NHK札幌放送局

函館のブリを新ご当地グルメに #道南WEB取材班

道南web

2020年10月15日(木)午後3時46分 更新

函館では近年、特産のスルメイカの記録的な不漁が続いていますが、その一方で水揚げが急増しているのがブリです。去年、函館などで水揚げされたブリの量は初めてスルメイカを上回りました。
北海道の食卓ではあまりなじみがないブリの消費を拡大しようと、地元では調理方法を工夫した新たな“ご当地グルメ”の開発に乗り出しました。

「ブリたれカツ」登場!

函館で開かれている「ブリフェス」(10月10日~18日)は近年、水揚げが急増するブリの消費拡大を狙って初めて企画されました。その会場でイベント初日にふるまわれたのがブリの切り身を揚げた「ブリたれカツ」です。市内の飲食店の関係者たちが開発しました。

「ブリたれカツ」の名前に入っている「たれ」は、店ごとに独自の「たれ」をかけて味わえるようにしているということです。

会場で試食した人はー
「全然臭みもなかったし、おいしかったです」
「本当に弾力があって魚とは思えないくらい肉厚という感じでおいしいです。こういう料理法があれば、家庭でまねしたいですね」

水揚げ急増でも消費が…

去年、函館などで水揚げされたブリはおよそ6600トンと特産のスルメイカを初めて上回り、10年前に比べて10倍にまで増加しています。背景には海水温の上昇でブリの回遊範囲が変化したことなどが指摘されています。

しかし、ブリは北海道の食卓になじみが薄く、札幌市の1世帯あたりのブリの年間消費量は全国平均の半分以下にとどまっていて、消費拡大が課題になっています。

新レシピで課題克服

「ブリフェス」を主催した団体「はこだて海の教室実行委員会」の國分晋吾さんは「ブリフェス」に向けてブリのご当地グルメを料理人たちと開発しました。そこで課題として挙がったのが臭みをどう抑えるかでした。

料理人 菊池隆大さん
「ブリは血合いが多い。一般の人が食べるブリは普通、網などで取れた魚がそのまま来るので、体に血が回りきって臭みにつながるんです」

そこで菊池さんたちが使用したのが牛乳です。切り身を牛乳に漬け込み、血を抜くことで臭みがなくなることが分かりました。

さらに風味を豊かにするため地元産の昆布のエキスを塗り込みます。こうして開発されたのが「ブリたれカツ」です。下処理を工夫することで課題を克服しました。

はこだて海の教室実行委員会 國分晋吾さん
「臭みもないですしブリの食感というかブリ感もちゃんとあるので、みなさんに喜んでもらえると思います」

新ご当地グルメを目指して

「ブリたれカツ」は函館市などの飲食店で出されています。そのうちの1つ、函館の老舗洋食店では肉厚でジューシーなブリの持ち味を生かせると、看板料理のカレーと掛け合わせました。

「五島軒」 若山豪専務
「淡泊な魚ではなく、ブリでなければカレーに負けてしまうと思います。ブリの臭みを消す料理法を今回のブリカツカレーに生かせたのは勉強になりました」

「ブリフェス」には函館などの20の飲食店が参加し、「ブリたれカツ」を使ったメニューを提供しています。今回は期間中の限定メニューとして提供されていますが、飲食店からは今後も店で提供したいという声が挙がっているということです。

はこだて海の教室実行委員会 國分晋吾さん
「まずは“楽しい”“おいしい”というところから入らないと、なかなか食文化は根付かないと思います。今回のブリフェスをきっかけに、今後もブリが地域で食べられるようになればいいなと思います」

水揚げが急増するブリは函館の新たなご当地グルメになるのか、関係者が熱い期待を寄せる取り組みが始まっています。

(函館放送局・西田理人 2020年10月13日放送)

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