ページの本文へ

NHK北海道WEB

  1. NHK北海道
  2. NHK北海道WEB
  3. デジタル戦略チーム
  4. Do! | #20 Kanda Kento

Do! | #20 Kanda Kento

  • 2022年12月19日

第20回に登場するのは、入局4年目・札幌放送局の神田健斗職員。事業担当としてさまざまなイベントの企画・運営業務を行っています。イベントを通じて地域課題の解決に貢献したいと語る裏側には、初任地・帯広での3年間の営業経験がありました。地域に対する想いや、営業と事業それぞれの仕事の魅力について聞きました。

[Photo By 鬼原 雄太]
[聞き手 清水 ひな(NHK札幌放送局 技術)、髙山 もえか(NHK札幌放送局 記者)]
※感染対策を十分にとったうえで撮影しています。

神田 健斗 -Kanda Kento-
2019年入局。文学部史学科卒業。
埼玉県出身。北海道東営業センターで3年勤務し、2022年8月より札幌放送局広報・事業部に。
趣味はサッカー観戦、カメラ、ゲーム。

<目次>
1.学生時代に打ち込んだ野球の世界から、異なる世界への挑戦
2.二つの仕事を経験したからこそ感じる“気づき”
3.地域をつなぐパイプになりたい


1.学生時代に打ち込んだ野球の世界から、異なる世界への挑戦

――学生時代の話から伺います。史学科ではどんな勉強をしていたんですか?

主に日本史を学んでいて、鎌倉時代や戦国時代など、江戸時代より前の時代を中心に勉強していました。

――歴史がお好きなんですね。

小さい頃、親に「期間内に読み切ったら新しいゲームを買ってあげる」と『三国志』を渡されて読み始めたら、これが意外とはまってしまって(笑)。そこから好きになりました。

――サークルや部活には入っていましたか?

野球部に入っていました。スタメンではなかったのですが、新人戦(1,2年生のみが出場できる大会)は控えの選手たちが明治神宮球場に立てるチャンスだったので、それを目標に日々練習していました。新人戦が終わった大学2年の秋頃から就活を考え始めました。

――結構早くから就活に向けて動いていたんですね。

実は当初は教師になりたかったんです。高校の地理歴史の教員免許も取得しました。
でも、当時は周りに教師志望の人が全然いなくて、住んでいた寮の友人たちが就活の話をしているのを聞くうちに、自分も就活をしてみようかなと。

――では、マスコミに限らず幅広く見ていたんですか?

そうですね。ただ、今までスポーツ漬けの生活だったので、スポーツ系の仕事に就こうとは全く思いませんでした。いろいろな業界を見る中で、スポーツだけでなくさまざまな知識に触れる機会があって、人と話すことが苦にならない自分の性格も生かせるかなと思い、記者の仕事に興味を持ちました。

――記者志望だったんですね。

民放や新聞社も受けました。その中でNHKを選んだのは、先輩がNHKで働いていたということと、もともと教師を目指していたので、公共的な視点を持って仕事ができるという点が自分に合ってるかなと思ったからです。
それと、当時は正直NHKにあまりなじみがなくて、わからないからこそ「どんな会社なんだろう」「入ってみたい」と興味が湧きました。
いろいろと説明を聞き、職員と実際に話す中で、最終的には記者ではなくマネジメントの仕事を選びました。

――面接では自分のどこを評価してもらったと思いますか?

私が入っていた野球部はプロ野球選手を輩出するような強豪チームで、周りのレベルも高く、なかなか試合には出られませんでしたが、その中で私は縁の下の力持ちのような仕事をしていました。
どんなチームも、練習環境を整備したり主力メンバーの手伝いをしたりと、支える存在があって成り立っています。面接では、自分が任されていた「組織を支える」役割について話をしたので、そこを評価してもらえたのかなと思います。

――仕事をする中で、野球部の経験が生きていると感じることはありますか?

