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WEBニュース特集 2度目の「緊急宣言」道内は

北海道WEBニュース特集

2020年4月16日(木)午後2時56分 更新

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、鈴木知事と札幌市の秋元市長は「北海道・札幌市緊急共同宣言」を出し、2月の「緊急事態宣言」と同様、法律に基づかない形で不要不急の外出を控えるなど道民に求めました。臨時休校や、繁華街などへの外出自粛要請、施設の休館、企業への影響・・・。感染防止を防ぐため、道民の生活に再び影響が広がっています。

北海道・札幌市緊急共同宣言

鈴木知事と札幌市の秋元市長は4月12日午後5時から道庁で会談し、今後の対応を協議しました。このなかで鈴木知事は「道内の感染者数が5日連続でふた桁となり、第2波とみられるような動きともとれるのではないか。早期に収束させるため、道民や札幌市民にメッセージを伝える段階になっている」と述べました。これに対し秋元市長は「感染源の分からない患者が増えている状況をみると、一歩踏みこんだ対応をしていかないといけない」と述べました。このあと両者はそろって記者団に対し、感染防止策を徹底する行動をとるよう呼びかける「北海道・札幌市緊急共同宣言」を出しました。▼この中で、14日から大型連休の最終日となる5月6日まで札幌市の小中学校と高校、札幌市からの生徒が多い近隣の空知・石狩地方の10校の道立高校を再び臨時休校にするとしています。▼これと同じ期間、不特定多数の人が集まる札幌市内の公共施設を休館するということです。▼また、札幌市民は感染リスクを高めるような不要不急の外出を控え、そのほかの地域の人も札幌市との不要不急の往来を控えるよう求めています。▼政府の緊急事態宣言が出されている7都府県への往来も極力避けるよう求めました。▼さらに、政府の方針を踏まえ、道内の繁華街でも接客を伴う飲食店などへの外出自粛を強く求め、飲食店が休業した場合には国に補償を求めるということです。▼このほか、重症患者に対応可能な病床の確保に取り組むとともに軽症患者が宿泊施設などで療養できる準備も進め、医療体制の強化に取り組み、▼道内経済への支援強化を国に求めていくということです。


全文:北海道・札幌市緊急共同宣言

6項目からなる宣言の内容の全文を掲載します。 

「北海道・札幌市緊急共同宣言」 令和2年4月12日 

北海道と札幌市は、新型コロナウイルス感染症対策に関し、第2波とも言える感染拡大の危機を早期に収束させるため、次のとおり緊急対応を実施する。

1.札幌市内における接触機会の低減 
新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、5月6日までの間、札幌市民の方には感染リスクを高めるような不要不急の外出を控えるようお願いする。
また、他の地域の方についても、感染リスクを高めるような札幌市との不要不急の往来を控えるようお願いする。

2.繁華街の接客を伴う飲食店等への外出自粛
国の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を踏まえ、5月6日までの間、北海道内における繁華街の接客を伴う飲食店等への外出自粛について強くお願いする。併せて、これに伴い飲食店等が休業した場合には、国の責任の下、補償を行うことを求める。

3.緊急事態宣言地域との往来自粛
北海道に来られた方に対し、北海道でこれまで実施してきた取組の周知徹底を図るとともに、2週間はご自身の体調に十分ご注意いただき、不要不急の外出を控えるようお願いする。また、道民に対し、緊急事態宣言の対象となった都府県への往来を極力避けるようお願いする。

4.学校及び公共施設の休業・休館
札幌市所管の小・中・高等学校等を対象とした一斉休業措置を4月14日から5月6日まで行うこととし、併せて、道所管の札幌市内及び札幌市からの通学生の割合が高い近隣の高等学校等についても同様の措置を講じる。
また、4月14日から5月6日までの間、不特定多数の人が利用する札幌市内の道及び札幌市所管の公共施設を休館する。

5.医療提供体制の充実・強化
感染患者数の大幅な増加を想定し、患者の状態に応じて適切な医療を提供できるよう、重症患者・中等症患者に対応可能な病床の確保に取り組むとともに、重症患者等に対する入院医療の提供に支障をきたすと判断される場合に、軽症患者が宿泊施設等において療養できるよう、スピード感を持って準備を進めるなど、医療提供体制の一層の充実・強化に取り組む。

6.道内経済への支援強化
新型コロナウイルス感染症により深刻な影響が出ている観光業をはじめとした北海道経済に対して、事業継続や感染収束後のV字回復に必要な取組を道市連携して進めるとともに、国への要望を行う。


