NHK札幌放送局

“読む”ラジオ #ナナメの場 ~岡本啓吾さん ゲストトーク~

ナナメの場

2021年12月21日(火)午後6時33分 更新

タテ(家族や先生)でもヨコ(友達)でもない“ナナメの関係”で、普段はちょっと話しにくい悩みや夢をゆるーく語り合う「ラジオ #ナナメの場」。
「あなたの町の“ナナメの場”」コーナーでは、会場の函館コミュニティプラザGスクエアのセンター長、岡本啓吾さんをお招きしました。
岡本啓吾さんとMCのずーちゃん・ゆりなさん、さらにTHE BOYS&GIRLSのワタナベシンゴさんも一緒に、場づくりや「音楽と居場所」についても語りました。
放送日:2021年12月12日
(#ナナメの場 ホームページはこちら)

【ラジオ #ナナメの場 MC】
⽔野莉穂(ずーちゃん)

紅茶の喫茶店アグラクロック オーナー。2017年北海学園大学を卒業して半年後、生まれ育った恵庭市で喫茶店をオープン。“自分が好きなじぶんで居られるところ”を大切にした場づくりを通して、輪づくりをしている。今後は、田舎暮らしを通して、季節と暮らしながら遊ぶ場づくりを計画中。

まえだゆりな
北海道函館発のうたうたい。 つまづきながらもまっすぐに生きるうたをうたう。日本や海外の子どもたちとの曲作りワークショップ、演劇やダンスチームとのコラボなど、表現をすることの可能性に挑戦。2018年車で日本一周”my way tour”、2019,2020年度NHKほっとニュース北海道ED曲、現在FMいるか 「サウンドセレクト」番組DJ担当。

【あなたの町の“ナナメの場” ゲスト】
岡本啓吾
函館出身。大学進学で上京し、横浜の広告代理店に勤めたのち、地元函館にUターン。函館コミュニティプラザGスクエアのセンター長として、若者を巻き込んだ地域おこしや場づくり、若者と大人が共に取り組むイベントなどを手がけている。

【進行】
鈴木遥アナウンサー


「函館でやりたい、函館でやれる」を作りたい

鈴木アナ:ここからは「あなたの町の“ナナメの場”」をお送りします。
今日は、会場である函館コミュニティプラザGスクエアのセンター長、岡本啓吾さんにお越しいただきました!よろしくお願いします。

岡本啓吾さん(以下 岡本さん):よろしくお願いします。

鈴木アナ:岡本さん、今日は全身ダーク系のコーディネートで、ジャケット、パンツに至るまで大体黒で。顔も日焼けされていますけど。

岡本さん:そうですね、地黒というのもあるんですけど、いつも仕事しかしていないのに「どこか海外行ってきたの?」と言われるので、腹立つので、最近サーフィンを始めて。

ずーちゃん:函館、海が近いからいいですね、すぐ行けて。

△左から鈴木アナ、ワタナベシンゴさん、ずーちゃん、まえだゆりなさん、岡本啓吾さん

鈴木アナ:簡単にプロフィールご紹介します。函館市出身の36歳。高校卒業後、学校の先生を目指し上京。その後進路を悩んだ末、横浜の広告代理店に就職しました。帰省のタイミングで地元の経営者に出会い、函館、地元で何かしたいという思いでUターンされました。現在は、今日の会場Gスクエアのセンター長として様々な活動をされています。
ゆりなさんは函館に住んでいて、ずーちゃんは先週ウェブ記事を書くために来ていると思うのですが、私は初めて来たので、改めて岡本さんからこの施設がどういう場所なのか説明いただきたいんですが。

岡本さん:こちらのGスクエアは4年半前に、函館の中心街、本町五稜郭の一等地の商業施設の4階にオープンしました。もともとこの辺の立地が、周辺に6校高校があって学校帰りの学生がみんな集まる場所だったんですね。元あったビルが閉鎖して6年半経っていて、行き場をなくした学生たちがいて、このビルを再開発をするときに、4階に公益施設Gスクエアを設置したという形です。

鈴木アナ:どんなことをこの施設ではされていますか?

