NHK札幌放送局

"地元出身だからこそのこだわり"「夏の釧網線」撮影秘話

NHK釧路放送局

2021年10月13日(水)午後4時29分 更新

各地のシンボルとなっている鉄道や駅を舞台に、沿線の美しい風景など地域の魅力を8Kの超高精細映像で描く「8K鉄路紀行」。夏の北海道、JR釧網線を旅したディレクターの裏話を大公開!尼子キャスターが取材しました。

◇ディレクターはこんな人

こんにちは!NHK釧路局の尼子佑佳です。きょうは「8K鉄路紀行」の撮影裏話を、NHK釧路放送局の番組技術の一員、畠澤宏カメラマンに直撃取材!

年齢は秘密だそうですが、NHKスペシャルの撮影なども経験しているベテランカメラマン。私もロケなどで何度もお世話になっています。色々なお話をしてくださるとてもチャーミングな方!今回はカメラマンではなくディレクターとして番組に携わったということで、畠澤職員が見た撮影の裏側を根掘り葉掘り聞いちゃいます!!

◇撮影までの裏側

ーどうして釧網線を撮ろうと思ったんですか?

もともと網走出身でオホーツクや斜里の沿岸の土地勘があって、自分がいま働いている道東の景色も分かっているので、映像で表現するととてもきれいになるだろうという確信があった。この風景を8Kで全国の人に見てほしいと思ったし、単純に8Kで撮ってみたいという興味もあったよ。

ーこれは8Kの企画として畠澤カメラマンが考えたんですか?

もともと東京の方から「8K鉄路紀行」という番組を作りませんか?という提案募集があって、やってみたいなと思って提案を出したんだ。実は、日本で一番最初に「8K鉄路紀行」に取り組んだのは、釧路局なんだよ。

◇偶然の連続だったロケ

写真に写っているのは8Kカメラ。超高精細映像を撮影できます。ふだんロケなどで使うカメラよりも少し小さいのですが、とても重いんです。ズーム機能がないのもカメラマンにはひと苦労で、対象物に合わせてカメラのレンズを変えなければいけないそうです。

ーいつからロケに行ったんですか?

去年(2020年)の5月くらいから準備を始め、5月末には下見に行ったよ。
原生花園駅という夏限定の駅で、初夏に花が咲くんだけど、その花が一番きれいに見える時期を狙って6月末~7月始めの1週間で全て撮り終えたよ。

原生花園駅に列車が到着するシーンの撮影中↓↓

こちらは坂の上から見る原生花園駅↓↓ 約40種類の花が咲き乱れるそう🌸

ー映像は晴れていますが、天気は大丈夫だったんですか?

もちろん霧や雨の日もあったよ。天気が大切だから、車両を1両貸し切って車窓の撮影をする日時を決めるのには苦労したよ。晴れの日を狙うのはもちろん、太陽の位置が一番いいときにちょうどそれぞれの駅を通ることができるよう計算しながら考えて決めたんだ。でも当日の午前中は霧がかかっていて…。大丈夫かなと心配していたんだけど、列車が走っているうちに偶然晴れてきたんだ!車両を改めて借りることも難しいから本当に良かったよ。

ーロケの中で特に印象に残っているシーンは?

1つは、原生花園駅に着く前の風景かな。
エゾキスゲという花が満開で、知床連山も見えていて、太陽の位置が一番いいときを狙っていたんだけど条件が全て揃った状態でロケをすることができたんだ。ここが番組の中で山場となるシーンの1つだったからよく覚えているよ。

満開のエゾキスゲの中で撮影している場面↓↓

ところで、先ほどから撮影しているこの後ろ姿のカメラマンは誰だろう?と思っている方もいるかもしれません。畠澤さんに負けず劣らずの釧路局の敏腕!安田カメラマンです😊

そしてこちらがエゾキスゲの花。濃い黄色がとても鮮やかですね。

ーほかにも記憶に残っている場所はありますか?

あとは、北浜駅かな。
ここは映画やドラマのロケ地にもなったことがある場所で、レトロな雰囲気が人気の駅。ロケ当日も、30年ぶりに思い出の地に来たという夫婦や、写真が好きで何度も来ているという姉妹もいたよ。たまたま出会うことのできた人たちだったなぁ。
駅舎内には美味しいカフェもあって、釧網線に乗ったときはぜひ一度寄ってみてほしい駅だよ。

ーこだわった映像はありますか?

列車と車が並走しているシーンだよ。
乗り物を2つ同時に見せることで、交通の主流が鉄道から車へと変わった、時代の移り変わりを描きたかった。そのためにクレーンを使って上から撮影したよ。

◇編集はスムーズに!!

ーロケが無事に終わると待っているのが、編集。カメラマンだとここにはあまり関わらないですか?

ふだんは編集担当の方にお任せしちゃうことが多い。だけど今回は編集も自分でやったよ。
8Kカメラはズームができないこともあって、ロケに行く前にどこで何を撮ってどのレンズを使うのか、細かく決めてから行ったんだ。それもあって、ロケ前に考えていた映像の流れとほぼ同じになったから3日間で番組を完成させることができたよ。

(1本の番組を完成させるのに編集で1か月以上かかることもあります)

下の写真は“かぶりつき”と呼ばれる、列車前方の窓から見える景色の撮影。撮影場所はいろいろですが、にも工夫を凝らしたとのこと。列車の走る音、アナウンスの音など、それぞれを分けて収録し編集で組み合わせたそうです。

◇「身近にもある。素敵なところが。」

ー「8K鉄路紀行」という番組を作ってみていかがでしたか?

有名な観光地はたくさんあるけど、こういった沿線の風景など身近なところに素敵な空間が広がっていると改めて感じたよ。この記事を読んで、行ってみたいと思ってほしいな。

畠澤カメラマン、ありがとうございました!今回お届けしたのは、すでに放送された鉄路紀行の『夏編』にまつわるエピソードでしたが、実は『冬編』もあるんです!!こちらは近日中に放送予定です。お楽しみに!

2021年10月13日

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