NHK札幌放送局

『蛍』のうんちく 飛び交いました 7月1日放送 北海道まるごとラジオ「神田山陽のうんちく問答」

北海道まるごとラジオ

2021年7月13日(火)午後3時21分 更新

2021年7月1日放送の北海道まるごとラジオは、神田山陽の『うんちく問答』をお送りしました。 オホーツク海側 大空町出身の講談師 神田山陽さんが、毎回テーマを決めて50分間しゃべくり倒し、私たちを素敵な世界に連れて行ってくれます。 

神田山陽さん!

MCは鈴木遥アナウンサー佐藤千佳キャスターです。

今回は、NHK札幌放送局、新会館に移転してから初のまるごとラジオ!ピカピカのラジオスタジオから、お送りしました。

全貌は、初公開!?新しいスタジオは、上から見ると、こんな感じ。

今後は、おもに、このスタジオから北海道まるごとラジオをお送りしていきますので、ここで話している様子を想像しながら、お聴きいただければと思います。

さて、今回のテーマは、

\「蛍」です!/

山陽さん:蛍は、雨が降るとなかなか見られないんですよ。
鈴木:梅雨の前までっていう風に、よく言われているような…。
山陽さん:月夜でも出ないんですよ。出ないという言い方もなんですけど、光らない、飛ばない、舞わない?
佐藤:蛍は、夏の風物詩のイメージがありますよね。
山陽さん:夏ですよね。「北海道に蛍はいないんじゃないか」と思っている北海道の人が、大変多いんですよ。私もその中の一人だったんですけど、子どもの頃に見た記憶はないんです。
佐藤:私もです!(道産子です)
山陽さん:あれだけ虫の飛んでいるところに住んでいたのに、本州に行って、初めて蛍を見たんですよ。

ところが、北海道にもいるんです。北海道にいる蛍の話を、今日はさせていただこうと思います。

ぜひ、WEBで事前に公開していた記事、蛍について調査してみたも、あわせてご覧ください。

「昔は見られたんだけど今は見られない!」という話から、「今、もうすでに見られますよ!」というおたよりなどなど、全国各地からいただきました。まずは、群馬県にお住まいの方の投稿から。

「✉️蛍といえば、子どものころは、家の周りでもよく見かけました。昭和30年代、今どきの若い人たちになじみがないかもしれませんが、夜になると蚊帳をつり、蚊をよけたものです。その中に、つかまえてきた蛍を数匹入れて、飛び交うように、しばらく楽しみました。つかまえたり、追い回したり、寝る前にちょっとした遊びで、この時期ならではのものでした。」

山陽さん:織田作之助という人が書いた『蛍』って、まさに蛍という小説があるんですけど、蚊帳の中に、おんなじことをやるんですよ。1回ぐらいはやってみたいですね、そういうのね。

「✉️高知県西部の四万十市に住んでいる私。今年も5月の末に蛍のお客様、玄関でピカピカ光っていましたよ。信じられないでしょうけど本当の話。例年になく多く飛んでいたのでうれしいです。風呂上がり夕涼みがてら行くとこれまた最高です。」

山陽さん:水のきれいなところにしかいないと言うから、周辺地域の水がきれいなんでしょうね。
佐藤:想像しているような夏の風景、楽しみ方ですね。

では、うんちく問答、スタートです!

海道の皆さん、蛍、あまり北海道にはいないイメージがありませんか?

山陽さん:私は、以前に小樽、東神楽、鶴居村でも見ました。鶴居村は「自生の蛍」だと言っているので、昔からいるんじゃないですかね。ものの本によりますと、「ヘイケボタル」は北海道にもいるんですよ。ヘイケボタルより、もっと光の強い「ゲンジボタル」は、青森あたりが北限だと言われてるんですよ。自然生息で。

ところで、平家と源氏って、それぞれ蛍の名前で、なぜ「平家」で「平氏」じゃないかご存知ですか?「源氏」で「源家」じゃないか、ご存知ですか??