岡本さん:そうですね、学生がすごく集まる場所になっているので、そうした若者たちの居場所、憩いの場所としてあることももちろんなんですけど、ここで何かやりたい、函館でやりたい、やれるという、そんな自発的な動きをもっともっと作っていきたいなと思ってやっています。

鈴木アナ:いろんなプロジェクトやプログラムがあると伺いました。

岡本さん:そうですね、めっちゃやっています。何かやりたいという声があったら「よしやろう」と言って、勢いでやっています。
今年に入ってからも、先ほどあった「歌楽プロジェクト」という歌を歌うプロジェクトや、「ローカルマガジンを作ろう」という、学生だけで道南のローカルマガジン、雑誌を作ろうというプロジェクトをやっていて。昨日は5回目だったんですが、昨日も6時間ぐらい追い込んで相談していて。それもフリーライターの阿部光平さんという函館出身で活躍されている方が一緒にやってくださっていて。
函館にいながら第一線で活躍している大人の方たちと触れ合って、そういう経験を詰めるような機会を作っていきたいという思いはありますね。

鈴木アナ:ちなみにそのマガジンの特集はなんですか?

岡本さん:5チームで、5~6人のメンバーで集まって、高校生から大学生までやっているんですが、テーマに関しても自分たちでいちから全部、納得するまで話し合って決めて、5つとも違うテーマでローカルマガジンを作っています。

ずーちゃん:岡本さん自身も函館出身とお聞きしたんですけど、一度出て戻ってきたんですよね?

岡本さん:そうですね。僕が18の時はこの町から早く出たくてしょうがなくて。クソみたいだと思ってたので。そこから出て良さも悪さも気づくというか。
僕自身、学生時代は家にも学校にも居場所という居場所を自分で作れていなかったので。結局自分自身、一歩踏み出せていなかっただけなんですけど、それを町のせいにして外に憧れて。自分自身そういった経験もあるので、なおさら今函館に帰ってきて、若い世代の人たちに機会を作ってあげたいなと。
いてもいいんだよという場所とか、函館でもこんなことできるんだよとか、そういうのをどんどん作っていきたいという思いはありますね。

ワタナベシンゴさん:すげえな。めっちゃかっこいいですね。

ずーちゃん:シンゴさんも中標津だから、地方という共通項が。

シンゴさん:自分が学生の時に、こういう人が近くにいてこういう場所があったらどんなに楽しかっただろうかと。楽しいというか、可能性がめちゃくちゃあるじゃないですか。カラオケに行くとかゲームセンターに行くとかももちろんすげえ楽しいですけど、学校とかじゃないところで何かが生まれていくパワーみたいな。僕も今日初めてきたんですけど、そのパワーをすごく感じていたし。話を聞いてより感じました。

ずーちゃん:たしかに、いる人の表情がめちゃくちゃキラキラしてる。


一歩踏み出せば、面白い人や場所に出会える

鈴木アナ:ゆりなさんはここに住んでらっしゃいますけど、住んでる方としてこの施設や岡本さんをどう見てますか?

ゆりなさん:私はちょうどこの施設ができた時は函館に住んでいない時だったんですけど、その時から岡本さんに声をかけていただいて、よくライブをさせていただいてたんですね。すごくパワフルな人で、パワフルな場所ができたなと思ってたんですけど。
最初の印象が、投げ銭ライブだったんですけど、投げ銭ライブって普通箱を置いておくだけなんですけど、その時は岡本さん自らが「投げ銭ライブです、よろしくお願いします」って箱を持って回って歩いてくださったんですね。それが1回だけじゃなくて、今まで本当にほとんど全部そういう風に動いていらっしゃって。
函館の町を中心に、五稜郭を盛り上げようというイベントをやっている時も、自分で自転車に乗って町を駆け回りながら、自らが動いていろんな人に挨拶をする姿を私も見てるし、函館の人もたくさん見ていて。だからいい動きや思いが生まれるんじゃないかなと。
私は岡本さんみたいになりたいなと。ファンです。

岡本さん:うれしいな。

ずーちゃん:自ら動くというのは大切にしているんですか?

