3月11日で定期運行を終えた「キハ283系」。そして同じ日に、使われない駅となった「糸魚沢駅」をぼっち取材してきました!
◇札幌までの移動を支えたキハ283系
キハ283系がデビューしたのは1997年(平成9年)3月22日。
四半世紀にわたって札幌・釧路間を結び、特急「おおぞら」などで運用されて人々の生活を支えてきましたが、この春のダイヤ改正とともに3月11日をもって、釧路支社管内での定期運行を終えました。

その一週間前に報道陣に公開された車両検査の様子を取材してきました!
訪れたのは、釧路運輸車両所。

いまの時期の車両所は、新しい車両や古い車両が混じって置いてあるため、車両の数が一番多い時期だそう。全部で100台以上あるんだとか😲
中に入ると、さっそくありました!!キハ283系!
ちなみに左側には、釧路支社管内で定期運行され同じように引退したキハ40系が😊貴重な2ショット??

キハ283系は、振り子装置を備えカーブでも大きく減速せずに走行することができ、札幌圏と道東の往来に長年貢献してきました。ただ、メンテナンスには苦労するという側面もありました。

そして今回、エンジンがパワーアップし直線でより力強く走れるキハ261系にバトンタッチすることになりました。ちなみにキハ261系は、優先席が広くコンセントも設置されて、より快適な車両になっているそうです。
この日行っていたのは、仕業検査。
JRの職員さんが、台車周りやブレーキに不具合がないか、1つ1つ音を聞いたり目視で確認したりしながら調整していました。

そのあとは油をさして…。25年間、こうした作業を繰り返して走り続けてきたんですよね。


テレビで見たことはありましたが、初めて目の前で見て、職員さんの手作業によって列車が運行されていることに感動しました。

※たまたまこの日はNHKの別の取材クルーも訪れていて、私の姿を撮ってくれました(笑)
◇素晴らしい自然の中の糸魚沢駅
次に訪れたのは「糸魚沢駅」。キハ283系の最終運行日と同じ3月11日の午後に訪ねました。
記念に1つ前の「厚岸駅」から乗車!厚岸駅の駅名標を撮影している方を見て、
次の駅の「いといざわ」という文字も見られなくなると気づき、つられてパシャリ。

列車に乗るとびっくり!キハ283系のラストランも話題になりましたが、こちらも平日では見たことがないくらいたくさんの人が乗っていたんです。ざっと数えただけでも30人以上が乗車していて、多くが糸魚沢駅を惜しんで訪れた方々でした。そして、車窓を楽しんでいると夏には見られない光景が。

画像の左側は凍っていて、海との境目が見られたんです。こんなにもはっきり、近くで見られるんだと驚きました。さらに進むと、別寒辺牛湿原の辺りにはたくさんのシカが!走り去っていくところを撮影したので遠ざかる後ろ姿になってしまっていますが、近くにもいましたよ!

よく目を凝らすと、もっと遠くにも多くのシカが!おそらく、これまで乗車した中で一番多い数のシカと遭遇しました!

糸魚沢駅に到着すると、駅にもたくさんの人が!!そして、横断幕を持った方々が出迎えてくれました。

この日限りで廃止になる糸魚沢駅に思いを寄せた有志の方々が、駅に集まって盛り上げていたんです。そのうちのお二人、笹正之さん(右)と鈴木一雄さん(左)にお話を聞くことができました。

笹さんは、
「40年ほど前、国鉄時代に乗務員として乗っていたので思い入れがあります。何もない駅だけど、地域の方もいるし、大自然の中の小さな駅っていうのも素晴らしいから忘れてほしくないです。」
と話していました。
鈴木さんは、
「昔、病院に通う祖父について行った時に、途中で休むために利用した駅でした。昔はトイレもあって大きい駅だったんです。今の駅舎に建て替える時に、ペンキが剥がれた前の駅舎の木の板をいただいたほど思い入れがありました。それだけになくなってしまうのは、やっぱり寂しいです。」
と話していました。

そんなお二人を含めた有志の方々が用意したのは、横断幕だけではありません。
訪れた方々に思い出とともに持ち帰ってほしいと、糸魚沢駅の駅舎の中にポストカードを用意しました。

ポストカードは全部で4種類!先ほどお話を聞いた鈴木さんが撮影した、前の駅舎のときの写真(左)と、釧路町在住の漫画家さんが手がけた、いまの糸魚沢駅と女の子のキャラクターが描かれたもの(右)。

あと2種類は、ボールペンで描かれた新旧の糸魚沢駅の駅舎です。(左が以前、右が現在)

糸魚沢駅の歴史などが書かれた「解説シート」も配られました。

これらは厚岸町海事記念館でもらうことができます!数量限定ですので、なくなってしまっていた場合にはご了承ください🙇
さらに、鉄道ファンの方がこの日のために作った駅名スタンプも!!

こちらも後日、厚岸町海事記念館で押せるようになるかもしれないということです。
一人で取材に行ったのですが、たくさんの方々がいらっしゃったため皆さんが写真を撮ってくださいました😊いつもは自撮りで頑張っていたので、とてもありがたかったです✨

◇本当に最後です!!
15日のニュースでお伝えしましたが、私は今年度で釧路局を卒業します。
そのため「花咲沿線ぼっち旅」は、これで本当に最後になります。

キハ283系、糸魚沢駅、「花咲沿線ぼっち旅」と最後尽くしです。今までは本当に一人取材が多かったのですが、今回は「ぼっち」とは言え、たくさんの方々がいる中での取材で、ローカル鉄道がたくさんの方に愛されていることを感じることができました。
来年度から、私は、茨城県のNHK水戸放送局で働きます。
また茨城で、「ぼっち旅」できないかなぁ~なんて、たくらんでいます😊🎵

改めて、キャスターブログでご挨拶させていただきますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。
これまで「花咲沿線ぼっち旅」に関わってくださった皆さま、見て・読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました!!
2022年3月16日(水)