鈴木:「平家の落人」とは言いますけど、「平氏の落人」とは言わないですよね。

ゲンジボタルとヘイケボタルの名前の由来は、なんとなく想像がつくかもしれませんが…たしかに、なぜ「平」で、「源」なのでしょうか。

山陽さん:なぜかというと、「平氏」という言い方もあるんですけど、「平(たいら)」っていう姓の人、全員平氏なんですよ。「平家」というのは、平清盛一族をいうんです。寺内貫太郎一家と同じですね。清盛の「家」の人たちの物語が、「平家物語」なんです。源氏に滅ぼされたのが平家なので、ゲンジボタルは…、
あ、なんで「ゲンジボタル」かというのが、そもそもですよね。ゲンジボタルは、「光源氏」から来たらしいんですよ。光源氏は、光っているもんだから、「この蛍、ゲンジボタルでいいんじゃないか?」って、誰かが言い出したんですかね。それが元じゃないかというのが、大変有力だという話を聞いたんですけども。まことしやかな話ですが。ウソか本当かはわかりません。講談師ですからね、わたし(笑)。
鈴木:なるほど!光の明るさで。強いほうがゲンジ。負けちゃったほうが、「ヘイケボタル」なんですね~。
山陽さん:ゲンジボタルが光源氏から来て「ゲンジボタル」って言われた後に、「もうちょっと何か弱々しいやつがいるから、これは負けちゃった方の平家でいいんじゃないか」ぐらいの名前だったんだそうです。

北海道にいるのは、ヘイケボタル。「これもね、なかなかいいんですよ。ほのかな光というんですかね。ゆら~っといく感じが。」と山陽さん。どこにいるのかなと、ご自身の故郷の身近なところを調べたところ、「蛍の放流してるよ」という、網走西部地区資源保全協議会(会長・上田薫さん)に出会ったそうです。

山陽さん:なんとですね、網走西部地区卯原内(うばらない)という地域なんですが、ここは私が、5歳から小学校3年生まで過ごした、非常に思い出深い土地なんです。ここの「卯原内ダム」っていうところの近くに、「北蛍の池」っていうのを作りまして、13年前から、西が丘小学校(山陽さんが在学していたころは「卯原内小学校」でしたが、統合されて、現在は「西が丘小学校」。)の3年生と、「蛍の勉強をしながら地域活動をする」っていう、「環境を守る勉強をしてる」っていうのを続けられているんだそうです。 蛍放流用の池を作って、そこで夏になると蛍を楽しんでもらう。で、話を伺ったんですが、普通は7月の上旬に放流するんだそうですけど、今年はですね、なんか元気がないので、早めに放流して自然にかえそうということになって、6月20日に。いつもイベントで大勢呼んで、みんなで、「蛍今年も頑張って光ってくださいよ」というようなことをやるらしいんですが、ことしは、ちょっと自粛して、3年生と、「蛍の里の会」の方だけで、そっとやったんだそうです。西が丘小学校は毎年3年生になると、蛍と仲良くできる!っていう特典があるらしいですよ。
鈴木:4年生になると仲良くなれない?(笑)
山陽さん:2年生は早く3年生になりたいなって思うってことで。私もね、卯原内は、3年生の時に転校生の女の子に初恋をしたような…ものすごく思い出の多いまちなんだよね。
鈴木:そのときは、山陽さん、ゲンジのように光っていましたか。
山陽さん:いや~…(笑)。なんかね、だからここで見たことがないのが、わたし悔しくてしょうがないんですよ。13年間も、この活動をやっていらしたのに、知らなかったっていう。ちょこちょこちょこちょこ帰るようになってたのに。

山陽さんによりますと、この、卯原内の蛍、多いときには7月の後半には100匹から200匹ぐらい舞うことがあるんだそうです。「きれいなところじゃないと蛍はいないから」ということで、子どもたちが、ゴミ拾いから始めて、周りをきれいにして…。「故郷の自然の良さを誇りに思えるようになって育ってほしい」。「夢と感動を、蛍を通じて地元の子供たちに与えたい」という活動なんだそうです。