宣言でススキノ巡回

札幌市の繁華街ススキノで不要不急の外出や3つの密を避けるよう呼びかけられました。12日午後7時半すぎ、札幌市の繁華街ススキノには道と札幌市の職員、それに道警の警察官およそ20人が集まりました。そして、4つのチームに分かれてススキノの巡回を始めました。職員や警察官は「外出自粛のお願いあなたの行動が大切な人の命を守ります」、「STOP! 三つの密」などと書かれたプラカードを掲げながら、ネオン街を練り歩きました。そして、不要不急の外出や、密閉・密集・密接の「3つの密」を避けるよう呼びかけました。道保健福祉部の板垣臣昭総務課長は「ここにきて札幌市を中心に患者数が増えているので、今が踏ん張り時だ。3つの密と不要不急の外出を控えることを徹底してほしい」と話していました。この巡回は、今後も行われるということです。


宣言に理解や対応の遅れの声

宣言の発表から一夜明けた13日、札幌の中心部で、話を聞きました。
60代の女性は、「宣言が出てよかったです。自宅近くの病院や施設で感染者が確認されていたため、感染拡大が迫っている感覚を持っています」と危機感をにじませ、理解を示しました。また60代の男性は「2月に北海道独自の緊急事態宣言が出たあと、国の宣言が出るまでに間が空き、北海道の感染者も減っていたことから気が緩んでいたと感じます。ここでもう一度宣言を出して大変な事態だということを認識するのはいいと思います」と話し、市民の間で気の緩みがあったのではと振り返りました。さらに難病の子も含め4人の子どもがいる30代の母親は、「東京で感染者が増え、北海道も危ないと思っていたため学校が再開された後も子どもたちを休ませていました。こうなるだろうなと思っていました」と対応に遅れを感じると話していました。


ススキノ飲食店「困惑」

札幌市の繁華街、ススキノの飲食店には困惑も広がっています。ススキノのビルに店を構える内海光博さんは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、3月の売り上げは去年より6割減るなど大きく落ち込んでいるということです。そのうえで「今回の宣言によって常連客への営業活動が一層難しくなる」と先行きの見通しが立たないことに不安を覚えています。今回の緊急共同宣言では外出の自粛を求めている対象が「『接客』を伴う飲食店等」とされ、どんな種類の店が対象で自分の店が該当するのかよく分からないとしています。内海さんは「利用を控える対象で、休業をするよう求められれば従おうと思うが、やれる状況ならば店を開けたいので困惑している」と話していました。


休業補償を国に要望

13日、道庁のテレビ会議室に、鈴木知事や秋元市長のほか、道内の経済8団体の代表などが集まって、繁華街の飲食店などへの支援を国が行うよう求める緊急の要望を行いました。この中で、札幌市の秋元市長は、「市内の飲食店などの売り上げへの影響は3月までの2か月間で5500億円にも上るという試算がある。さらに自粛を要請され、苦しい状況だ」と述べました。また、鈴木知事は、「国の方針を受け、道と市でも利用の自粛を強く促しているが、感染拡大防止に効果がある一方、支援が遅れれば、倒産や廃業する事業者が出る恐れがある」と述べました。その上で、▼国の責任で、事業者の休業補償を行うことや、▼ススキノ地区での感染拡大防止の取り組みが全国のモデルとなるよう経営支援を行うことを要望しました。会議は非公開で行われ、道によりますと、国の担当者は、「難しい面もあるが、知恵を絞って対策を講じていきたい」などと話したということです。


旭川市長「札幌往来控えて」

旭川市の西川市長は13日午前、今後の方針を示しました。このなかで「札幌市との往来はぜひ避けるよう、市民にお願いしたい」と述べ、宣言に応じる形で、市民に対し当面、札幌市との不要不急の往来を控えるよう呼びかけました。そのうえで、市の職員の札幌市への出張も、当面、原則として取りやめる方針を明らかにしました。また、西川市長は、市内の学校を再び臨時休校にするかについて、現時点で、旭川市では感染者は増えていないとして、休校にしない考えを明らかにしました。そして今後、市内でも感染が拡大した場合は、必要に応じて、休校の措置を速やかに取ることができるよう、関係部局に指示したことを明らかにしました。


札幌-旭川の都市間バスは懸念

札幌市と旭川市とを結ぶバスを運行する事業者からは、利用客のさらなる減少を懸念する声があがっています。旭川市に本社がある「道北バス」は、札幌市と旭川市を発着する都市間バスを、1日13便運行しています。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、外出を控える動きが続く中、3月の売り上げは、去年と比べ、6割も減少したということです。会社では、今回の宣言について、理解を示す一方、札幌市との不要不急の往来を控えるよう求めていることから、利用客のさらなる減少を懸念しています。「道北バス」の踊場稔洋常務取締役は「売り上げの減少は深刻で、改善の兆しが見えない状況だ。今後は減便のほか、行政に何らかの支援を求めることも検討したい」と話していました。


