NHK札幌放送局

コロナの時代でも障害児がスポーツを楽しむ機会を守りたい

ほっとスポーツプラス

2020年11月20日(金)午後0時40分 更新

みなさんは新型コロナウイルスの感染が広がっている中、運動はしていますか?していないという方も多いのではないでしょうか。中でも障害のある子どもたちは運動をする場所や運動する際の安全性の問題で体を動かしたくても、なかなかできない現状があります。 それに危機感を覚えたのが、障害者のスポーツクラブの代表を務める齊藤雄大さんです。withコロナの時代でも障害児たちがスポーツを楽しめる場所を新たに作ろうとしています。
(札幌局 加藤美穂)


鋭意制作中!! 新たな活動場所

札幌市内にある倉庫で、10月末から施設作りが始まりました。ここが、新たに障害者がスポーツを楽しめる場になろうとしています。現場で「チームワークだみんな!」と作業を呼びかけていたのが、施設を作ろうと動いた齊藤雄大さんです。ふだんはスポーツトレーナーを養成する専門学校で教員を務めながら障害のある子どもたちのスポーツクラブを運営しています。

齊藤雄大さん
障害者・障害児の運動の機会がすごく少なくて、そのうえコロナで外に出られないし集まれないって事になると、やっぱり自主的にトレーニングするしかないと思うんですよね。そういう現場を作りたいなと思ったんです。


クラブは再開、しかし影響も残る

齊藤さんが去年7月に立ち上げた障害者のスポーツクラブは、月に4回ほど、バスケットボールやソフトボールなどさまざまなスポーツに挑戦しています。現在クラブには、足や脊髄に障害のある子どもたちのほか、障害のない子どもたちも、高校生までのおよそ20人が参加しています。

ところが、北海道が緊急事態宣言を出したことし2月ごろから使用していた体育館などがすべて休館になりました。その後、ほとんどの子どもたちがクラブの活動がなかった半年以上、運動ができない状態が続いていました。齊藤さんは当時の状況をこう振り返ります。「緊急事態宣言になって真っ先に閉鎖したのが公共施設で、障害者がスポーツをしようと思ったら公共の施設でしかできないので全く機会が無かった」。足などに障害がある子どもたちにとって、代わりに外で運動するにも、安全面からも難しかったからです。その状況は子どもたちの体にも大きな影響を与えていました。クラブに通う保護者は「運動の頻度が減って家の中でただ往復するだけでした。運動するために歩いて外に出そうと思っても道がガタガタしてたりするので歩きにくくて歩きたがらなかったりして。リハビリに行って病院の先生に話聞くとちょっと筋肉落ちてるよねって言われました」と言います。

子どもたちの動画が背中を押した

こうした状況をなんとかしなくてはと悩む齊藤さんのもとに、ある日、子どもたちから動画が届きました。”早くみんなでスポーツがしたい””みんなと一緒にスポーツがしたいです、コーチにも会いたいです”という子どもたちからのメッセージでした。子どもたちが自分たちで呼びかけて作ったそうです。

齊藤雄大さん
「めちゃめちゃうれしかったですね。お尻たたかれたっていうか、ちゃんとこういうコロナの状況でも子どもたち運動ができるような状態に持っていかないとダメだなって。集まらなくてもできる方法はないだろうか、それぞれが運動とかスポーツをできるようなシステムを作っていくっていうのがいいんじゃないか」。

コロナ禍でもパラスポーツができる場所を

子どもたちの思いに応えようと、齊藤さんは急きょ、資金を集めて、札幌市内の倉庫を借りました。体育館などが使えなくなったときこの新しい施設であれば、感染対策をしっかり行った上で、マンツーマンなど少人数で子どもたちが運動する機会を作れると考えたからです。そして今回、齊藤さんは、施設作りを子どもたちにも呼びかけました。自分たちの施設を自分たちで作るという経験が、貴重なものになると考えたからです。

掃除機をかけたり、床を貼ったり、何もない場所からすべて自分たちで作業を行いました。ぞうきんがけなども参加した子どもたち全員で行い、学校ではできない経験を楽しみました。自分たちで作り上げた施設に愛着もひとしお。床の上で寝転んだり、車いすを思い切りこいでみたり、子どもたちの笑顔があふれていました。参加した子どもたちは「雑巾がけや床を貼ったりが楽しかった」「みんなと一緒に作業ができることがうれしかった」「これで時間を決めずにいつでも、正直24時間スポーツをやろうと思えばできるのですごい」と使用できる日を待ち望んでいます。

齊藤雄大さん
定期的にスポーツを続けるってことが、やっぱり彼らにとってすごく大事なポイントです。この施設がいつでも、どこでも、誰でもスポーツができる、身近な存在になってほしいなと思います。

コロナの時代でも、子どもたちがスポーツを楽しむ機会を守りたい。齊藤さんにとって、子どもたちの笑顔が原動力になっています。施設はほぼ完成していて、12月1日から利用を始めるということです。齊藤さんは、さらにもう1か所、新たな施設を作ろうと動き出しています。クラブの活動時も、消毒を頻繁に行うなど対策をしていますが、これから雪の季節、外で運動というのはより難しくなるので、齊藤さんは改めて感染対策をしっかり行いながら、この新たな施設をどんどん活用していきたいと話していました。道内では再び感染拡大が進んできていますが、こうしたスポーツを楽しめる場や子どもたちの笑顔が増えるといいなと感じました。

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