山陽さん:なんかね、役に立てるようなことがあればいいんですけどね。上田さん、一度拝見に参りますので!
鈴木:その時は、子どもたちに講談の魅力を…
山陽さん:どうでしょうね(笑)、蛍って、うるさいと光らないんですよ。
佐藤:え!人の声が?じゃぁ、蛍の鑑賞会とかは…?
山陽さん:人の声がうるさいとダメなんですよ。黙ってなきゃだめ。フラッシュもだめ。月夜には出ないんですよ。それで、むわ~んとしたような、あったかいような、風のない日に光るんですね。
佐藤:なんとなく、月夜と蛍って一緒にありそうな絵が浮かびますけど…。
山陽さん:絵の中ではアリですけれども、曇っている日のほうがいいらしいですよ。
鈴木・佐藤:へぇ~!
山陽さん:曇って、気温の高い、やっぱりあったかくないとダメなんです。またね、オスはほぼ1週間で、息絶えちゃうんですよ。メスでも2週間。しかも、両方とも、蛍は水しか飲まないんですって。
成虫になった途端に、あんまりエサは食べないんですって。だから、「こっちの水は甘いぞ」っていうあの歌は、蛍が、水しか飲まないことさえ、歌ってるんですね。
佐藤:♪ほ~たる来い って歌ですね。

北海道で、いろんなところで放流して蛍を見せているところがあるんだそうです。山陽さん、ご自身の近所の北浜というところでも、蛍が見られるという話を聞き、「こっちはちょっとお話を伺うことができなかったけど、ずいぶんあると思うんですよね。」と話していました。

山陽さん:自由に歩けるようになったら、蛍をずっと見て歩くような旅をしたいですよね。桜を見て歩くのもいいんですけど、夜って、なかなか出歩く用事がないというか…理由がないので、お酒ばかり飲んでいないで、日が暮れたら蛍を見るようなもんじゃないかと思うんですよね。
8時から9時という時間帯に飛んで、よく光るそうです。夜中と明け方と、3回あるらしいんですけれども。一番光るのが、8時ぐらい。
佐藤:枕草子でしたっけ。夏に蛍が出てくるのって。夏は昔から蛍見て楽しんだんだなって思っていたんですよね。夜8時ぐらいなんですね。見られる時間というのは。

「蛍」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、光っているイメージではないでしょうか…?

山陽さん:蛍って、世界に2000種類いると言われてるんですよ。
鈴木・佐藤:そんなに!?
山陽さん:私はイタリアで見たんですかね。チンクエテッレっていう世界遺産があるんですけども、このトレッキングコースのなかで、ぼんやり光ってるのがあったんですよ。
それで、「LEDの電球かな?」って、ちょっと思うぐらいだったんですけど、蛍だったんですよね。「世界中にいるんだ!」と、その時に初めて知ったんですよ。物の本によりますと、蛍は2000種類ぐらいいて、中には光らないやつもいるんですって。光らない蛍の方が多いぐらいなんだそうですよ。
佐藤:2000種類のうち、光らないもののほうが多い…
山陽さん:光らなくっても、蛍なんだそうです。
鈴木:私たちの感覚でいう、蛍の定義が崩れますね!
佐藤:そうですよねぇ!だって、「蛍光灯」っていうぐらいで、字も入っているし、なんかもう、光る代名詞じゃないですか。蛍って。
山陽さん:私はこのあと、「なぜ蛍が光るか問題」を話そうと思ったんですけど…古くからの中学の先輩、ツボカワさんっていう人に、きょう会ったんですよ。
「きょうは、どんな話するんだよ」っていうから、「蛍といえば、殿山泰司ですよ!」って、私は胸を張って言ったんだけど、「蛍がテーマで、その話聞きたいか?ふつうの人が。少なくとも、鈴木さんと佐藤さんは、ビフォアートークでそんなこと言ってなかった!」って言うんです。(笑)
ツボカワさん、ビフォアートークを聴いていたらしくて、「蛍といえば、『蛍の光』でしょう!って話をしていたよ。お前、そういう期待に応えなきゃだめだよ」っていうんです…。ツボカワさん、先輩ですから…しょうがないから、ツボカワさんに言われて、蛍の光の話をいろいろ考えてきたんですよ(笑)。
山陽さん:「蛍の光」っていう曲は、もともとスコットランド民謡の「オールド・ラング・サイン」(「久しき昔」)っていうのが元歌になっていて、実はこれ、イギリスの準国歌みたいな扱いの曲なんですね。
日本で準国歌って、ちょっと見当つかないですけれども、イギリスでよく歌われる歌で、去年(2020年)の1月、EUを離脱しましたね。その時にも全員で歌ったんですって。節回しなんかも一緒だし。だいたい蛍の光に似ているんですよ。原曲ですから当たり前なんですけども(笑)。この曲から派生した曲で「別れのワルツ」っていう曲があります。日本では「蛍の光」という曲もあります。両方とも、このオールド・ラング・サインがもとになっているんですが、決定的な違いがあるんですよ。