岡本さん:落ち着きがないだけだと思います。その時もチャリで何往復も町中走り回って、何回車にひかれそうになったか(笑)。でも嬉しいですね、そう言ってもらって。

鈴木アナ:ここは周りの高校生たちが集まる場所だったということですが、どうしてこういう場所が必要だと思ったんですか?

岡本さん:もともとあったビルは7階にゲーセンがあって、高校生の時いつも通ってたんですよ。そういう場所がなくなって学校帰りみんなどこ行くのって聞いたら、どこにも行くところがないという話なんですよね。それって、僕が高校の時も函館楽しくないと思ってましたけど、今なんてなおさらそんなになっていたらということもあったので、居場所を作らなきゃという思いがありましたね。

ずーちゃん:場所っていろいろあると思うんですけど、地方という面白さはあるんですか?

岡本さん:やっぱり、僕自身もそうなんだけど、函館だからできるって思います。何かことを起こしたときにつながる距離感も近いし、応援してくださる人もすぐ出てくるし、地方だからできるスピードとパワーとネットワークというのは絶対あると思っています。
逆に東京じゃなかなかできないんじゃないかな。僕みたいなのがああだこうだやっていてもなかなか形にはならないんじゃないかなと思ってます。

ずーちゃん:地方の学生さんはどんな感じですか?ここではアートプロジェクトをやっていたりとか、いろんなものに出会えるきっかけがちりばめられているなと思ったんですけど。

岡本さん:やっぱり歌楽プロジェクトのみんなもそうなんだけど、函館は都会的なものに憧れると何もねえなと思っちゃうんですけど、まぁ地方ってそうだと思うんですけどね、でも一歩踏み出すその勇気さえ持つと、面白い人ってめっちゃいっぱいいるし、面白い場所もあるし。ここだけじゃないんです。
函館ってすごく面白い人がいろんな分野で活躍しているので。そういうのに何か1つ、自分自身が一歩踏み出すと、世界が広がるというか。面白いなと思ってもらえると、特に中高時代という短く刹那的な、多感な時期だからこそ、そういう思いを持ってもらえると、すごく楽しくなるんじゃないかなと思いますね。

鈴木アナ:先ほどから歌楽プロジェクトという話が出ていますが、簡単にご説明いただけますか?

岡本さん:うちのスタッフの相田日芽さん、「Gスクエアの歌姫・相田日芽」って定着するまで言っていこうかなと思ってるんですけど、彼女自身が合唱部をやっていて歌がすごく好きで、歌で笑顔をつないでいきたいという思いがあるので、彼女が主体となってプロジェクトを初めてやったんですけど。
最初に音楽プロデューサーの小山さんから音楽業界の話をしてもらって、その後小山さんが手がけている道南のアーティスト3人にライブしてもらって。最初、プロジェクトのメンバーはみんな、ライブに来たお客さんだったんですよ。ただそのイベントの最後に、「ライブはここで終了です、ただここからプロジェクトが始まります。次にステージに立つのはあなたです」と言って、みんな一歩踏み出してくれたんですよね。
中には実際に音楽をやってきたという人も、全くそんなこともなく人前で歌ったこともないけどやってみたいという人もいて。歌を楽しむというキーワードの中で、化学反応を起こしていきたいという思いがあったんですけど、いろんな化学反応が起きていて。今日もラスト、いい感じになるんじゃないかなと思っています。

鈴木アナ:今後岡本さんがやっていきたいことはありますか?

岡本さん:僕自身がやっていきたいことってそんなになくて、目の前の人が何かやりたいとか困っているとか、そういうものを一つ一つ形にしていきたいというのが優先的にあって。僕自身でいうとあるんはあるんだけど、ここは若者が主人公になる場所なので、そういう人たちと一緒に作っていきたいという思いはありますね。

ずーちゃん:若い子たち話がたくさん出ていたんですけど、さっき会場に来てくれている人とお話ししたときに、定年を迎えて体が不自由になったけど、ここにきて音楽のイベントに参加するのが毎日の楽しみのひとつなんだという方がいて。 若い人だけじゃなくて本当に幅広い人の居場所というか、心の拠り所になっているんだなと感じたんですけど。ここだけじゃなくて地域全体でやっていきたいという思いがあるんですか?

