安平町追分の精肉店の手作りで、半世紀以上にわたり愛されてきた「追分ジンギスカン」の販売がまもなく終わりを迎える。店主の榊 幸子さん(85)が高齢のため、店をたたむ決意をしたからだ。その味を求めてやってくるお客さんと榊さんの最後の夏をみつめます。(札幌放送局 廣田匡志)
2022年8月27日(土)午前7時55分〜放送します
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役場の人が教えてくれた
私が安平町にある「さかき精肉店」の存在を知ったのは、5月に安平町役場主催イベントに同行したときのことだった。そのイベントは移住候補者にまちの魅力を伝えるため、町内の歴史やエピソードを紹介しながら案内するという内容だった。案内役を務めた役場職員の内藤さんから、
「85歳のおばあちゃんがつくる美味しいジンギスカンがあるから、ぜひ行ってみてください」と勧めていただいたのがきっかけだった。
朗らかな人柄に魅了されて
一体どんなお肉が食べられるのか早速お店に行ってみた。笑顔で出迎えてくれたのは、榊 幸子さん。このお店の存在を知ったいきさつを伝えると・・
「美味しいから食べてみてよ~。数年前にテレビで取り上げられた。最近は人に勧められてくるお客さんが多くなったんだよ~。そして、一度食べたらまた来てくれる(笑)」と朗らかに仰っていた。
53年間の感謝を込めて
その後、何度か榊さんのもとを訪ねていると、安平町追分に来てから53年間営業してきたことや後継者は作らず残り1,400袋でお店を閉めようと思っていることを告げられた。取材をして気づいたことだが、このお店には、榊さんのつくるジンギスカンを買い求めて、安平町以外から通うお客さんも多い。そうしたお客さんに迷惑をかけないように来店された方には順次伝えるようにしているとのことだった。
「もしかしたら8月で売りきれてしまうかもしれない。この味を知ったのが遅かったね(笑)」と榊さんは明るく笑う。そして、「札幌まで気をつけて帰ってね!」といつも優しく声をかけてくれた。
こだわりの袋とともに

ジンギスカンの袋は、27年前に他界した旦那の寿博さんがデザイン。○寿のマークは寿博さんに由来している。7月末時点で残りは約700袋。これが無くなったとき幸子さんは・・。最後の一袋が手渡せるときまで、美味しいジンギスカンを食べてもらいたいという榊さんの日々をみつめている。
8月27日(土)の0755DDチャンネルで放送予定です。ぜひご覧ください。

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