NHK札幌放送局

縄文体験 「狩り」をしてみた

番組スタッフ

2021年8月18日(水)午後2時44分 更新

縄文時代の謎を実験考古学を通して探るシリーズ“縄文の扉”。今回は、お笑いタレントの小島よしおさんが、4月上旬の雪が降った一戸町の御所野遺跡で縄文時代の狩りに挑戦しました!

縄文時代の弓矢の特徴は

小島「雪が降ったけど、そんなの関係ねぇ!はい、おっぱっぴ~!どうも、小島よしおです。」

さっそく土偶からの指令が。
“縄文時代の弓矢の特徴を調べてください”

監修してくれるのは磯部保衛(いそべ・やすえ)さん。新潟を拠点に縄文時代の道具を再現し、使い方などを研究している実験考古学の専門家です。今回使用する弓(矢)も磯部さんが作ったものです。

縄文時代の「弓」は堅くて耐久性のある「イヌガヤ」の木に、カラムシという植物で作った糸を張ったもの。この時代の弓には特徴があり、縦に溝が彫られています。縄文時代の遺跡で出土した弓の一部を見ても溝が彫られていることがわかります。

磯部さんは出土品にあった溝を再現して実験したところ、矢の飛び方が変わったといいます。

磯部さん
「弓を引っ張って飛ばすときに、戻りますよね。そのとき、この溝があることによってフラフラしないでスムーズに戻るんですよ。

矢の材料はササの仲間のヤダケという植物。先端には石を削った矢じりが取り付けられています。御所野遺跡で出土した矢じりは約1,500点。そのうち600点近くが珪化木(けいかぼく)という木の化石でできていて、この地域では主要な材料として使われていたと考えられています。

狩りはできるのか!?

では、この弓矢を使って縄文時代のように狩りはできるのか実験します。
今回は御所野遺跡の協力を得て、シカの的を設置しました。風船がある場所が急所で、距離は10メートルです。
まずは磯部さんのお手本です。弓の重心あたりを持って、(矢の)後ろの方を糸に引っかけます。狙って。。。磯部さん、一本目で見事、シカのお尻に命中!

小島さんも挑戦!
磯部「引っ張って、狙って、放す」
小島「いきますよ!いけ! あ~っ、全然ちがう」

的の手前で失速、届きませんでした。
2本目、3本目ともに左に大きく的を外れてしまいました。

小島「矢がブレてた気がするんですけど」
磯部「羽根が付いてないので、安定しないんです」

矢といえば普通は、「矢羽根」が付いています。実はこの矢羽根、縄文人が発明したものだと言われています。およそ4,000年前の遺跡から、矢羽根を巻いた跡とみられる矢が発掘されているんです。

小島「この羽根もやっぱり、ある方がいいんですよね?」
磯部「羽根あると(矢が)真っすぐに飛びます」

今度は、矢羽根がついた矢で実験すると・・・
矢を3本放ち、2本が的に命中!矢羽根があることで矢の軌道が安定しました。

小島「急所こそいかなかったものの、確かに、羽根が付いている方が圧倒的にやっぱり方向が定まりますね」
磯部「安定して真っすぐ飛ぶようになるんですよ、羽根をつけることによって」

弓矢の手ごたえを感じたところで、土偶からの指令が。
“縄文時代の狩りがどういうものだったのか体験してください”

弓矢で本当に狩りは出来たのでしょうか。猟友会の人たちに協力してもらい、可能性を探ってみましたが…

シカは300メートルくらい離れていても、すぐ足音に気付き、逃げられてしまうため、矢で捕まえるのはなかなか難しいのではとのこと。縄文時代の狩りでは、「わな」を組み合わせていたと考えられています。

「くくりわな」を再現

こちらの写真は御所野遺跡で見つかった落とし穴です。縦長の黒いものがたくさん見えます。この穴に動物を追い込んで、足を引っかけて動かなくなったところを弓矢で仕留めていたのです。
今回は縄文時代の「わな」のひとつ、「くくりわな」を再現して体験します。

しばらく山の中を歩くと、動物の通り道らしき場所を見つけました。
菊池「この場所は特にいい感じですね。わなを仕掛けるような丈夫な木があり、まわりに雑木があってカモフラージュできそう」。早速「くくりわな」を仕掛けると、10分ほどで完成しました。

縄が絞られていくとのことですが、ちょっと想像がつきづらい…
そこで!
小島「どうも、子鹿よしおです。」
どうやって「わな」にかかるのか、小島さんがシカになりきって体験してみることに。縄にひっかかると、縄が体を締めつけ、動けなくなるそうです。

小島「あれっ、体が締め付けられるぞ、あっ、前に進めない。どうなってるんだ、これは。見事にこれ締め付けもすごいあるし」
菊池「動けば動くほど、きつくなってきますね」
小島「あ~本当だ」
菊池「そういった獲物を隠れて待ち構えてて弓矢でとどめを刺すと」
小島「なるほど、そうしたら10mぐらいの距離から狙えるし、こうしてシカを捕っていたんじゃないかと」

小島「身をもって経験しました、ありがとうございます」
菊池「はい、お疲れ様でした」

縄文の狩りにも工夫が随所に!

今回も、縄文の人たちの知恵と工夫を随所に見ることができました。緑生い茂る時期だと、くくりわなは見えにくくなり、動物たちの足や角・首がひっかかりやすくなります。動けなくなったところに近づき、矢で射止めていたと考えられます。「落とし穴」「矢羽根」「くくりわな」・・・それらの一つ一つから、食べ物を得るための執念を感じました。

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