~♪別れのワルツ

山陽さん:(曲を聴いて)…これ、どっちですか?
鈴木:これは…「別れのワルツ」です。(キリッ!自信たっぷり!)
山陽さん:お店が閉まるときによくかかる曲。あれ、「蛍の光」だってみんな思ってますけど、実は、「別れのワルツ」なんですよ。ワルツなので、3拍子。私たちが卒業式なんかでよく歌わされたのが「蛍の光」で、これは4拍子なんですよ。だから、おんなじ曲だと思ってる方、いるんですけれども、「歌詞がある・ない」の違いだけじゃないんです。

「子どものころから、聴音は得意だけど音符を書くのは…」という佐藤キャスターの手書き。

楽譜をみると一目瞭然、2曲の違いは、こういうことなのです!くわしくは、ビフォアートークをお聴きください♪

別れのワルツ~映画『哀愁』山陽さんによるあらすじ

1940年の『哀愁』という映画で生まれたのが「別れのワルツ」。ヴィヴィアン・リーとロバート・テイラーが、舞踏会で踊るんです。別れのワルツで。閉店の曲だというイメージはそのあとに来たので、この映画の時には、「いい曲だな~」って、もう、誰もが思ったと思うんですよ。切ない恋の話なんですよ。これはね、踊り子さんと軍人の、空襲の中でバッタリ橋の上で出会うという、お守りをあげるという、なかなか結ばれない話…。この中に出てくる曲が「別れのワルツ」なんです。

蛍の光~映画『醜聞(スキャンダル)』山陽さんによるあらすじ

「蛍の光」についてもね、もう、私の大好きな映画の中で、歌うシーンがあるんですよ。それも大して上手くない歌なんですけど(笑)。黒澤明の映画で『醜聞(スキャンダル)』という映画があるんですよ。

1950年。私が生まれる前の映画なんですけど、私は、この作品が好きでDVDを持っているんですよ。

後半に、弁護士の役が志村喬さんなんですけど、志村喬(演じる役)が、自分の娘が病気なので、お金の工面するために賄賂に手を出してしまうんですよ。それで、弁護士なんだけどうまく弁護をしないことによって、自分の娘が助かるかもしれない。で、そのことがもう、自分は悪いことをしてしまったっていうので、クリスマスに家にいられないんですよね。飲み屋に行って酔いつぶれているときに、居合わせたお客の一人が立ち上がって「蛍の光」をそのバンドに「かけてくれ、俺も歌いたいんだ」って。

