NHK札幌放送局

サケカメラ2020-2021 web

0755DDチャンネル

2021年2月17日(水)午後8時30分 更新

人口200万の札幌市を流れる豊平川に今シーズンもサケたちが帰ってきました。河原に自動カメラを取り付け、111日間の長期取材の映像から、2020-2021シーズンの豊平川のサケを振り返ります。
次回放送2021年2月21日(日)午後5時55分〜 0755サケ・スペシャルで
初回放送:2021年1月23日
※web版動画掲載しました(1月27日)

自動カメラが狙ったのは…

取材チームが自動カメラのレンズを向けたのは豊平川のJR鉄橋近くの分流です。この分流は、豊平川の野生のサケを増やそうという活動「札幌ワイルドサーモンプロジェクト」(=SWSP)がきかっけになって、産卵環境の回復工事が行われ、今の形になりました。

土砂でつまっていた水路の入り口を掘削して水流を復活させ、細かい砂を流して、川底に砂利が見える、サケが産卵しやすい環境を再生させるのが狙いです。
自動カメラは、その水路のなかでも、サケが産卵床を作る可能性が高い、川底に湧水が流れ出している区間にレンズを向けて、9月25日から撮影をはじめました。

増水のあとにサケが

映像に最初にサケが映し出されたのは10月24日でした。今シーズンの水路は、夏から秋にかけて水の少ない状態が続き、サケにとっては十分な水の深さがない状況。気を揉んでいたところ、雨とともに水位が上がって下がりはじめたところで、サケが見えはじめました。川の水に変化が起こるとサケたちは移動を始めます。

増水のあと現れたサケ

11月に入ると、増水の直後に10匹前後のサケがこの水路に入り、産卵のための準備を始めました。メスは尾びれを使って川底の砂利を跳ね上げ、卵を産みつけるためのくぼみをつくり、オスはそのメスと産卵をともにするために、付近にいる別のオスと激しく争います。

産卵床を掘るメス

水路の再生が実り、今シーズンもこの区間は、サケたちの産卵場所になり、通りがかった多くの人たちが川をのぞき混んでその姿を探していました。

サケを調べる

豊平川のサケたちを長年にわたって調べている札幌市の機関が、豊平川さけ科学館です。さけ科学館は、今シーズンの産卵床の調査を、9月29日からはじめました。およそ10キロの区間を歩いて、サケの産卵症を見つけ出し、ひとつひとつGPSで座標を記録していきます。調査は、サケが産卵を終える1月まで、定期的に続きます。

調査では、産卵を終えたホッチャレも回収します。ホッチャレは、さまざまな情報をもたらしてくれます。体を計測、年齢を割り出すためにウロコを採取、さらに、放流された魚かどうか見分けるための標識の有無を確認します。

こうした調査の結果、豊平川に帰ってくるサケのうち、7割が豊平川生まれのサケ=野生魚であることがわかっています。

サケに配慮した治水工事で

今シーズン、産卵場所として復活した浅瀬があります。サケが盛んに産卵する区間のひとつ、東橋と平和大橋の間で、2020年の夏、治水工事の一環として掘削され、できました。この工事が始まる前、2019年の映像といまの映像を重ねあわせると、その浅瀬は、陸地になっていたことがわかります。

2019年と2020年の映像を重ねると…

この場所は、もともと砂利だった中州に土砂が堆積し、やがてヤナギが繁って陸地となってしまいました。こうした場所は、水かさが増えた時に川の流れを妨げてしまうため、豊平川を管理する札幌河川事務所が、2019年から2020年にかけて、ヤナギを刈り取り、土砂を取り除く治水工事を行いました。

工事にあたっては札幌ワイルドサーモンプロジェクトと連携、サケに配慮して、砂州の流路側の一部が、浅瀬になるように掘削しました。

札幌河川事務所副所長 髙嶋さん
「今回の治水工事については、掘削する高さを2つ設定しています。ひとつは6月ごろに砂州の上を水が流れてヤナギの種を洗い流す高さに。もうひとつは、サケに配慮して、卵をうむ秋に浅瀬になるように掘削しました」

その結果、豊平川サケ科学館の調査で、この浅瀬の広い範囲に、95個もの産卵床ができました。

豊平川さけ科学館学芸員 有賀さん
「たくさんサケが卵を産んでいました。都市を流れる豊平川の場合、限られた川幅を流れるようになっているので、砂利が動かずに中州が樹林化してしまいます。それが人の力で解消された形です」

雪と氷と静けさと

2021年の年始にかけて、北海道は強烈な寒波に見舞われました。自動カメラの映像も、年末から年始にかけて、水面が凍りつき、白い川面が広がっていく様子を記録していました。

今シーズンの生きているサケの映像は、12月13日が最後になりました。彼らが川底の砂利の下に託した卵は、冬の間に仔魚になり、3月には、おなかの栄養分を使いきって、泳げるようになった稚魚が、水中に姿を表します。それまでのしばらくの間、雪と氷と静けさが続きます。

2021年1月23日


豊平川のサケ 111日の記録 予告 はこちら


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