NHK札幌放送局

オホーツクで今コロナに感染したら?道北との連携も?

道北オホーツクSP

2021年9月16日(木)午後1時00分 更新

緊急事態宣言が延長され、未だに終息しない新型コロナウイルス。 「首都圏を中心に医療体制がひっ迫し自宅で亡くなる患者が出ている」 「札幌市で重症化を防ぐカクテル療法が始まった」 さまざまなニュースが駆け巡る中、今、オホーツク海側で感染したら入院できるのか、どのような治療が受けられるのか。 オホーツク海側で高度な治療が必要な患者を受け入れている地域医療のとりで、北見赤十字病院を訪ね、ことし9月の最新状況を取材しました。 取材を進めると、道北との連携も見えてきました。 <北見放送局 徳田亮祐 記者> 

【①入院できるの?】

オホーツク医療圏の地方センター病院、北見赤十字病院。
ことし9月9日までに感染者178人の入院を受け入れてきました。

人口11万あまりの北見市では、ことし9月4日までの1週間にヨガ教室でクラスター=集団感染が発生するなどして、あわせて30人の感染が確認され、感染拡大が続いています。

医療体制がひっ迫し、入院を拒否されることはあるのか。
治療を指揮してきた荒川穣二院長に疑問をぶつけました。

荒川院長
「北見赤十字病院では感染者が入る北見市内の宿泊療養施設に看護師を派遣するなどして健康観察を支援し、入院が必要な患者についてはなんとか受け入れられている」

【②どんな治療を受けられるの?】

今回、病院に協力してもらい、新型コロナウイルス患者の専用病室を特別に見せてもらいました。

病室の入り口部分には前室がありました。病室に入っていく医師たちが使用する医療用ガウンやマスクが山積みになっています。その隣にはウイルスを外に出さないための陰圧装置のスイッチがありました。

病室に入ると、トイレとシャワー室が併設されていました。

さらにベッドの横には酸素の配管があります。この配管に「ネーザルハイフロー」と呼ばれる装置を接続し、患者の鼻から高濃度の酸素を送り込み、重症化を防ぐそうです。

さらに病室では、去年5月に特例承認された抗ウイルス薬「レムデシビル」やステロイド剤が投与されるということです。

それでも重症化してしまった場合には、ICU=集中治療室に移り、人工呼吸器や人工心肺装置=ECMOを使った治療が行われるということです。

一方、軽症患者などの治療に使われ、重症化を防ぐ効果が期待されている「抗体カクテル療法」は、9月13日の段階で網走市では始まっているものの、北見市内では行われていないそうです。

【③もし病床がいっぱいになったら?道北との連携も】

万が一、病床がいっぱいになるなどして、患者を受け入れられない場合にはどうなるのか。荒川院長によると、実はこれまでに4人を旭川市の病院に搬送したことがあるそうです。去年2月、北見市では住宅機器関連の展示会で道内初のクラスターが発生し、11人の感染が確認されました。

北見赤十字病院も患者を受け入れましたが、当時、ICUには陰圧装置が整備されていなかったため、症状の重い2人を旭川市の病院に搬送することになったそうです。

その後、北見赤十字病院のICUに陰圧装置を取り付ける工事をしていた去年10月に1人、ICUの病床が埋まってしまったことし5月にも1人を搬送しました。

旭川市の病院に搬送した患者は全体の2%程度で、一義的にはオホーツク海側の患者に対しては地域の中で懸命な治療が行われています。しかし、荒川院長は新型コロナウイルスの流行が終息しないなか、地域を越えた連携の重要性を強調します。

荒川院長
「旭川市の病院が患者でいっぱいで受け入れられないという時には、もちろん我々も協力していただいた訳ですから協力するのは当然のことです。連携というのは今後も大切になってくる」

荒川院長によると、これまでもオホーツクと道北では、周産期医療の分野などで患者の受け入れで協力してきたほか、災害医療の研修会を開いて交流してきたそうです。

こうした下地があったからこそ、今回のような緊急事態でも連携がうまくいったといいます。

【取材を終えて】

「苦しくても病院に行けば、なんとか治してもらえる」
私たちが当たり前だと思っていたことが、新型コロナウイルスの流行で当たり前ではなくなりました。

こうしたなかで、今、オホーツク海側で感染したらどうなってしまうのか。
不安を抱えながら取材は始まりましたが、北見赤十字病院では患者に安心して治療を受けてもらおうと万全の態勢を確立していることがわかりました。

「やっぱりお医者さんや看護師さんはすごいなあ」と感心してしまいましたが、その裏にはさまざまな苦労と努力がありました。

北見赤十字病院のナースステーションを取材した際、看護師の人たちが仕事の合間に見やすいよう、中央部にファイルが置かれているのに気づきました。

新型コロナウイルス患者の対応マニュアルです。
万能のように見えてしまう医師や看護師も、去年2月に初めて患者を受け入れた時にはマスクの付け外し方法や医療用ガウンの扱い方もわからず、苦労したといいます。そのためほかの病院の感染症専門医に話を聞いて、ゼロからマニュアルを作り上げたそうです。1年半の間にファイルはおよそ100ページの厚さにまでなりました。

看護師長は「医師・看護師にとっても未知のウイルスだったので、患者を受け入れ始めたときは本当に大変でした。その後も看護師たちは厳しい状況のなか、なんとか持ちこたえてくれている。誇りに思います」と話していました。

私自身、1年半におよぶコロナ禍の生活に嫌気が差すときもあります。
そんな時は、北見赤十字病院の医師や看護師の方々が懸命に治療にあたる姿やことばを思い起こしながら日々の感染対策に努めていこうと、月並みながら気持ちを新たにしました。

北見放送局 記者 徳田亮祐
2010年に入局後、帯広放送局と青森放送局三沢報道室で勤務。
その後、報道局国際部とソウル支局駐在を経て、2021年7月から現所属。

関連情報

“教えて!ワクチン接種”

道北オホーツクSP

2021年5月20日(木)午後7時30分 更新

19日日曜日は 道北・オホーツク♡LOVEラジオ

道北オホーツクSP

2021年9月27日(月)午前11時30分 更新

道北・オホーツク  スペシャル

道北オホーツクSP

2021年9月9日(木)午後0時30分 更新

上に戻る