それでね、「ことしは悪い年だったけど来年はいい年にしたいんだ。ことしはもう忘れて、来年から頑張るために、これを歌いたいから」って。左卜全という役者さんと、志村喬が歌い出すところがあるんですよ。それが、「蛍の光」なんですよ。蛍の光なんて、自分で歌っているときには、全然いい曲だと思ってなかったんですけど(笑)、この映画を見たときに、「ああ、なるほど。こういう使い方があるんだな~」って、思いましたね。

~♪蛍の光

ここで流れる「蛍の光」(ところによっては交通情報)。聴きながら、「こう聴くと、違うのがわかる~!」と、盛り上がるスタジオ内。ビフォアートークを聴いてくださった方はおわかりだと思いますが、実は、MC陣で、映画『哀愁』の話までの話は、一通りしていたのです!

佐藤:この展開は、初めてじゃないですか!?
鈴木:ね~!ど真ん中でしたね!
山陽さん:ツボカワさんのおかげです(笑)
鈴木:ありがとうございます(笑)

ツイッターからは、「本日の営業は終了いたしました」という投稿も。

たしかに、蛍の光は、閉店のイメージありますよね。これ聴くとそんな気がしてしまいますが、まだまだ終了しませんよ、後半戦です!

2020年に公開された、中国映画『在りし日の歌』(ワン・ シャオシュアイ監督)。80年代から激動の時代、文革直後の中国から30年間、2つの家族を描いた映画で、映画の中で「蛍の光」が、「こんなふうに出てくるか!」と。山陽さんのなかでは、「蛍の光」は、卒業式のイメージより、この映画の中の使い方が印象的なんだそうです。

山陽さん:3時間がもう、あっという間なんですよ!
鈴木:蛍の光は、エンディングで流れるんですか?
山陽さん:いやいやいやいや、お楽しみですよ。
鈴木:なんか、1時間くらいのところで流れちゃったら、そこで帰りそうですけどね(笑)。
佐藤:本日の営業は終了いたしました、みたいな(笑)
山陽さん:「蛍」と言えばですね。はずせないもので、小説『螢川』。
…お読みになってないでしょうね、お二人(鈴木アナ・佐藤キャスター)、この反応は。 『螢川』知らない?誰も。読んだ方、手を挙げてください!(スタジオの外のスタッフを見ながら)
…ブースの向こうにもいない!(笑)
鈴木:みんな下向いちゃった(笑)。
山陽さん:宮本輝さんの原作、映画にもなっているんですけど。宮本輝さんは、これで芥川賞をとったんですよ。

『螢川』は、映画も小説もなんですけれど、中学生の男の子の心を、こんなふうに、みずみずしく描いたというか。まだ自分の力では、その、運命みたいなものにあらがうことができないという中学生のもどかしさですかね…。「少年の、恋と友情と別れの物語」ですよね。それで、ラストシーンには蛍の大群が出てくるんですよ。富山県の話で、あれだけ光っているので、ゲンジボタルだと思うのですけれども、蛍の集まるという川にですね、「今年は4月が大雪だったので、夏には大量発生するだろう」と。それで、主人公の少年たっちゃんは、どうしても、この蛍の大量発生を見たいんですよ。なぜかと言うと、その土地の伝説というか、言い習わしで、「この大群の蛍を男女で共に見ると、2人はかたく結ばれる」っていうのがあって。子供の頃から聞いているんです。でね、英子ちゃんっていう幼なじみの女の子がいるんです。小さい頃は、ふざけて「私、たっちゃんのお嫁さんになる」なんて言ってたんだけど、多感な時期じゃないですか。中学生になると、ちょっと照れ臭くなるんだけど…。でもね、たっちゃんが転校しそうになるんですよ(転校するんですけど)。それで、たっちゃんは、ピアノ教室の窓に向かって、「今日は蛍川に行くからな」って言うんですよ。でも、英子ちゃんは顔を見せないんです。先生にピシャッと閉められちゃうの。で、「来るのかなぁ。来ないのかなぁ。」と思って、お母さんの十朱幸代さん(演じる役)と、案内役になったおじいちゃん、銀蔵じいさん…これが、殿山泰司なんですよ!私の大好きな役者さん!!わたし小説を読んでいたんですけど、殿山泰司さんが、ここに出てくるから、映画を見ようと思った。この、殿山泰司さん(演じる銀蔵じいさん)が、案内してくれるんですよ。

