道東では▽根室市は80%▽釧路市は71%▽帯広市は23%といずれも前回・3年前と比べて上昇しました。根室市と釧路市は2ポイント、帯広市は1ポイントの上昇です。公表されている全国のデータのなかでは▽根室市は水戸市に次いで2番目▽釧路市は5番目の高さとなっています。
○地震動予測地図2020年度版 各地で上昇

画像:地震動予測地図(出典:地震調査委員会資料より)
今後30年以内に震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率を示した最新の全国の予測地図が公表され、道東の各自治体では3年前と比べて確率が上がっています。専門家は、確率が高い地域はもちろん、数%の地域でも揺れへの備えを進める必要があると指摘しています。政府の地震調査委員会は、全国の活断層や海溝型の地震に関する最新の研究成果などに基づき、今後30年以内に震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率などを推計し、「全国地震動予測地図」として公表していて、令和3年3月27日にことしの予測を発表しました。
(根室市全国2番目 釧路市5番目)
■図2 確率表

画像:地震動発生確率
それによりますと、道東では▽根室市は80%▽釧路市は71%▽帯広市は23%といずれも前回・3年前と比べて上昇しました。根室市と釧路市は2ポイント、帯広市は1ポイントの上昇です。公表されている全国のデータのなかでは▽根室市は水戸市に次いで2番目▽釧路市は5番目の高さとなっています。地震調査委員会によりますと、道東では、千島海溝沿いの巨大地震の発生が懸念されていて、年月の経過により、発生する確率が上がってきているということです。
○内陸は確率低く見えるけれど…
この発生確率を私たちは、どう受け止めれば良いのでしょうか?地震調査委員会の事務局によりますと、発生する頻度の高い「海溝型」と呼ばれる海沿いの大地震が懸念されている地域では確率が高くなっていますが、確率が低いように見える内陸でも油断してはならないということです。この地震動予測地図は活断層での地震など、発生する間隔の長い内陸の地震は数値が低くなる傾向があります。
たとえば、阪神淡路大震災を引き起こした平成7年の兵庫県南部地震では、この手法で計算すると地震直前でも地震の発生確率は0.02%~8%と見積もられたということです。ただ内陸でも、ひとたび地震が起きれば大きな揺れに見舞われる可能性があるとしています。
○数%でも低くない 備え進めて!

写真:③地震調査委員会委員長 防災科学技術研究所 平田直 参与
地震調査委員会の委員長で防災科学技術研究所の平田直参与は、この確率を日常生活でのリスクと比べながら考えてほしいと話します。例えば、今後30年以内に「交通事故でけがをする確率」は統計上では12%。「空き巣に狙われる確率」は1.2%。「台風で被害を受ける確率」は0.4%となります。皆さん、交通事故に備えて保険に入りますし、空き巣に入られないように家に鍵をかけます。実際に、震度6弱以上の揺れに見舞われると、固定していない家具は倒れ、耐震性の低い建物は傾いたり倒れたりする場合があります。平田さんは、高い確率の地域はもちろんのこと、数%などとなっている地域でも、こうした日常のリスクと比べながら、揺れに対する備えを進めてほしいと話しています。
地震調査委員会委員長・防災科学技術研究所 平田直 参与
「北海道の太平洋側では海溝型の巨大地震が懸念されていて、月日がたち徐々に確率が上がっているため対策は待ったなしだ。また、内陸も数%であっても低い確率ではなく、自分がいるところでも強い揺れが起こりうると考えて、家具の固定や建物の耐震化などの備えを進めてほしい」。
地震動予測地図は防災科学技術研究所のホームページで詳しく見ることができます。
2021年4月20日