気分の浮き沈みが少ないのは強みかもしれません。甲子園で活躍していたような選手ばかりの環境にいると、練習中に選手同士で厳しい声が飛ぶことも珍しくなかったので、いちいちへこんでいても仕方がないなと(笑)。

――確かに、そういう環境にいると気持ちの切り替えがうまくなりそうですね。

我が強い選手も多かったですが、みんな才能だけでここまで来ているんじゃなくて、やっぱりちゃんと練習してるんですよね。そういうすごい人たちを普段から見ていると、あまりいろんなことに動揺しなくなったと言うか……死ぬこと以外かすり傷だなって(笑)。
今は人と話すのが全く苦になりませんが、母親によると昔はシャイな性格だったみたいで、そういう部分も野球部での経験が転機となって変わったのかなと思います。

2.二つの仕事を経験したからこそ感じる”気づき”

――初任地は、帯広にある北海道東営業センターだったそうですね。初めて住む土地に不安はありませんでしたか?

勤務地にこだわりはなくて、むしろ全国転勤は楽しみでした。それまで関東圏にしか住んだことがなかったので、社会人になったらいろいろなところに住んでみたいと思っていました。

――帯広での3年間はどうでしたか?

気候の違いにとにかく驚きました。関東と比べると、北海道は春夏秋冬というよりは、短い夏があってそれ以外は冬という感じで、寒さに慣れるまで大変でした。

良かった思い出としては、一番は妻と出会ったことですかね(笑)。あと、帯広は本当にごはんがおいしかったです。新型コロナウイルスの感染が広がる前は、部署のみんなでごはんに行くことも多くて、6、7キロ太りました(笑)。
居酒屋で会った地元の人と話をしたり、町の雰囲気もフレンドリーでとても楽しかったです。

――営業の仕事についても教えてください。

1年目は個人宅を訪問し、受信契約について確認したり、大学生協や不動産会社などに受信契約の手続きのお願いをする仕事などを担当しました。2・3年目になると、防災教室なども任されるようになりました。

――防災教室も担当されたんですね。

標津(しべつ)町の小学校で実施した防災教室が特に印象に残っています。授業の時間を使って水害の被害や対策を伝える防災教育を行いました。

とても熱心な学校で、先生方からさまざまなご要望を頂いたので、それに応えられるようNHKのコンテンツを活用して授業を作り上げていきました。
どんな授業にしようと考えるのは楽しかったですし、学生時代に教職課程を履修していた経験を生かすことができました。
映像やARを使って視覚的に伝えることで、生徒のみなさんが興味を持って参加してくれて嬉しかったです。

水害から命を守る~標津町~ 取り組みの主役は子どもたち #道東スペシャル | NHK北海道

――営業の仕事を通じて身についたことは何かありますか?

3年間の営業経験を経て、「どうやったら受信料制度を理解してもらえるか」「NHKになじみのない人にもNHKのことをもっと知ってもらうにはどうしたら良いか」という観点を常に持ち続けるようになりました。
2022年8月からは札幌局に異動し、事業の仕事を担当していますが、イベントをする時もただ楽しいだけで終わらないように、「NHKにこれまであまり接触のない方にも満足してもらえる内容か」ということは意識しています。

――営業と事業で特に違いを感じる部分は何ですか?

事業の仕事は他部署との関わりがとても多いのが特徴だと感じます。
営業の時は、比較的営業内でのやりとりが多かったですが、事業の場合は関わる人が多い分、確認作業も多く、自分だけのペースでは進まないので、ある程度先を読んでスケジュールを立てることが求められます。

――イベントには多くの人が関わっているんですね。一つのイベントを開催するまでには、具体的にはどんな業務があるんでしょうか?

イベントには大きく分けると2種類あって、あらかじめ年間でスケジュールが決まっている定例イベントと、随時提案する新規イベントがあります。新規イベントの場合は、自分でやりたい内容や実施時期、必要経費や開催場所などを考えて提案票を作成し、プレゼンして採択されると開催決定となります。

定例イベント、新規イベントいずれの場合も、開催日から逆算して情報解禁日を設定し、PR方法を検討します。募集期間の長さによって集客状況も変わってくるので、情報解禁のタイミングは重要です。
番組に連動したイベントの場合は、ディレクターとも一緒に内容を相談し、出演者やお客さん対応などを行います。

――これまでいろいろな業務を経験してきて、入局前と比べてNHKの印象が変わった部分はありますか?

