北海道の沖合に浮かぶある島では、ひとりの高校3年生が海の中で自分の夢を追っていました。
――「奥尻島は、一緒に過ごしてきた“仲間”みたいな感じです」
そう語るのは、幼い頃から島の自然と一緒に育ってきた奥尻高校3年生の新谷 巧(しんや・こう)さん。卒業後は、ダイビングインストラクターになるために島の外の世界に初めて挑みます。
これは、高校最後の夏、奥尻の海に抱かれ夢を追った1週間の物語。
奥尻ブルーと高校生の夏
【本放送】9月19日(日)13:35~13:50<総合・北海道ブロック>
【再放送】9月23日(木)23:00~23:15<総合・北海道ブロック>

2021年7月、取材班は奥尻高校のスクーバダイビング(※)授業の取材で奥尻島を訪ねました。なんと、北海道では唯一の授業なんだそうです。
生徒たちが潜る海は、その透明度の高さから「奥尻ブルー」の愛称で親しまれています。そんな海に潜れるなんて羨ましいです!
※奥尻高校では「スクーバダイビング」の呼び名で統一しています。

人一倍熱心に授業に取り組む生徒がいると先生から紹介して頂いたのが、島育ちの高校3年生・新谷さんでした。幼いころから故郷の海が大好きな新谷さん。島の魅力を伝えるダイビングインストラクターになるため、卒業後は沖縄に渡りインストラクターの資格を取る予定です。
その夢の第一歩となるのがスクーバダイビング授業。昨年度はコロナ禍のため授業を開催できなかっただけに、2年ぶりに潜る海への期待も高まります。

オリンピック開幕に向けて世間の賑わいが高まっていた7月、奥尻島では普段と変わらない“島時間”が流れていました。
光が差し込む奥尻ブルーの幻想的な水中映像と、夢に向かって奮闘する高校生の青春を通して、離島の高校最後の夏を描きます。
<制作担当:三田 裕明 コメント>
友人が奥尻高校で教員をしていて、おもしろい授業があると教えてもらったのが取材のきっかけです。北海道で唯一のスクーバダイビング授業、そしてダイビングインストラクターになりたくて人一倍頑張っている高校生がいると聞いて、離島の青春に興味が湧きました。
島を訪れた第一印象は、海と森の距離がとても近くて、自然が身近にある島なんだということ。この青い海を挟むと、なんだか世間の喧騒が他人事のように思える気がして、島の高校生たちはどんな生活を送っているのだろうと気になりました。
新谷さんは笑顔がすてきで雰囲気が柔らかく、島の良さを全て吸収して育ったような子だなと感じました。
誰もが通る進路の選択。離島で育った高校生がどういう道を選択していくのか。離島を離れる決意、迷いながらも踏み出す歩み……そういう青春を描きたいと思ってこの番組をつくりました。

■奥尻高校でスクーバダイビング授業を担当する中村徹也さんの記事はこちら