5島が訪問自粛要請

道内の5つの島にある合わせて5つの町は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、島外からの不要不急の訪問の自粛を要請する声明を発表しました。
訪問自粛の声明を発表したのは、▼利尻島、▼礼文島、▼天売島、▼焼尻島、▼奥尻島の5つの島にある合わせて5つの町です。
いずれの島でも、これまでのところ、新型コロナウイルスの感染者は出ていませんが、島内で感染が拡大した場合、十分な医療設備がなく、住民の生活や健康を守れなくなる恐れがあるとして、島外からの不要不急の訪問の自粛を要請しています。
自粛の期間は、▼利尻島では、感染拡大が収束するまで、▼そのほかの島では5月6日までの間としています。
礼文町の小野徹町長は「例年であればこれから観光シーズンを迎える中で、自粛の要請は、町としても苦渋の判断だ。感染拡大が収束した際にはぜひ、大勢の方々を歓迎したいと思います」とコメントしています。


14日、再び休校に

14日から札幌市内の小中学校と高校、特別支援学校、それに近隣の高校10校が再び臨時休校になりました。休校による学習の遅れにどう対処していくかが課題になります。
道教育委員会と札幌市教育委員会は札幌市内の小中学校と高校、それに特別支援学校、また、札幌から通学する生徒が多い、石狩地方と空知地方の高校10校を14日から臨時休校にしました。このうち335人の児童が通う札幌市立藤野南小学校では、いつもは授業が行われている時間に教室に児童の姿はなく、静まりかえっていました。休校による学習の遅れが課題となることから、札幌市教育委員会は、小学校と中学校については、学校や教育委員会のホームページに市内で共通の課題を掲載し、家庭学習に取り組んでもらうことにしています。
また、札幌市の近隣で休校した高校は、▼石狩地方の江別高校、野幌高校、大麻高校、恵庭南高校、北広島高校、北広島西高校、石狩南高校、石狩翔陽高校、当別高校、▼空知地方の美唄聖華高校のあわせて10校です。


児童クラブの開館も早める

札幌市の小学校が5月6日まで臨時休校になったことを受け、市は児童クラブの開館時間を14日から午前中に早めて子どもたちを受け入れています。札幌市内におよそ200ある児童クラブでは臨時休校を受け、14日から、平日の開館時間を午前からに早め子どもたちを受け入れています。このうち、札幌市中央区にある山鼻児童会館の児童クラブでは、15人の子どもたちが、手洗いを行ったあと学校の宿題をするなどして過ごしていました。また施設の職員が消毒液で、おもちゃを拭いたり、定期的に換気を行ったりして感染の防止に努めていました。30代の父親は「共働きなのでありがたい」と話していたほか、孫を預けに来たという60代の女性は「娘も私も働いていて休めないので、とても助かっている」と話していました。山鼻児童会館の本田英俊館長は「共働きなどの家庭が少しでも助かるよう、できることをしていきたい」と話していました。札幌市によりますと、市内の児童クラブは、事前に登録している児童に限り、日曜と祝日を除き来月2日まで、▼平日は午前8時45分から午後7時まで、▼土曜は午前8時から午後7時まで利用できるということです。


休館する施設は

札幌市内にある不特定多数の人が利用する公共施設も14日から5月6日まで休館するとしています。
主な道立施設で休館となるのは、
▼北海道知事公館、▼北海道博物館、▼北海道開拓の村、▼アイヌ総合センター、▼近代美術館、▼三岸好太郎美術館、▼文学館、▼真駒内公園(屋内・屋外競技場)、▼市民活動促進センター、▼女性プラザ、▼消費生活センター、▼道立総合体育センター(きたえーる)です。
このほか、▼市民活動促進センター、▼女性プラザ、▼消費生活センターについては施設を訪れて利用することはできませんが、電話などでの相談は受け付けるということです。
また休園・休業する市の主な施設は、▼円山動物園、▼大倉山ジャンプ競技場と札幌オリンピックミュージアム、▼さっぽろテレビ塔の展望台、▼モエレ沼公園のガラスのピラミッド、▼札幌市青少年科学館、▼さっぽろ羊ヶ丘展望台、▼札幌芸術の森などとなっています。
それぞれの施設では休園や休業は5月6日までとしていますが、7日以降についても最新の状況を踏まえて検討するとしています。施設によっては、5月6日の翌日の7日や8日が休業日だったり、ちょうど整備が行われている時期だったりして、再開の日が異なる場合もあり得るということです。このため、市は、最新の各施設の情報について、ホームページなどで確認するよう呼びかけています。



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