NHK札幌放送局

取材日記(札幌白石高校・吹奏楽部)

NHK高校放送部

2020年9月28日(月)午前11時37分 更新

9/24(木)放送の「ほっとニュース北海道」では、札幌白石高校・吹奏楽部の定期演奏会の模様をお伝えしました。取材を担当したNHK高校放送部員・飯嶋が、放送時間の都合上お伝えしきれなかった演奏会の舞台裏をお届けします!

心のこもった手紙で、生徒自ら協賛企業集め

毎年6月に札幌コンサートホールKitaraで開催し、普段は約2,000席ある客席が満席になるという札幌白石高校・吹奏楽部の定期演奏会。会場費やプログラムの印刷費を始め、実施するにはそれなりの費用もかかりますが、その資金集めは生徒たちが自ら行っています。例年は3月頃から各企業を訪問し、1件1件協賛のお願いをするそうですが、今年は新型コロナの影響でそれも難しい状況に……。それどころか、今年の3月時点では定期演奏会が実施できるかどうかすら分からない状況でした。

でも、何らかの形で定期演奏会は実施して引退したい……そんな部員たちの思いを背負い、部長の髙松さんは資金集めを開始することに。先が見通せない状況でしたが、例年協賛を頂いている企業の皆さんに直接会いにいけない代わりに、手紙をしたためることにしました。

思いがつまった手紙は、便箋にびっしり。そんな髙松さんの思いが届き、例年通り300社近くの企業から協賛をいただくことができました。十分に練習できない環境に苦しみ、大会や演奏会が次々と中止となった悲しみにくれながらも、前を向く彼女たちの姿に大人たちも感銘を受けたのかもしれません。演奏会当日に配布されたパンフレットには、協賛企業やOBOGから寄せられた多くの応援メッセージが記されていました。

先生や保護者の皆さんから、愛情たっぷりのサプライズ!

観客を保護者と一部の学校関係者のみに絞った今回の定期演奏会でしたが、満席の演奏会に見慣れている生徒にとっては寂しい光景……。そこで先生と保護者の皆さんは、生徒たちにサプライズで会場を飾り付けることにしました。

演奏会の前夜、学校には保護者の皆さんの姿が。コツコツ作成してきた装飾品を車に積み込みます。名残惜しそうに閉門ギリギリまで残っていた生徒たちに出くわさないよう、細心の注意を払いながらの積み込み作業。保護者の皆さんもドキドキでした。
そして迎えた演奏会当日。生徒が会場内に居ない時間帯を狙い、せっせと飾り付けをします。感染防止対策のため空席としていた会場最前ブロックに、OBOGや関係者から事前に集めたメッセージをボード化して設置。さらに、代ごとに作成してきた横断幕も会場中に配置して、場内は一気に華やかになりました。

そんな会場を生徒が初めて目にしたのは、本番直前のリハーサル。会場入りした瞬間、それぞれの反応がありましたが、髙松部長は装飾が施された場内を一瞬見まわして、すぐに前を向いてしまいました。後から話を聞くと「じっくり見たら絶対に泣いてしまうと思ったので、努めて見ないようにした」とのこと。普段通りの開催は叶わなかったけれど、一生思い出に残る悔いないステージにして欲しいという先生や保護者の皆さんの愛情が詰まった演出でした。

1回の本番にかける思い

本番数日前、学校で行われていた練習を取材しました。すると、密を避けるため合奏もなかなか出来ず、ほとんどがパートごと分かれての練習。校庭で練習するパートもありました。

生徒自ら組んだある日の練習予定表

さらに本番では、通常は同じフロアに並ぶはずの金管楽器の一部メンバーが、距離を確保するため2階席で演奏することに。演奏隊形も普段とは異なる形となりました。満足いく練習もなかなかできない中で演奏会を迎え、皆さん少なからず不安もあったのではないかと思います。
でも本番の演奏を聞くと、前日までの練習から更にパワーアップしていることが感じられました。例年であれば年間数十回とある演奏会が、今年はたったの1度きり。1回の本番にかける部員たちの思い、そして本番ならではの圧倒的な集中力とパワーが伝わってきました。

少し話は変わりますが、彼女たちの演奏を聞いて思い出したことがあります。私(飯嶋)はもともと8月まで東京・科学文化部に所属し、主に舞台芸術の取材を担当していた関係で、世界的バレリーナの吉田都さんにインタビューさせていただく機会がありました。そこで印象的だったのが「1回の本番が1週間の練習に匹敵する」という言葉。本番で発揮される集中力と沸き上がるエネルギーは素晴らしく、1回のステージを乗り越えると技術は大きく向上すると仰っていました。分野は異なりますが、“舞台に立つ人”という意味では通ずるものがあるのかもしれません。甲子園の代替大会があったように、文化部の生徒たちにも代替大会が用意され、1人でも多くの生徒たちが1度でも多くの舞台を経験できることを祈るばかりです。

札幌白石高校・吹奏楽部の皆さん、NHK高校放送部にメッセージをお寄せいただき、そして快く取材に応じてくださりありがとうございました!

取材を担当したNHK高校放送部員:飯嶋 千尋(記者)
2009年にNHK入局。旭川⇒札幌⇒東京で勤務し、今年から4年ぶりの札幌勤務。普段は科学・芸術・文化分野の取材担当をしています。
高校時代はマーチングバンドに所属し、カラーガードを担当。高校2年生の時に全国大会にも出場しました。今回吹奏楽部を取材させていただいて、とても懐かしく胸が熱くなりました!

NHK高校放送部

2020年9月28日

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