「たっちゃん!自転車ここに置いていかれ(モノマネ)」…富山弁がこんな感じだか、わかんないですけどね(笑)。この時には、まだね、英子ちゃん来てないんです。

それでようやく、山の中に入っていくって時に、「来たわ!」って。それで、英子ちゃんは、たっちゃんのことをちょっと好きなので、子供の頃に聞いた「2人で男女で蛍の群舞を見ると結ばれる」っていう話を思い出すんです。それぞれが思い出すんですけど、今回一緒に行きたいってなったときに、「私、忘れとらんよ。」言うの。

で、その殿山泰司さん演じる銀蔵じいさんに案内されて、川の蛍が出るかなぁってとこまで行くんですよ。「出るかわからんぞ、今日は。あんまり期待せんといてよ」と、殿山泰司さんに言われて、たっちゃんは、お尻を叩かれるんですけど、2人でどうしても見たいんですよ。将来結ばれたいから。子どもの頃から、ずっと好きだった英子ちゃんだからね。で、4人でお母さんと銀蔵じいさんと英子ちゃんとたっちゃんが山の中に入って、「蛍川」と言われる川のところで、蛍が出てくるのを待っているシーンが、、、なんともいいんですよね。

ラストシーンは、映画を見てください。小説を読んでください。

山陽さん:これは1987年の映画で、それから2年後に殿山泰司はなくなっているんですよ。本当に晩年の、ねぇ、いい感じの、建具屋さんだったかなぁ。殿山泰司さんはもう…イメージが浮かびません?役者さんとして。

(スタジオの内外が、ちょっとシーンとなる)

…どうして!?(笑) 。ツボカワさん!やっぱり殿山泰司さんの話は興味なかったみたい!(笑)。
(山陽さん、そんなこと、ありませんよ~!勉強しておきます!by鈴木・佐藤)
でも、私にとっては、蛍と言えば殿山泰司なんですよ!!
鈴木:…蛍って、とても愛に関わる作品にも出るのかなぁって。
山陽さん:そうなんですよ!

蛍と愛…♡この話の流れで、「これはぜひ読みたいと思っていました!」という鈴木アナ。

「✉️大学に入りたての頃、男友達と2人で、札幌西岡公園の蛍を見に行きました。暗くなる頃、肩が触れるか触れないか位の距離を、ゆっくり歩いてドキドキしたな~。その次の年も同じ公園へ。その彼と、手をつないで見に行きました。人生で蛍を見たのはその2回だけ。彼は今どうしているかな。今となっては、蛍の光と同じくらい、淡く美しい思い出です。」

山陽さん:あら?3年目は?笑
鈴木:…ていう(笑)。蛍と愛は、何かと結びつく気がしますね~。
山陽さん:網走の卯原内も、わたしの初恋の地ですからね。宮本さんは、「川三部作」、この「螢川」の他にも、「泥の河」、それから「道頓堀川」という小説を書いていらっしゃるんですけど、「泥の河」も素晴らしい映画なんですよ。「泥の河」の話はね、私ね、そっくり全部できるぐらい、頭の中に入っている映画の1つですね。
佐藤:泥の河には…蛍は出てこないですね?
山陽さん:出てこないけど、殿山泰司さんは出てくるんですよ。

…あれ?今回のテーマは、「蛍」でしたよねぇ…?(笑)と、心配になるほど、山陽さんの殿山泰司さん愛が止まりません!(笑)

北海道で見られる・見られない話とは別に、「蛍は、もう日本中で減っているんだと思いますよ。昔はどこにでもいたというのが何を読んでも書いてありましたから。」という山陽さん

