NHK札幌放送局

市民*IT*行政 新型コロナウイルスまとめサイトのヒミツ web(後)

0755DDチャンネル

2020年4月10日(金)午前10時00分 更新

webサイト「北海道 新型コロナウイルスまとめ」は、市民有志がIT技術を使って行政データを発信する情報サイトです。JUST道ITのメンバーは必ずしもITエンジニアとは限りません。さまざまな分野の有志が、行政と協働して市民のための情報を発信するシビックテックを追います。(前後編)
※4月10日のほっとニュース北海道でも放送しました。
 ※4月4日の0755DDチャンネルで放送しました。

※前編はこちら

グラフィックデザイナー KITOTANさん「エンジニアではないですけど」

JUST道ITのメンバーのひとり、KITOTANさんは、グラフィックデザイナーです。web上で今回の動きを知って加わりました。

KITOTANさん
「こういうことをやっているんだ、しかも、『きのうの夜から今朝にかけての話』で、すぐ参加してみたいと思いました。私はエンジニアではないですけど、自分でできることで、貢献できることがあるなら、いまやるべきことかなと」

コミュニティをもりあげるためにと、描いたイラストがこちらでした。

どんな思いを込めたのでしょうか。

KITOTANさん
「新型コロナに対して、戦うということより、自分自身と向き合うというか…。デマがあったりした時期だったと思うんですけど、そういうものを最後に判断するのは自分たち自身だなって思うんです。自分がどう向き合うかっていうところが伝わってくれればいいかなと思っています」

イラストは、facebookとtwitterのJUST道ITアカウントのメインビジュアルになり、活動のシンボルになりました。
メンバーの中には、このイラストをもとに、いろいろな場所でアピールするための『三角ポップの型紙』を作った人もいました。

KITOTANさん
「問題解決のために、年齢も性別も関係なく、どこに住んでいるのかすら関係なく、みんなフラットな状況で手を取り合って進むっていうのは、新しい感じがしました。やってて気持ちよかったですし、これが新しい時代の仕事、働き方になるんではないかなというのをなんとなく感じました」

KITOTANさんのイラストは、18歳の若者が、活動に参加するきっかけにもなりました。

高専生 Taiyu Yoshizawaさん「かっこいい 参加したいな」

Yoshizawaさん
「最初はTwitterのほうのアイキャッチの画像をみて、かっこいいな、参加したいなと思って加わりました。大人の方ばっかりだったので、すごく緊張したんですけど、話しやすい方々で、活動もしやすくて、すごく勉強になりました」

旭川市のYoshizawaさんは高等専門学校に通う18歳です。web上でやりとりするJUST道ITのコミュニティで、「大人」たちに、「どこかの会社の若手技術者ががんばってくれている」と思われていました。この「誤解」について聞いてみると。

Yoshizawaさん
「うれしいですね。自分は中学生の時からプログラミングをやっているので、それが認められたといえばへんですけど」

Yoshizawaさんは、道のwebサイトから読み取った数値を、各要素にふりわけていくプログラムを担当しました。
行政の持つ一次情報が、誰でも使えるオープンデータとして提供され、市民がITの力で、より「役立つ」カタチにすることについて聞きました。

Yoshizawaさん
「印刷物と違って、最新情報を最新のまま出せるというのが、ITの強みです。デマがたくさん拡散されているような印象を持っていたので、しっかりした公的なデータをまとめて見てもらうことで、どう行動したらいいのかそれぞれが判断できるようになったらいいなと思います」
MEMO:オープンデータ化で一気に効率化
JUST道ITでは、当初、北海道庁が公式ページに掲載する「表」からデータを読み取って、グラフに変換していました。道は、3月12日から「オープンデータ」の形での情報提供を開始。最初から「数値」を受け取れるようになったことで、JUST道ITの活動は一気に効率的になりました。

ハノイ在住(江別市出身)Yoshihiro Miuraさん 「つながりもできて」

まとめサイトは、この原稿を書いている時点でも、進化し続けています。そのひとつが多言語対応です。いま(8日)は日本語、英語、簡体字(中国語)、繁體字(中国語)、ハングル、タイ語、ベトナム語、やさしいにほんごの7つのことばで読むことができます。ベトナム語の翻訳を担当したのが、ハノイ在住で日本語教師のMiuraさんです。

Miuraさん
「わたしもベトナムでは外国人です。こちらでは新型コロナウイルスの情報はすべてベトナム語なんですよ。こういう時にベトナムの情報が日本語で早く入ると、とっても助かります。だから北海道にいる外国人の気持ちがよくわかります」

Miuraさんは、ハノイの中学校で日本語を教えています。ベトナムは、感染拡大の防止のため学校を閉鎖、授業は休止しています。ベトナム語への翻訳は、Miuraさんが学校の同僚 フイエン先生とチャットアプリでやりとりしながら2日かけて仕上げました。

Miuraさん
「ベトナムも大変ですけど、どこも大変ですから。北海道のためになにかできることがあればやりたいなって。フイエン先生も、日本にいたことはあるんですけど、北海道には行ったことはなくて、『行きたい』って前から言っていたんです。翻訳をお願いしたら快く引き受けてくれて。なんだか、そういうつながりもできてよかったと思います」

台北在住会社員 Lisa Lin-Kuanyuさん「力をあわせて」

一方、繁體字(中国語)の翻訳を引き受けたのが、台湾の台北在住 会社員Lisaさんです。Lisaさんは、東京都の公式の感染状況情報サイトを担うシビックテックコミュニテイ、Code for Japanの活動を知り、何かできることがないかweb上で探していました。

Lisaさん
「ウイルスには国境はないんですよ。隣の国とか、全世界のみなさんが、力をあわせて越えなければならない。そういう連携が大事だなと思うんです」

Lisaさんは、一人の力だけではなくて、さまざまな人々が「シビックテッカー」としてプロジェクトに関わることこそが大事なのではないかと考えています。

Lisaさん
「大勢の人が参加できることが大事だと思う。ひとりずつの力をあわせると、影響力が高まるし、広がりがでます。それぞれが、『わたし、これをもっと良くしたい』と思うようになります。困難を乗り越えて、みんなで、世界中の人々が助け合う、そういう世界になりたいなと思います」

オープンソース・オープンデータがつくる未来とは

東京都がプログラムを公開(オープンソース)にしたことで、全国のシビックテックグループや公共機関が、新型コロナウイルスまとめサイトを開発しています。きょうだいサイトの数は50を超え、全国各地で活動が続いています。
その先駆けとなった、JUST道ITの活動は、データが見やすくならないか→余力のある人がやりましょう→それなら行政も情報をオープンデータで出しましょう とつながりました。
オープンデータ、オープンソース。ITを介した、市民のさまざまな力と行政の協働は、社会課題や大規模災害に立ち向かう方法論のひとつになっています。

2020年4月10日更新

前編もあります

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前編はこちら


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