと思うので。本当に(メダルを)取れるような期待を持たれるような選手になって、またその取れるような条件というのを自分の中でつけていって強い選手になっていけたらなと思っています」

2022年4月13日(水)

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