鈴木:さきほどのおたよりの方みたいに「玄関先にいました」という方もいらっしゃいましたからね。
山陽さん:いるところにはいるんですけど、「いる」っていうのがびっくりされるぐらいのことになっちゃうでしょ。私は卯原内で、本当に、赤とんぼがですね。校舎の日の当たってるところに、全部止まってるような。だから、何千匹っていうものをいっぺんに見るようなことがあったんですけど、今トンボも少ないですもんね。卯原内あたりでは、トンボもかえすことをしているんですって。
佐藤:そうしないと、出てこなくなっているんですか?
山陽さん:トンボ少ないですよ、いまは。昔は本当に、イナゴの佃煮ってのはありますけど、つくだ煮になるぐらい、いたんですよ、いろんな虫が。トンボは食べませんでしたけどね、さすがに(笑)。でもね、減ってますよ。
田んぼに、やっぱり薬をまいてしまってお米の収量を多くしたっていうのが、水生生物・水の中で成虫になる前を過ごす昆虫が減ったっていうのは、それでしょうね。
「北ホタルの里」で放流をしている上田さんが言ってたんですけど、「我々は農家なので、生産者の方に、ここは環境がいいんだと。蛍が住めるぐらいのところで、お米をつくってるんだってことをわかってほしい」って。そういうことが、活動目的の一環でもあると。
そう考えると、私、全国いろんなところに行くんですけれども、田んぼに行ってね、カエルが鳴いていないことがあるんですよ。でね、北海道の私の故郷のところなんかは、ときどきサギなんかがポツンと立ってることがあるので、「何かエサがあるのかしら?」と思うぐらいなんですが。
思えば子どものころ、田んぼの引き込みの、何ていうのかな、水たまりなんかには、ものすごい数のカエルの卵があったりなんかしてですね。必ず誰かがはまって、靴の中に卵を入れるぐらい、珍しいものではなかったんですけど。いま、見ないですね。
鈴木:私も小さい頃、自宅の周りというか近所に用水路がありまして、そこに、カエルの卵ですか、うーっと長い、腸みたいなのがありましたけどね。
山陽さん:サンショウウオの卵なんかは、ほんとに見ないですよ。「いかに、水が、そういうものが住みにくいものになってしまったか」って。人間は耐性があるから気が付かないけれども、これから先、わかんないですよね。
最近、まことしやかに聞いたんですけれども、「マイクロプラスチック」ってありますよね、さらに細かく砕けた「ナノプラスチック」っていうのは、人間の体の中に入り込んで、前は食べたら出てくるようになっていたと思っていたんですけれども、もう血管の中に入っているんじゃないか。ということを、研究者が最近出したんですって。そうなると、水が汚れているってことについて、今までの汚れとは違う、もう絶対分解できないものが体内に入るようになってきたんですよ。(山陽さん調べです。)
蛍の心配している場合じゃなくなるかもしれないというんですよ。蛍が環境のバロメーターだったんですけど、蛍がいなくなったら、我々がいなくなるのも近いなと思うぐらいの覚悟で、蛍を見ていかなきゃならないな、と思っていますよね。
鈴木:そういった意味でも、十分しっかりと考えながら接していければなと。

「✉️山陽さんの、宮本輝さんと殿山泰司さんのお話。感激です!宮本さんも、殿山泰司さんも、すてき!大好きです!」

鈴木:山陽さん!共感者いました!
山陽さん:いましたね、理解者ね~!
鈴木:スタジオの中と外も、あまり反応良くなかったんですけど(笑)、リスナーには反応していますんで。

山陽さんの、殿山泰司さんへの想いが止まりません(笑)。そして、殿山泰司さんの生涯を描いた映画『三文役者』の話へ。そこで、殿山さんの役をやったのが、竹中直人さんだったんですが…。

