ゲストは、道東・芽室町在住の写真絵本作家 小寺卓矢(こでら・たくや)さんです。
小寺さんは、自然写真を通して命の営みを子どもたちに伝えたいという思いから、読み物としても楽しめる写真絵本を20年近く作り続けてきました。道内で撮影された様々な自然写真と共に、現在の活動のきっかけとなったエピソードなどをうかがいました。

今まで小寺さんが出版した写真絵本は5冊。どれも自然の営みが感じられる作品です。
その中で最初に作ったのがこちら「森のいのち」。森に息づく命のつながり(生と死の移り変わり)をテーマにした物語です。


作品を作るきっかけになったのはこちら(倒木更新)の写真でした。

森の倒木から新しい命(新芽)が誕生するこの写真はまさに、「森に息づく命のつながり」を象徴したものでした。
森に息づく命、その生と死。重たいテーマかもしれないが、それをぜひ感受性豊かな子どもたちに見てもらいと感じた小寺さんは、子どもにも読みやすい物語にしてみようと思ったのだそうです。
写真絵本を作る前から自然写真家として活動していた小寺さん。その活動のきっかけと
なったのは、当時すでに写真家として活躍していた星野道夫さんとの出会いでした。

大学4年のとき、自分の好きなことを仕事にしたいと思いながら進路に悩んでいた小寺さんは知り合いを頼りアラスカへ行きます。そこで、星野さん家族と出会い交流を深めました。そして、写真家として活動することを後押ししてくれた星野さんに恩返ししたいと思っていた矢先に届いた訃報。この星野さんの死を境に、小寺さんは森の営みの中にある“生と死”にフォーカスした写真を撮るようになりました。
今も、自然と命に真摯に向き合い考え続けるという宿題を星野さんにもらったと感じているそうです。
そんな小寺さん、写真絵本作家として作品を発表するだけでなく、もう一つ大切にしている活動があります。それが多くの人(特に子どもたち)に自然や写真の魅力を知ってもらおうと企画しているワークショップです。

自然散策をして集めた木の葉で作品を作ったり、写真撮影をしたり…今まで、図書館や個人サークルのイベントとして、100回近く行ってきました。
中でも人気なのが、写真絵本を作るワークショップです。撮影、写真選び、製本、文章や
本のタイトルを考えるところまで、全部自分で作ります。


子どもたちの作る写真絵本はどれも魅力的で、その視点の多様性に感動することも多いといいます。心を動かされたものにまっすぐ向き合う子どもたちから、あらためて教えられることも多いそうです。

これからも、写真を通して自然や命の大切さを伝え続けたい。未来ある子どもたちに自然や写真の楽しさを伝えていきたいということです。
小寺さんのホームページやSNSには、作品やワークショップの情報が掲載されています。
これを機に興味を持った方は、ご覧になってみてください。
【出演】写真絵本作家 小寺 卓矢 さん