岡本さん:そうですね。特にこの2年間、コロナでいろんなことが制限される中で、ここだけで点でやっていることに限界を感じたんですよね。五稜郭もそうですし、函館、道南と言うエリアがひとつになってやっていかないと、僕もここで骨を埋めるつもりでいるので、楽しくないなと思ったんですよ。自分だけ勝手にあだこうだやっていても。
みんなでがっつりやっていった方が、人との関わりってめんどくさいしややこしいし疲れるけどやっぱり楽しいので、もっともっと点を線でつないで面にして面をもっと大きくしていきたいという思いはありますね。

鈴木アナ:話を聞けば聞くほど明るい展望が見えてきますね。ありがとうございました。


自ら動く 原動力は「楽しい」

鈴木アナ:ここからは、ゆりなさんとシンゴさんには曲作りに専念いただき、ずーちゃんと岡本さんとお送りしていきます。まずお便りをご紹介します。

はまゆうさん
こんにちは。帯広に住む30代の会社員です。
10代の頃、窮屈に感じてた学校生活。馴染めないと感じてた時に、自分を受け入れてくれた場所がライブハウスでした。
年齢もひと回り以上違う、見た目も怖い人たちばかりでしたが、音楽の話だけでなく悩み等も聴いてくれて寄り添ってくれました。音楽を通じて、あの場所や人たちが背中を押してくれました。
今年、十勝で音楽イベントを開催しました。年齢も肩書きも関係なく、人と人とが繋がれるきっかけに少しだけなれた気がします。
今後は自分が背中を押す側になれるように、イベントを通じて居場所を作り続けていきたいと思います。

鈴木アナ:自分から動くことについて、岡本さんはどう思われますか?

僕も学生時代、ライブハウスとか古着屋さんのお兄さんとか、そういうところを自分の居場所にして影響を受けてきた人間なので、すごくわかります。ライブを見ていてめちゃくちゃかっこいいなと思えば思うほど、自分は音楽で自己表現できないんですけど、何か思いを形にしたいとは思うタイプなので、すごくわかりますね。

ずーちゃん:岡本さんは自分で行動するタイプだとさっきゆりなも言っていたんですけど、一歩踏み出すことってすごく怖いことだなと思っていて、そういう子ってたくさんいると思うんですけど、どういう風に考えを切り替えたら「よし、飛び込んでみよう」と思えるのか、聞きたいなと。考えないで走っちゃう?

岡本さん:そうですね、僕はちょっと変わってるのかなと思うんですけど、気づいたら足を何歩か踏み出しちゃってるんですよね。

ずーちゃん:もし失敗しそうになったらどうしますか?

岡本さん:失敗ももちろん山ほどしてきたんですけど、もちろん反省はするけど、挑戦するって楽しいですよね。自分自身キャパを超えて頑張ってみようということが、成功しても失敗しても自分が後悔しなければいいと思っているので。楽しいなと思います。

ずーちゃん:たしかに、「楽しい」が最初に来たら周りの人も面白くなる。

岡本さん:原動力は楽しいということだと思う。だから楽しいと思って飛び出しちゃうんだろうな。

ずーちゃん:誰かのためにというよりも、自分が楽しいからやって結果みんな幸せになったらハッピーだな、みたいな。
イベントを主催していると書いてあったけど、ここでもイベントをたくさんやっていると思うんですけど、イベントも一つの場なのかなと思って。イベントを作るときに大切にしていることはありますか?

岡本さん:それこそ、このシエスタハコダテという商業施設も含めていろんなイベントを企画して、市民の方々に喜んでもらってというのを役割としてやってきたんですけど、コロナで、人がにぎわって、人の笑顔がいっぱいつながって、それが町の活性化になると思っていたんですけど、それがいったん全部根本から否定されたみたいなところがあって。
僕は最近、もちろんにぎわいが生まれるイベントは意味があるんですけど、それだけで終わりたくないなとすごく思っていて。そこから何か生まれたり、人のつながりが何か事をおこしたり、そういうことは意識していますね。

鈴木アナ:本当にコロナは一変させましたからね。でも考え方を変えてみると、一回リセットされて立ち止まって、もう一度新たなやり方が考えられると思って、乗り切りたいですね。

ずーちゃん:そうですね。小さなつながりが大事だったんだなと気づかされる。

鈴木アナ:あと離れていてもつながれると気づかされましたね。


人のためになることがしたい…やるべきことは?

