年の瀬が近づき気になるのは忘年会や帰省。
変異ウイルスのオミクロン株も気になりますが、道南では感染は落ち着いています。
みなさんの考えを町で聞きました。そして気をつけたほうがいい感染対策は?
忘年会する?しない?町の声は?
コロナ禍で迎える2回目の年末年始。
ことし、町の人たちは忘年会や帰省についてどのように考えているのか。
函館で実際に聞いてみました。

20人に聞いたら、全員が「ことしは忘年会はしない」という回答でした。「忘年会はしたいけれど、まだ少し不安」という声が多く聞かれました。
ことし10月に調査会社「東京商工リサーチ」が行ったアンケート調査によりますと、回答を得た道内423社のうち「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の対象地域となっているかに関係なく、忘年会を開催しないと回答した企業は278社で65.7パーセントだったということです。
飲食店の状況は?対策は?
忘年会シーズンを前に飲食店の状況はどうなっているのか、函館市内にある居酒屋を訪ねました。この店では感染対策に力を入れています。

座席の間隔を開けているほか、パーティションを設置するなどしていて、感染対策が取られていると道が認める「第三者認証制度」を取得しています。
ことしは、去年に比べて少人数の予約が徐々に入ってきているということです。

この店では、デリバリーやテイクアウトにも力を入れていますが、それでもコロナ前に比べれば売り上げは半分にも満たないと言うことです。

あっとほーむだいにんぐTAKEDA屋 武田浩一さん
「函館や日本全体が感染者が少なくなって落ち着いて、みなさんわいわい騒げるぐらいになればいいなと思ってます」
函館市の飲食店などで作る「函館社交飲食連合会」によりますと、去年に比べると増えてはいるものの、ホテルなどの大きい宴会場を使った忘年会や、2次会としての利用頻度が高い、バーなどの店ではほとんど予約が入っていない状況で、厳しい年末年始だと見ています。

「久しぶりに友人と酒を飲みたいが不安」。
では、どうすればいいのか。感染症に詳しい国立病院機構函館病院の感染管理認定看護師の野館陽副看護師長は次のように指摘しています。

国立病院機構函館病院 感染管理認定看護師 野館陽 副看護師長
「食事会のときに考えなければならないのは、参加する自分の体調がどうなのかということがまず第1です。その次に、行く店がどういう感染対策を取っているのか。『3密を避けている』ですとか、『手指消毒液』が置いてあるかですとか、『パーティション』で仕切られている、『換気されている』などを確認するのが、自分たちを守るために大事だと思います。ひとつの目安として、北海道や厚生労働省が示している感染対策の指標をクリアしているお店を選ぶというと少しは安心なところがあると思います」
ことし帰省はどうする?
一方で帰省はどうでしょうか。町の人たちの意見を聞きました。

20代会社員
「親戚が来るなと言っているので帰省しませんし、たぶん誰も来ないと思いますのでゆっくり過ごします」
20代女性
「家族みんなワクチンを接種したので、ことしは久しぶりに兄が帰ってきます」
40代2歳の子を持つ母
「ことしは夫の実家に帰省しますが、どこにも寄らない予定です。祖父母に子どもを会わせて帰ってくるだけにしようと思っています」
20人に話を聞いたら、ことし帰省を「する」または「しにくる」と答えた人は8人で、帰省を「しない」または「来ない」と答えた人は12人でした。

「する」または「しにくる」と答えた人のほとんどが、「去年は帰省を諦めたけれど、ワクチンも接種したので、感染対策に気をつけながら帰省したい」と話していました。
調査会社「日本トレンドリサーチ」が10月にまとめた調査によりますと、年末年始に帰省する予定だと答えたのは37.9%と、コロナ前に比べると帰省しようという人はまだ多くないようです。
年末年始どういったことに気をつければいいのでしょうか。感染管理認定看護師の野館陽さんは次のような対策をあげています。

国立病院機構函館病院 感染管理認定看護師 野館陽 副看護師長
「ふだん接触しない人との接触の場面というのは、やっぱり増えると思うんですよね。集まる人数を調整するとか、例えば東京から息子さんが帰ってくるっていう日になるべくほかの方、家に来ないようにしてもらうとか。自宅で会うのであれば、大勢の人で集まらないようにするですとか、そういったことが大事なのかなと思います」
特に気を付けてほしいポイントとして、家庭での食事のポイントを挙げています。
年末年始には家族で鍋やおせち、ちらし寿司などを食べることもあると思いますが、大皿の料理や鍋を囲んで食事をすると、料理に飛沫が飛んだり、箸などに付着した唾液から感染するリスクが高くなります。
大皿ではなく、それぞれ個々の皿に盛りつけた料理で食事をするだけでも、感染リスクを減らすことができるということです。

もし鍋などを食べるのなら、取り分けは直箸をするのではなくて、別の箸で取り分けるだけでも感染リスクを少し減らすことができるということです。
年末年始、人の移動が多くなったことで、感染がまた拡大したということにならないよう1人1人が行動を心がけることが大事だと感じました。
取材 川口朋晃(NHK函館)
2013年入局 札幌局小樽支局を経て、2018年より函館局勤務。行政・経済・観光の担当。新型コロナウイルスの影響を中心に取材。ことしの年末は自宅でゆっくり紅白を見ます。
2021年12月13日
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