山陽さん:竹中さんが、コントみたいなことやっている頃から、素晴らしい方だなと思ってたんですけど、この殿山泰司役をやったっていうことについて、うらやましいですね。とにかく。
一度、中華屋さんでバッタリお会いして岩松了さんという方が紹介してくださったんですけど、「どうも!似たようなもんですから!」って言われて、溶けるような気持ちになりましたね。
「ありがとうございます。」って。わたし、殿山泰司に声をかけられた気になっているんですよ。殿山さんは、わたしがこの世界に入る前に亡くなってしまったのでお会いできなかったんですけど、竹中さんに「こんにちは!」って言われたことで、殿山泰司に挨拶されたような気持ちさえしたという(笑)。だから、もう、、、この殿山泰司さんの好きっぷりがどのぐらいかは、わかっていただけるか…。
鈴木:竹中直人さんも、そんなことは思ってもいないでしょうけど。
山陽さん:俺じゃないのか!って怒られるかもしれないね(笑)。

今回のテーマは「蛍」でしたが…半分以上、殿山泰司さんの話でしたね。「殿山泰司っていうテーマにすればよかったですね(笑)」と、笑う山陽さん。

山陽さん:これから、北海道は蛍が見頃ですので、こっそり、二人くらいで行くのが良さそうですね。
鈴木:ほんと、最近なかなかね、人が集まるところに出かけにくくなってますけれども蛍の居るようなところを探していけば、密にはならないのだなと思いますけれども。
山陽さん:卯原内はクマの徘徊する地域でもあるので、ダムのあたりなので。あそこは、お気をつけいただきたいですね。夜一人で行くと怖いんじゃないですかね。
鈴木:かといって光を出すのもアレですし、音を立ててもいけない気がしますね。
山陽さん:懐中電灯を持っていかない方が。いてもいいですけど、池のそばでつけていると、蛍は嫌がりますよね。
佐藤:蛍はデリケートなんですね。ほんとうに。
鈴木:蛍…見るのも大変なんですね。
山陽さん:いるとこにはいるんですけどね。わざわざ期待して行っても、「将来結ばれるように」なんて思っていると、出てこなかったりするので。
鈴木:目的とその手段をはき違えると(笑)。
山陽さん:人の思惑通りには、なかなか行かないんですよ。蛍ってやつはね。
佐藤:とりあえず、きょう出てきた映画を見ないとダメですね~。
鈴木:私たちも映画を見て、蛍、復習しないといけませんね(笑)。

▼番組で紹介した曲~神田山陽さんセレクション「夏っぽい曲」

『遠い海の記憶』 / 石川セリ

『蛍の光』/宗次郎

『夏になったら』/やまがたすみこ

『初夏』/ふきのとう

・・・

今回も蛍の放つ光のように、山陽さんの叙情的なうんちくが舞っていましたね。「蛍」にまつわるうんちくだけでなく、「蛍の生息する場所の水質」なども、考えさせられました。

そして、今回は投稿もたくさんいただきました。鈴木アナのお気に入りの投稿「肩の触れる距離にドキドキ、手をつないで行ける場所…」、、、みたいなことがこの夏ありましたら、まるごとラジオまで投稿お寄せください。MC陣(特に鈴木アナ)が、頬を光らせて読ませていただきます。

今回はいつも以上にリスナーとのキャッチボールができた気がします。ありがとうございました。今後も皆さんからの、メッセージお待ちしています☆

「蛍」。日本の風物詩として、うんちくのテーマにできるよう、私たちができることも考えていきたくなる、うんちく問答でした。

放送終了後のおたのしみアフタートークで、もうひとうんちく紹介しています。こちらも、ぜひお聴きください。

うんちく問答の楽しみ方、今回はばっちり予想が当たった、ビフォアートーク(今回は鈴木遥のミニうんちく問答!ちょっと長め!)こぼれ話など、WEBのコンテンツもあわせてお楽しみくださいね。 

次回もどうぞお楽しみに!

2021年7月13日

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