鈴木アナ:つづいての投稿はみっちーさんです。

みっちーさん
私は欅坂46の「不協和音」が1番好きです。この曲を聴くと自分が自分のままでいいと思えるからです。
人から嫌われたくない、承認欲求の多い人が多いと感じます。しかし人は個々が違って人それぞれなので嫉妬や対立が発生する位ならその欲は人にとって損に思います。
以前所属サークルで一方的に噂や嫌がらせをされたので直接ストレートに不満をぶつけ縁をすっぱり切った時、全く後悔がなく行動力とアクションを起こせた事が素直に嬉しかった事があります。これから多くの理不尽や悪夢の様な出来事もあると思いますが現実を見て同調圧力や場の空気に流されない自分を貫く事や見極め力を持って時には自身を守る為戦う覚悟、尊重と思いやりを忘れずに真っ当に生きたいです。その為に自分にとって大事な人や物事が見極め成長できるよう自分の感性を養っていこうと思います。
まだ先ですが何か人の為になる事業に関わりたいと考えてます。コロナ禍で企業が厳しそうな印象ですが今からでもやった方がいい取り組みなど夢や想いとかではない感じの現実的な意見があれば聞きたいです。

鈴木アナ:岡本さんに直接聞きたいのですが。

岡本さん:これから社会に出るうえでいろいろ考えられていると思うんですけど。今コロナで大変な思いをしている人はいっぱいいるんですけど、この五稜郭地区は飲食店が多いエリアで、コロナで大変になってどんどん店も目に見えて閉まっちゃったりする中で、なにかできないかなという思いで、このあたり200店舗くらいのお店全部に声をかけて、みんなで町をでっかいオープンテラスにしましょう、3密を避けながら路面でイベントができればちょっとでも助かるんじゃないかな、というイベントを去年9月と今年7月にやったんですね。そのときにまえだゆりなちゃんもライブで参加してくれて、というのがあったんですけど。
本当に今コロナでいろんな業界が厳しい中なんですけど、さっきとちょっと言ってることは違うかもしれないけど、目の前の困っている人を、助けたいと言ったらおこがましいけど、なにかみんなで乗り越えられるようなことを一つ起こせば、それってすごくパワーになるというか。
五稜郭の取り組みは、コロナが明けた頃にはすごくみんなが一つになっていろんなことを大きくしていける機会になったので、ピンチはチャンスじゃないですけど、大変なときだからこそみんなが一つになることもできるんだなと僕は実感したので。
そういう考え方があれば、人生いろいろ辛いこともあると思うんですけど、そういうことも糧になると思うので。

ずーちゃん:たしかに、今から取り組めることですよね。夢や思いとかではない感じのと書いてあるんですけど、やっぱり岡本さんが言ってくれたように、思いってすごく大切で。どんなに大きな決定も、お金のことも、結局は決定権は人にあるから、思いでいろんなことが動いていったり、当たり前を壊せていったりすることってあるかなと思ったので。
いろんな人の思いを聴いていくことも、今できることのひとつかもしれないですね。

岡本さん:同調圧力って地方都市でやっているとすごく感じるところはあるんだけど、やっぱり最後は思いだと思います。思いがあれば変わっていく部分もあるし、自分自身も変われるし。なんやかんや、現実的かどうかよりは、思いって大事だなと思います。

