NHK札幌放送局

北海道庁が被害想定公表 千島海溝と日本海溝での巨大地震と津波

ほっとニュースweb

2022年7月29日(金)午前11時49分 更新

北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」と「日本海溝」で、巨大地震と津波が発生した場合の被害の想定を道が公表しました。津波による死者を最大で14万9000人、自治体別では釧路市で8万4000人などと推計していますが、早めの避難や施設の整備を進めれば被害は大幅に減らすことができるとしています。

国の想定もとに地域ごとの実態反映

道は「千島海溝」沿いと「日本海溝」の北側にあたる地域で巨大地震と津波が発生した場合の被害について、太平洋沿岸部の38の市と町を対象に、去年12月に国が公表した想定をもとに地域ごとの実態を反映させた上で想定をまとめ、公表しました。

それによりますと日本海溝沿いでマグニチュード9.1の巨大地震が発生した場合は、北海道の太平洋側に最大で16.3メートルの津波が押し寄せ、死者は最大で14万9000人にのぼると推計していて、国が想定した13万7000人より多くなっています。

また千島海溝沿いでマグニチュード9.3の巨大地震が発生した場合、最大で26.5メートルの津波が押し寄せ、死者は最大で10万6000人にのぼると推計していて、国が想定した8万5000人より多くなっています。

道は「避難にかかる時間を実際のルートにあわせて算出したところ、逃げ遅れる人が国の想定より増えると推計した」としています。
自治体別に見ますと、被害が大きくなると道が想定している冬の夕方の時間帯にいずれかの地震が起きた場合、津波による死者は、いずれも最大で釧路市で人口の半数を超える数に相当する8万4000人、苫小牧市で4万人、函館市で2万9000人、北斗市で1万7000人、登別市で1万6000人にのぼると推計しています。

早めに避難が進むと…

一方で、早めの避難が進んだ場合、死者は釧路市で3万7000人と56%減るほか、苫小牧市でも1万7000人と58%減り、さらに函館市では2200人と92%減ると推計しています。

今回の最大の被害は、早めに避難する人の割合が低く、避難ビルなどが活用されなかった場合を想定していて、道は「住民の避難を軸に避難施設の整備などを進める総合的な対策により、被害を少なくすることができる」としています。
道は今回の想定を踏まえて年内に被害を減らす減災目標を定める方針です。

多くの項目で国を上回る道の推計

「千島海溝」沿いと、「日本海溝」の北側にあたる地域の地震と津波の被害について、国は去年12月、想定をまとめ、北海道を含む各地の死者数などを推計しましたが、北海道が今回、地域ごとの実態などをもとに改めて推計を行ったところ、多くの項目で国の数字を上回りました。

日本海溝で巨大地震と津波が発生した場合津波による死者について、国が最大で13万7000人と推計したのに対し、北海道は最大で14万9000人と推計しています。
けが人については、国が最大で5900人と推計したのに対し、北海道は最大で5200人と推計しています。
屋外で寒さにさらされて低体温症により死亡のリスクが高まる避難者については、国が1万9000人と推計したのに対し、北海道は6万6000人と推計しています。
津波で全壊する建物については国が最大で11万8000棟と推計したのに対し、北海道は最大で13万棟と推計しているほか、液状化で全壊する建物については、国が最大で800棟と推計したのに対し、北海道は最大で3600棟と推計しています。
千島海溝で巨大地震と津波が発生した場合津波による死者について、国が最大で8万5000人と推計したのに対し、北海道は最大で10万6000人と推計しています。
けが人については、国が最大で8200人と推計したのに対し、北海道は最大で1万4000人と推計しています。
低体温症により死亡のリスクが高まる避難者については、国が1万4700人と推計したのに対し、北海道は1万5000人と推計しています。
津波で全壊する建物については国が最大で5万1000棟と推計したのに対し、北海道は最大で4万2000棟と推計しています。
また液状化で全壊する建物については、国が最大で1600棟と推計したのに対し、北海道は最大で3700棟と推計しているほか、地震の揺れで全壊する建物については、国が最大で1700棟と推計したのに対し、北海道は地質調査データをもとに震度を改めて計算した結果、最大で6200棟と推計しています。

知事“総合的な防災・減災対策に全力”

鈴木知事はコメントを発表し「すべての関係者が起こりうる事象を自分事として冷静に受け止め、命を守るための防災・減災対策を検討していくことが求められる。迅速な避難や呼びかけ、津波避難ビルの活用などにより被害を大きく軽減することは可能で、まずは迅速かつ的確な避難をしていただくことが何より重要だ」としています。

そのうえで「今後、津波避難施設の整備の促進や避難意識をより高めることなどハード・ソフト両面からの取り組みを推進し、国や市町村、防災関係機関などと連携・協力して『何としても命を守る』ため、総合的な防災・減災対策に全力で取り組んでいく」としています。

2022年7月28日放送

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