NHK札幌放送局

北海道発地域ドラマ 春の翼 出演者会見レポート(中山来未&宮本信子)

デジタル戦略チーム

2022年5月17日(火)午前10時00分 更新

5月11日 (水) NHK 札幌放送局で、 5月20日(金)午後7時30分~放送予定の「北海道発地域ドラマ 春の翼」(総合・北海道ブロック)の記者向け完成試写会と、出演者会見が開かれ、主演を務めた中山来未(吉川翼役)さんと、宮本信子(三浦ハル役)さんの2人が登壇しました。

中山さんは、家族や友達との関係に悩み、札幌から天売島の高校に転入。昼間はデイサービス、夜は学校と、島でも様々な人間関係に巻き込まれとまどいながら成長していく高校生を演じました。宮本さん演じたハルは、天売島に60年間住むおばあちゃん。漁師だった夫に先立たれ一人暮らしで、通っているデイサービスで翼と出会い、親近感をおぼえていく役どころです。

中山来未(吉川翼役)

宮本信子(三浦ハル役)


試写会後、中山さんと宮本さんが記者会見しました。

Qドラマへの思い、完成したドラマを見ての感想を教えてください。

【中山さん】
オーディションで選んでもらい、 翼を演じることになりました 。
この物語を天売島で撮影すると聞いて、どんな島なのかを調べたり聞いたりしていました。緑が多くて自然豊かなところと聞いて楽しみにしていました 。実際に行ってからは事前に聞いていた情報だけではお芝居に反映しづらいので、自分でも、宿泊していた宿のおかみさんとか島の人にも話を聞ききました。島での撮影のあとに宮本さんと撮影することになっていたので、天売島で 60 年暮らしていたハルさんを理解するための参考にならないかなぁと思いまして。脚本に書いてあることだけでは作り切れない部分が、島に行って、体験したり、質問することで、自分の中で大事な要素となりました。今回のドラマの撮影は、島の方に協力してもらったんです。役者が演じるのとはまた違う空気感がありました。作品を通して島の空気が伝わるといいなと思っています。翼は札幌で家族・友達について悩んで離島留学という形で天売島へ行きましたが、天売島で葛藤する気持ちや、ハルさんと出会って心境が変わり一歩踏み出そうとする部分が伝わるといいなと思っています。

【宮本さん】
北海道での制作の地域ドラマ7年ぶりということで、喜びを感じました。プロデューサー・スタッフ、いろんな部署から集まって一つのドラマを作るのは素晴らしい。離島留学してきた高校生が3年で成長して巣立って飛び立つ、そんな小さな喜びをこのドラマで感じました。


Q引っ込み思案の翼について、ご自身でも実感もてましたか?

【中山さん】
脚本を読んだ時に、根暗な子だと思いましたが、マイナスイメージではなくて、どちらかというと、今の時代、そういう子の方が多いんじゃないかと捉えました。無理に暗く演じようとか、無理に分かりやすく演じようという気持ちはありませんでした。どちらかというと、翼の背景を監督と一緒に考えて作っていった部分がありました。家庭環境に悩んで家庭に居場所がなくなって、友達とも接することができず、気付いたらひとりよがりになり、自分の殻にこもっているというストーリーですので、どのシーンもいろんな人が同じ悩みを抱えているのではないかと想像しながら演じていました。


Qハルさんには、ハイカラなバックボーンがあるのではと匂わせるところがありました。実際こういう背景があったのかな?と想像しながら演じられたのでしょうか?

【宮本さん】
親御さんと離れて天売に来て60年、きっといろんなことがあったと思ったんですよね。それがあって島に溶け込んた。島から出るってことは死を意味するから、島から出ることの重みを、私が演じることによって、ハルに魂を入れ込めるかというのを考えていました。

「ダーウィンが来た!(天売島の回)」を3回見たんですよ。ウトウがかわいくて。なんとまあめんこい!とか、太鼓のリズムとか、自分が島に関わっていく喜びがちらっと出たりしましたね。


Q初主演の意気込みは?宮本さんとの共演はいかがでしたか?

【中山さん】
オーディションの一番最初の課題は、「北海道愛をお話しする」というものでした。上京して7年くらい経ちましたが、上京する前は北海道で活動していました。その時にお世話になった方、家族・友人に恩返しできるかな、と。合格して北海道で作品に参加して、お世話になった人に見てもらって、頑張ってるなと思ってもらいたいと思ってオーディションに参加しました。合格してからは、翼という役に向き合って、どれくらい視聴者の皆さんに翼の人生を届けられるかを目標に頑張ってました。

宮本さんと共演させてもらった感想ですが、まず、ご一緒する前に作品見させてもらいました。やっぱりすごい女優さんだと思いました。お会いしてからはすごい自然体の方だなと 。ハルさんでいるときと、宮本さんでいるときも、どちらも包み込んでくれる感じで、体調大丈夫?寝れてる?といつも気にかけてくださいました。朝ごはん食べた?っておにぎりをくれたこともありました。一緒にお芝居をさせていただいて、目の使い方とか、セリフの強弱など学ばせてもらいました。これからもっと役者として大きくなりたいと思っています。


Qドラマ出演のきっかけを教えてください。ハルさんのどこの部分に惹かれましたか?

【宮本さん】
このオファーを受けたとき、素敵なお話だと思いました。小樽は私がうまれたところで、初孫でしたので、すごくかわいがってもらって育ちました。残念ながら帰るところは今は小樽にはないのですが、心の片隅で小樽は大事なふるさと、というのがいつもあります。
この役は幅が大きいと思いました。60年も島にいる人ですから、老人の役ってそうだけど、時代とかいろいろ背負って生きてきています。それを背負いながら、どこの部分を大事にして芝居するか考えていました。深く深く芝居したいと考えました。


制作統括/堀口航平チーフ・プロデューサー
札幌局で地域ドラマ作ったのは7年ぶりです。かなり力を入れて作りました。東京・大阪では作れないドラマをというものを作りたかったんです。地元の人しか知らない、小さな物語を、広めたいという想いがありました。
なぜ天売を舞台にしたかというと、番組「ダーウィンが来た!」の取材で天売島へ通ったディレクターがいて、天売には海鳥以外にもおもしろい高校生がいる、と話してきたんです。それが、天売高校を知ったのがきっかけです。高校生は全国から集まってきて 、働きながら学ぶ、め ずらしい高校です。高校生は早朝から働いて14時15時に帰ってきて、夜は16時から21時半まで学校。全日制の高校よりハードだけど、その分ドラマもある。高校生も自分を見つめ直し、一回りも二回りも大きくなるんですよね。島の人に話を聞いたら、島のみなさんにもメリットある。高校が島の灯で、過疎が進む中、3年間だけど10代の若い力がいるだけでパワーをもらう。毎年、1期性、2期生と高校生が来るので、4月になるのをみなさん心待ちにしている。こういう話を多くの人に知ってもらいたくてドラマを作りました。ドラマのロケは、中山さんには民宿で学校生活を送ってもらいながら10日くらい天売島で撮影しました。宮本さんのシーンは札幌・江別で撮影しました。宮本さんには分厚い資料をお送りし読み込んでいただき、島のおばあちゃんを演じてもらいました。
ドラマは65分間で、ラストに7分間のドキュメンタリーを放送します。実際の海鳥や島の様子などを入れていますし、4月に取材に行きまして、実際の新入生の様子も含めて撮影してきました。ぜひドラマとともにお楽しみいただきたいです。

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