鈴木アナ:そういう思いをぶつけられる場があるのも大事かもしれないですね。いろんな意見を聞いてそれいいねって言える仲間だったり。

ずーちゃん:そうですね、ここもその一つになっているかもしれないですね。


勇気を得られる居場所を作りたい

鈴木アナ:つづいては、高校生のアザレアさんからです。

アザレアさん
こんにちは。私は以前ずーちゃんの新しい拠点のリフォームのお手伝いに行かせていただいた高校生です。ずーちゃんにお会いしたとき、「NHKを使えばなんとでもなるよ」と言われてから、自分は何をしたいのかとずっと考えていました。そして考えた末、様々な悩みを抱えた人を集めて、解決しようと行動する勇気を得られる場所を作りたいと思いました。まだ机上の空論ですが、似たようなことを実現したいです。
私は小さい頃から音楽が好きで、よく聞いてました。そんな身近なものだからこそずっと気づかなかった音楽の凄さに最近圧倒されています。私はずっと一人でいることが好きで、「一人で寂しくないの?」と聞かれることもよくあります。
でも、一人でいるとき、私のそばにはいつも音楽があって、孤独に感じることはありませんでした。
今では、色んなジャンルの音楽ユニットがあって、音楽を通して色んな世界観を感じることができて、すごく素敵だなと思います。

ずーちゃん:アザレアさんこんにちは。「様々な悩みを抱えた人を集めて、解決しようと行動する勇気を得られる場所を作りたい」ということですが、どうしてそう思ったんですか?

アザレアさん:何か悩みを持っている人が、誰かに相談したいけど相談する勇気を得られない人が周りにけっこういる気がして。まだ相談するというステップに踏み込めない人がいることがすごくショックで、そういう人を一人でも救いたいなと思って。

ずーちゃん:アザレアさんにとってはそういう場所はありますか?

アザレアさん:そうですね、友達と話している時がそういう場所になるのかなと思います。

鈴木アナ:悩みを抱えた人の解決のために行動するってなかなか難しいと思うんですけど、岡本さんも場づくりをする中で、悩みを抱える人と接してきていかがですか?

岡本さん:僕も悩みを聞くことはあるんですけど、話を聞いてあげられる人がいることって大事だと思いますね。僕もあまり偉そうに、アドバイスとか解決方法を言える人間じゃないので。ただ寄り添って聞いて、共感して、という方がいる、そういう場所があるというのはすごく大事かなと思います。

ずーちゃん:私も場づくりをしていたんですけど、頑張ってと直接勇気を与えるんじゃなくて、悩んでいる人にとって、今の自分を認めてあげられる場所だと嬉しいなと思いました。今のありのままの、無理していない自分を認められる場所があると、この人たちが分かってくれているからちょっと頑張ってみようかなって思えるのかなと思いました。

鈴木アナ:机上の空論ですが、とありますが、まず思うことが大事かなと思いますね。

ずーちゃん:このGスクエアも、広い施設なんですけど、いろんな人がいろんな時間を過ごしていて、それがすごく素敵だなと思いました。

岡本さん:さっき若者がと言いましたけど、平日の午前中とかは近所のおじいちゃんおばあちゃんたちが来てくれて。

鈴木アナ:さっきおじいちゃんに連れられた子どももいましたし、大学生以上が集うスペースもありますしね。
アザレアさん、「音楽のすごさに最近圧倒されています」ということですが、なにか出来事があったんですか?

アザレアさん:音楽を聴き始めたときから音楽のすごさには惹きつけられていたんですけど、どんどんいろんなバンドなどを知っていったときに、誰かに刺激されながら、自分の世界を確立しているというのが面白くて。自分も、自分の世界観を、音楽を通して誰かに伝えてみたいな、とかいろんな思いがこみ上げてきて。すごいなと。

ずーちゃん:たしかに、音楽は求めたときに自分でいつでももらえるものだから。私もサンボマスターさんの「ロックンロール イズ ノットデッド」っていう曲で「誰にも言えない孤独だとか 君の不安を終わらせに来た」という歌詞があるんですけど、すごいかっこいいなと思って、音楽を表現しているなって思います。

鈴木アナ:岡本さん、ここでも音楽のイベントをやっていらっしゃいますけど、音楽をここでやろうとした思いってありますか?

岡本さん:やっぱり、音楽っていいっすよね。自己表現の一つの方法としてもそうだし、自分の思いを人に伝えるということもそうだし、聴いているほうもいろんな感じ方でつながることができて。音楽を介してできることってこれからいろいろあるんじゃないかなって思います。

鈴木アナ:アザレアさん、お便りありがとうございました。


岡本啓吾さんについてはこちらの記事も
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