「銀の滴降る降るまわりに 金の滴降る降るまわりに」という美しいフレーズで始まる「アイヌ神謡集」。才能を惜しまれながらわずか19歳で世を去った知里幸恵さんが、アイヌ民族の間で謡い継がれてきた「カムイユカㇻ(神謡)」の中から13編を選び平易な日本語訳を付して編んだものです。 番組では、アイヌ文化研究者である中川裕さんを指南役に招き、「アイヌ神謡集」に新たな光を当てながら解説。知里幸恵没後100年の節目に、知られざる豊かなアイヌの世界観を明らかにしていきます。
知里幸恵“アイヌ神謡集” 第四回は9月26日(月)午後10:25 ~[Eテレ]
誰もが一度は読みたいと思いながら、なかなか手に取ることができない古今東西の「名著」を25分×4回で読み解く番組「100分de名著」
9月は、知里幸恵「アイヌ神謡集」がテーマです。

第一回では、「アイヌの世界観」をテーマに「沼貝」「キツネ」などの神謡を読み解くことで、あらゆる存在と共生するアイヌの豊かな世界観を明らかに。
第二回では、耳で聴く「アイヌ神謡集」の魅力を浮き彫りにし、口承文芸の豊かな可能性を明らかにし、
第三回では、最も有名な「銀の滴」の深層を読み解きました。
指南役:中川裕(千葉大学名誉教授)…言語学者。著書に「アイヌの物語世界」「アイヌ文化で読み解く『ゴールデンカムイ』 」など。
朗読::木原仁美(知里幸恵 銀のしずく記念館館長)
語り:宇梶 剛士(俳優)
第四回 知里幸恵の想い
幼い頃さまざまな差別に直面しながらも自らのアイデンティティに誇りを持ち続けた知里幸恵。
15歳のときに出会った言語学者の金田一京助が彼女を新しい世界に導きました。
金田一京助との交流によって知里幸恵はアイヌと和人たちとの間の懸け橋になったという美しい物語が一方にあります。
しかし金田一はアイヌに対しては同化推進者。
「序」を深く読み解くと金田一のこの姿勢に対して抵抗しようとする知里幸恵の姿が浮かび上がります。
第四回は、近代化とアイヌ文化保存という矛盾に引き裂かれつつも未来に希望を託した知里幸恵の人生をたどることで、本当の意味で固有の文化を守るとはどういうことかを深く考えます。

【放送時間】9月26日(月) 午後10時25分~10時50分/Eテレ
【再放送】9月27日(火)午前5時30分~5時55分/Eテレ
10月3日(月)午後1時5分~1時30分/Eテレ
※放送時間は変更される場合があります、NHKプラスでも配信予定!
第三回を見逃した方は再放送またはNHKプラスでぜひご覧ください!
配信期限:9月26日(月)午後10:49まで
〈再放送〉 9月26日(月)午後1時5分~1時30分/Eテレ