様々な映画の舞台となり、「映画のまち」として知られる函館。中でもミニシアター「シネマアイリス」が企画・製作した映画は、函館出身の作家・佐藤泰志の小説を原作とし、函館でのロケにこだわり、市民とともにつくられてきました。その中から「海炭市叙景」と「オーバー・フェンス」を総合テレビ(北海道内向け)で放送します。
シネマアイリス
1996年に市民が資金を出し合ってオープンした映画館。映画の上映のほかに地元に根ざした映画製作も行う。2022年芸術や伝統など地域の発展に貢献した個人や団体が表彰される「サントリー地域文化賞」に選ばれる。
「海炭市叙景」
放送日時:5月23日(火)午前0時35分(月曜深夜)(北海道向け)

その冬、海炭市では造船所が縮小し、解雇されたふたりの兄妹が、なけなしの小銭を握りしめ、初日の出を見るために山に登ったのです…。プラネタリウムで働く男は妻の裏切りに傷つき、燃料店の若社長は苛立ちを抑えきれず、父と折り合いの悪い息子は帰郷しても父と会おうとせず、立退きを迫られた老婆の猫はある日姿を消したのです…。
監督:熊切和嘉 原作:佐藤泰志 企画:菅原和博・「海炭市叙景」製作実行委員会
出演 谷村美月 竹原ピストル 加瀬 亮 三浦誠己 山中 崇 南 果歩 小林 薫 他


「オーバー・フェンス」
放送日時:5月24日(水)午前1時25分(火曜深夜)(北海道向け)

家庭をかえりみなかった男・白岩は、妻に見限られ、東京から故郷の函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。
訓練校とアパートの往復、2本の缶ビールとコンビニ弁当の惰性の日々。
なんの楽しみもなく、ただ働いて死ぬだけ、そう思っていた。
ある日、同じ職業訓練校に通う仲間の代島とキャバクラに連れて行かれ、そこで鳥の動きを真似る風変りな若いホステスと出会う――。
名前は聡(さとし)。
「名前で苦労したけど親のこと悪く言わないで、頭悪いだけだから」
そんな風に話す、どこか危うさを持つ美しい聡に、白岩は急速に強く惹かれていくが・・・。
自由と苦悶のはざまでもがく女の一途な魂にふれることで、男の鬱屈した心象は徐々に変化していくが、それでもままならない時間を過ごすしかない一組の男女。
そして孤独と絶望しか知らなかった男たち。
美しく壊れかけた男と女がフェンスの先に見つけるものは――。
監督:山下敦弘 原作:佐藤泰志 企画:菅原和博
出演:オダギリジョー 蒼井優 松田翔太 北村有起哉 満島真之介 松澤匠 鈴木常吉 優香 他

