NHK札幌放送局

ラルフ・ブライアントさん 北海道で野球監督に初挑戦!

ほっとニュースweb

2022年8月23日(火)午後8時29分 更新

いまから30年以上前、プロ野球・当時の近鉄で活躍したラルフ・ブライアントさん。実はいま、北海道にいるんです。北海道内では、ことし、野球の独立リーグ「北海道フロンティアリーグ」が発足し、石狩市と美唄市、それに士別市が拠点の3チームが参加しています。独立リーグがプロの育成や地域の活性化を目的にするなか、ブライアントさんは、士別市のチームで指導者として新たな挑戦を始めています。(旭川放送局 山中智里)

伝説のホームラン王が道北・士別に!

ラルフ・ブライアントさん、61歳。ことし4月に「士別サムライブレイズ」の監督に就任しました。士別の「士」と武士の「士」にかけたチーム名の「サムライ」、ブライアントさんは気に入っているそうです。

士別サムライブレイズ監督 ラルフ・ブライアントさん
士別サムライブレイズというチーム名がかっこいい。日本の歴史に通じるサムライが入っているチームにワクワクしているよ!

ブライアントさんといえば、豪快なフルスイング。プロ野球・当時の近鉄にいた1980年代から90年代にかけて3回のホームラン王に輝きました(1989年・1993年・1994年)。また、映画俳優のエディー・マーフィーさんに似ていることから、“エディ”の愛称で多くの野球ファンに親しまれました。

プロ引退後は母国アメリカに戻り、庭師の仕事をするなど20年近く野球から離れていたブライアントさん。再びフィールドに呼び戻したのは球団代表の熱い思いでした。

士別サムライブレイズ 菅原大介 球団代表
大好きな選手でした。あのキャラクターと打力のある打撃が魅力。子どものころからファンだったので、初めてお会いしたときは「ファンです」と告白してしまいました。そして、「野球で北海道の未来を開きたい、地域に貢献したい」「あなたの力を借りたいんだ」と伝えました。ブライアントさんは「おーいいね」「ぜひ地域に貢献したいね」と応えてくれました。

モットーは“ベストを尽くしてプレー”

ブライアントさんが目指す野球は、「自分のベストを尽くしてプレーする野球」。平日の日中に仕事をしている選手たちが、ベストコンディションでいられるよう練習では大きな負荷がかからないように気を配っています。

士別サムライブレイズ 阿部巧 キャプテン
ブライアント監督は選手たちが日中に働いているとは知らなかったようで驚いていました。仕事を終えて練習に顔を出すと、いつも「元気ですか」と聞いてくれるので、かなり気を遣ってくれていると思います。気さくですごくフレンドリーな方なので、監督がブライアントさんでよかったです。

より高いレベルに到達するために。ブライアントさんは、基本の動作を大切にするよう指導しています。たとえばバットを握る指。選手の癖が出ていました。

士別サムライブレイズ監督 ラルフ・ブライアントさん
指を立ててバットを握っているよね。次の打席ではすべての指で握ってみて。力が伝わるから

元スター選手で監督でもあるブライアントさんですが、選手たちがベストを尽くせるならと練習後は、みずから球拾いも。積極的にコミュニケーションをとって、チームの団結力を高めようとしています。

士別サムライブレイズ監督 ラルフ・ブライアントさん
仕事をして、試合でプレーして、練習もする選手たちを尊敬している。選手たちがもう一段高いレベルでプレーできるようにしたい。

士別の街を盛り上げたい!

8月14日、チームは地元・士別市の球場で「美唄ブラックダイヤモンズ」と対戦しました。
選手たちは、ブライアントさんが目指す「ベストを尽くす野球」に応えようと全力で試合に臨みます。この日の試合では力及ばず負けてしまいましたが、選手たちの全力プレーにファンは拍手を送っていました。

ブライアントさんは、自身の知名度と選手たちの全力プレーで士別の街を盛りあげていきたいと考えています。

士別サムライブレイズ監督 ラルフ・ブライアントさん
新しいリーグが始まったばかりで、監督や選手も知られ始めたばかり。サインのファンサービスを通じても、ファンにも私たちにも新しいことが生まれている。


取材を終えて

この春まで大学生だった私(22)は平成初期に活躍したブライアントさんのことを知りませんでした。現役時代の映像を見て豪快なイメージを持っていましたが、インタビューでお会いしたご本人は大きな体に優しい表情。私のつたない英語にも笑顔で応じてくださり、すっかりブライアントさんのファンになってしまいました。指導スタイルも、日中に働く選手たちのコンディションが最優先。休養をしっかりとれているか、過度な負担がかかっていないか、選手ひとりひとりを見て細かくチェックしていて、現役時代の「豪快さ」とはまたひと味違ったブライアントさんの魅力を感じました。チームの戦いはまだまだ続きます。これからもブライアント監督率いる士別の“サムライ”たちに注目していきたいです。

「ほっとニュース北海道」8月19日放送

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