NHK札幌放送局

鉄と蒸気と職人と 0755DDチャンネル

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2021年6月4日(金)午後3時10分 更新

「SL冬の湿原号」の運行は、釧路の冬の風物詩。毎年、多くのお客さんが集まり、人気があります。大量の蒸気を上げながら雄大な釧路湿原を駆け抜ける姿は圧巻です。SLが今も変わらず運行できているのにはあるヒトたちの存在がありました。

初回放送 2021年5月29日

SLって見たことありますか??

「SL冬の湿原号」をけん引しているのはC11形蒸気機関車 製造番号171です。1940年に製造され、戦前から戦後にかけて、およそ30年の間、中京地域や北海道内で活躍しました。
その後、標津線での運行を最後に役目を終え、標茶町内の公園に保存されていましたが、1999年に復元修理されて再び走れるようになったのです!

現在は、唯一道内で運行しているSLとして毎年1月から2月までの土日・祝日を中心に、JR釧網線の釧路駅と標茶駅の間を1日1往復しています。


SLの取り扱いは難しい!!

突然ですが、SLが走るための原動力って何だか知っていますか? 鉄道は電気やディーゼルエンジンが一般的ですが・・・
答えは呼び名にあります。「蒸気機関車」の名の通り、蒸気を使って走っているのです!

SLには大量の水が積載されていて、その水を温めて発生した蒸気の力で動輪を動かし、走ることができるのです。

SLのメンテナンスって何をするの??

こちらは火室と呼ばれる場所です。石炭などを燃やして水を温める役割があります。
今年は運行開始の11日前に火をつけました。その瞬間から、運行が終わる2月末までの約1ヶ月の間、1日24時間、火を消すことはありませんでした。
運行ごとに火をつけたり消したりすると、温度の変化で、鉄でできた機関車の車体が膨張と収縮を繰り返し、寿命が短くなってしまうんです。
火を絶やさないように、担当者が交代しながら火室に石炭を入れ続けているのです。
私たちが知らないところで大変な作業が行われていました。

他にもSLを運行させるために様々な作業が必要になります。
その1つが注油作業です。“潤滑油”を、車体の駆動部分に設置されている油のタンク、“油つぼ”に注入していきます。その数、60ヶ所。
この潤滑油は、SLにとって非常に重要な役割を果たします。SLの駆動部分の摩擦を和らげ、部品が傷むのを防ぎます。
SLが運行できるのには、毎日の潤滑油の補給が欠かせないのです。

2つ目の作業は打音検査です。
車体に取り付けられているシャフトやボルトにひびが入っていないか、緩んでいないか、目と耳で確かめていきます。
ここで活躍するのが、小さなハンマー。コツコツと部品を軽くたたいて、その音で異常がないか判断していきます。撮影スタッフも、打音検査の間、声を出すのはもちろん禁止です。

「SLをこれからも長く運行させていきたい」

整備士たちは、この思いを毎日の地道な作業で実現させてきたのです。


コロナ禍での運行 そしてミライへ

2021年の「冬の湿原号」は、新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中での運行となりました。換気対策やアルコール消毒など、感染対策を徹底することで無事に運行することができました。
例年よりも乗客数は少なかったものの、地元を中心に多くの人がSLを見ようと釧路に足を運び、迫力ある姿を楽しんでいました。 

JR北海道は、今年2月、C11形蒸気機関車 の大規模検査と客車のリニューアルを発表しました。
道東の鉄道網のシンボル的存在として運行してきた「SL冬の湿原号」は、これからも冬の釧路を盛り上げる存在として期待されます。

「鉄と蒸気と職人と」 次の世代にもSLの魅力を体験してもらうために「SL冬の湿原号」は走り続けます。

2021年6月4日

「もっとSLの奥深い世界を知りたい!」という方に
NHK釧路「SL冬の湿原号」特設ページ をどうぞ

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