事業の仕事を担当してからさまざまな職場の人と関わるようになって、NHKには自分がやりたいことを原動力に仕事をしている人が多いなと感じるようになりました。
もちろん他の会社もそうだと思いますが、特にNHKの場合、民間企業と比べると数字や利益に縛られすぎずに純粋に自分がやりたいことや、社会や地域にとって大事だと思うことを突き詰められる環境があるので、働く環境としてはすごく良いのかなと思います。

3.地域をつなぐパイプになりたい

――最近では、2024年のパリ五輪の新競技としても注目されているブレイキンの大会を担当されたと伺いました。これはどんな大会だったんですか?

2022年10月にNHK札幌局で実施した「ブレイキン北海道・東北ブロック選手権」の関連イベントの運営を担当しました。2023年に行われる全日本ブレイキン選手権への出場権を争うブロック大会で、決勝トーナメントは総合テレビで北海道向けに放送しました。
実は、NHKのスタジオで共催スポーツの選手権を開催したのは今回が初めてなんです。

ブレイキン北海道・東北ブロック選手権 会場の様子


――そうだったんですね。今回の大会で何か工夫したことはありますか?

学校やダンス教室にチラシを置いて周知を行ったり、大会前日と当日に有名なトップブレイカーをゲストに招いてワークショップを開催したりしました。ワークショップは事前応募制ではなかったので、どれくらい人が来てくれるかわからず不安だったのですが、最終的には130名が参加してくれました。
他にも、大会を配信しているNHKプラスのことを知ってもらうために、会場に設置したパネルやチラシにNHKプラスのQRコードを載せるなどしてPRに力を入れました。

――大会を通して得たことや気づきはありますか?

今回の大会やワークショップの来場者は若い人が多かったのですが、70代の方からアンケートで「若い人たちが楽しんでいる姿を見て活気をもらいました」という言葉を頂いたのが印象に残っています。
実際に自分で体験しなくても、イベントの様子を外から見るだけで喜んで頂けたり、若い世代向けのイベントであっても幅広い年代の方に満足して頂けることもあるんだなと感じました。

また、大会が終わった後に出場者が大河ドラマのパネルと一緒に写真を撮っていたり、大会関係者がテレビ電話でお子さんにワンワンの展示物を見せていたりと、一般のお客さんだけでなく多くの人に喜んで頂けたのが印象的でした。

――事業の仕事は、お客さんの反応を間近で見ることができるのも魅力ですよね。

自分が考えた企画や展示にたくさんの人が来てくれるととても嬉しいですし、お客さんの笑顔を見たりNHKに期待してくれる声を聞くと、イベントをやって良かったなと思います。

――今後やってみたいイベントはありますか?

地域課題にマッチしたイベントをやってみたいです。北海道の地方では若い人たちが都会に流れていってしまうという課題があるので、「仕事」や「働く」といったテーマで若い世代に向けたイベントができないかなと思っています。
NHKが実施するイベントは原則無料ですし、売り上げや利益といったものにとらわれないからこそ“必要としている人に刺さるイベント”を作ることができるのが強みだと思います。

――地域課題に関心を持つようになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか。

帯広で営業をしていた時に、大学生協の人と話したことがきっかけです。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で授業がオンラインになり、友達を作る機会がなく、精神的にダメージを受けている学生が増えたという話を聞き、何か学生が集まれるイベントを開催できないかと考えました。
結局その時は実現できなかったのですが、NHKが発信力を生かして地域をつなぐパイプのような役割を担うことで、そうした地域課題の解決に貢献していきたいです。

――営業時代の経験が事業でも生きているんですね。

そうですね。営業は地域に足を運ぶ機会が多いので町のことをいろいろ知ることができますし、町の人と話す中で、地域に必要なことは何かを考えるようになりました。
これまでの経験を生かして、NHKだからこそできるような、地域に還元するイベントができればと思っています。

他の職員のインタビューはこちら
NHK北海道 地域職員採用ホームページ

■NHK北海道ホームページ

ページトップに戻る